昨日はFOMC後の市場の反応がどうなるのかに関心が集まった。市場予想よりもタカ派色の濃い内容となったものの、それを本格的なタイトニングの始まりと考えるのか。それとも単なる意思表示だけであり、すぐに市場はFOMC前に戻るのかどうか。すでにユーロドルやドル円はドル高を演じてしまっており、その後は一段高するのかどうかを見たいのである。
結果としてはユーロドルが大きく下げる一方で、ドル円は反対に下げた。結果としてユーロ円がトップから2円ほども下がってしまっている。ドル相場ではなかったということだ。私はユーロドルのショートで何回か参戦していたので困らなかったが、ドル円のロング攻めで臨んでいたら損切り場所などで困惑していたことだろう。
昨日はコモディティ価格の下落が目立った。金や銀といった貴金属、それに石油やガスといったエネルギー。それに加えて食料品などもである。これはひとえにFOMCのなかで2023年には2回の利上げを見込んでいたということが大きい。コモディティというのは金利が付かないので、金利上昇には弱いものだとされている。それがモロに出たわけだ。
その一方で昨日のドルの長期金利は低下した。FOMCでの反応が過度であったことの裏返しであり、10年ものの利回りは1.5%台を下回ってくるなど、FOMME前の水準まで戻しつつある。長期金利は名目金利、コモディティ価格はインフレ期待と考えることができるので、その差額である実質金利が大きく上昇したことを意味する。
そうしたドルの実質金利の上昇を素直に反映したのが、ユーロドルだったといえよう。FOMC後にはそれなりに下げたのだが、昨日のマーケットでさらに大きく一段安したというのは、そうした外部環境の変化にもよる。
今日は日銀の金利会合である。いつものことだが、アメリカのFOMCと違って日銀の会合はあまり関心を集めていない。したがってマーケットに与える影響も小さいというものだ。ただ先週辺りから気になる観測記事が出始めていて、日銀保有の現物株やETFが売るに出されているというものだ。その辺のことを確認するためにも東京クローズ後の黒田総裁の会見にはいちおうの注意を払っておく必要がある。
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