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太田忠
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ドル・円・ユーロの明日はどっちだ!?

全世界をアゼンとさせた金融安定化法案の否決。そして、為替はどう動く?

2008年09月30日(火)19:39公開 (2008年09月30日(火)19:39更新)
ザイFX!編集部

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 まさかの否決——。

 米国議会下院は昨日、金融安定化法案を否決した。まず可決される見込みだったものが否決されたことで株は暴落。NYダウは前日比777.68ドル安と、史上最大の下げ幅を記録した。

 為替相場もその影響を受け、揺れ動いている。

 金融安定化法案否決を受けた為替の動きにはどんな特徴があったのか? また、為替はこれからどう動いていくのか? 『ザイFX!』でもおなじみの松田哲さんに聞いた。

■全世界がアゼンとした金融安定化法案の否決

 「いや~、オドロキましたね~」

 これが松田さんの第一声。マーケットで数々の修羅場をくぐり抜けてきた松田さんはたいていのことには驚かない——というのが記者のこれまでの印象だったが、さすがの松田さんでも驚いたのが今回の「否決」だったということだ。

 「マスコミ全体が法案は通る見込みという論調でしたから、通らなかったのは予想外。全世界がアゼンという感じだったと思いますよ。ただ、金融安定化法案はモラルハザードもへったくれもない法案ですから、おお~、アメリカも大したもんじゃないかと実は僕は評価してもいるのですが…」

■ドル/円よりユーロ/円の下落率が大きいワケ

 金融安定化法案否決を受けて、ドル/円やユーロ/円は下落した。昨日、高値107円近くをつけていたドル/円は本日、一時103.5円あたりまで下落している。また、昨日、高値155円をつけていたユーロ/円は本日、一時148円台後半まで下落している。

 ドル/円は約3.5円の下落、ユーロ/円は約6.5円の下落。ユーロ/円の下落幅の方が大きい。もちろん、レートの絶対値がユーロ/円の方が大きいということはあるのだが、下落「幅」ではなく、下落「率」で考えても、ドル/円が約3.3%、ユーロ/円が約4.2%となり、ユーロ/円の下落率の方が大きくなっている
米ドル/円 1時間足
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 1時間足
ユーロ/円 1時間足
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/円 1時間足

 今回の金融安定化法案否決は米国の危機であり、ドルの売り材料になるのではないのか? これが結局は全世界に影響を与えることになるとしてもである。それなのに、ユーロの下げの方がきついのはなぜなんだろう?

 松田さんによると、そのことを考えるにはユーロ/ドルの動きを見るのがいいようだ。

 「昨夜はたまたまマーケットを見てたんですよ。夜中の2時45分ぐらいにユーロ/ドルが跳ね上がったんで、何か発表があったと思ったんです。それが『否決』のニュースだったわけですが、上昇は続かず、ものの15分ぐらいで元に戻って、さらに下がっていきました」

 ここで問題は、ユーロ/ドルが下がったということは、ユーロが売られ、ドルが買われたことを意味しているということだ。
ユーロ/米ドル 1時間足
 「理屈で言うと、金融安定化法案否決はドル売りの材料。だけど、以前も書いたとおり、ユーロ/ドルは1.53~1.60ドルという高いゾーンで買って、つかまっている人がアップアップ状態にあるんですね。だから、ちょっと上がったら、売りたくてしょうがない人の売りが出てくるわけです。リスク回避の動きで、たまっていたユーロ買いのポジションが売りで出てくるのです。

ユーロ/ドルは金融安定化法案否決のニュースでは本来上昇しないといけないのに、そうした需給の問題があるから、下がっているわけですね

 ドル/円では『否決』のニュースに反応して、ドルが下がり、円が上がっている。ユーロ/ドルはそうした需給の問題があるので、『否決』のニュースにもかかわらず、ユーロがやや下がり、ドルがやや上がっている。ユーロ/円はドル/円とユーロ/ドルのかけ算になるので、一番大きく下がっている——こういう図式になります。

 これはポンド/円にしても、オージー円(豪ドル/円)にしても同じです」

 ドル/円よりもユーロ/円の下落が激しいことについて、松田さんの解説は以上のとおりだ。

 では、今後の為替相場、松田さんの見通しはどうなのだろう?

■ドル/円もユーロ/円も豪ドル/円も、そしてユーロ/ドルも売り!

 「全部売りですよ。ドル/円も売りだし、ユーロ/円も売り、オージードル(豪ドル/米ドル)もオージー円(豪ドル/円)も売りでしょう。そして、これは理屈には合わないんだけれど、需給面を考えるとユーロ/ドルも売りだと思います」

 当コーナーでは松田さんに何度も取材しているが、8月22日の記事では、松田さんに聞いた話を以下のようにまとめている(「ユーロ/ドルでドル高が進んでいるが、松田さんの見解に変わりはないのか?(2)」参照)。

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松田さんの話をドル・円・ユーロの通貨ペアでまとめてみよう。

 ユーロ/ドル → 下がる(ドル高)
 ユーロ/円  → 下がる(円高)
 ドル/円   → 下がる(円高)

 ということになる。とにかく、なんでもかんでも下がりそう(?)という話なのだ。


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 8月22日にユーロ/ドルは1.475~1.490ドルあたり、ユーロ/円は161.5~163円あたり、ドル/円は108~110円あたりにあった。実際、それ以降、どれもこれも下がる展開となっている。

 8月22日以降、ユーロ/ドルは1.38ドル台の安値をつけたあと、少し戻して現在は1.43ドル台、ユーロ/円は147円台の安値をつけたあと、少し戻して現在は150円付近、ドル/円は103円台の安値をつけたあと、少しだけ戻して現在は105円付近となっている。

 「8月22日のコメントを今回もそのまま流してもらってもいいぐらいなんですよ(笑)。実際、どれも下がったでしょう」
ユーロ/円 日足
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/円 日足

■いったんリバウンドしたとしても、結局は下がる

 「本日はブッシュ大統領の演説があるそうです。また、金融安定化法案の修正案を10月2日(金)に成立させようという動きにもなっています。

 そういったところで何か材料が出て、相場がいったんリバウンドする可能性はありますが、その後はドル/円にしても、クロス円(ドル以外の通貨と円の通貨ペア)にしても、たまっていたポジションのアンワインド(巻き戻し)が起こって、再び下がっていくと考えています」

(ザイFX!編集部・井口稔)
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