みなさん、こんにちは。
■欧米だけでなく、日本も先行きが不透明になってきた
先週のコラムでは、「アメリカ経済が弱いために、米ドル安に向かいやすい。ただ、米ドル安にかなり傾いてしまったため、その反動が主にユーロ/米ドルで起きている」といった趣旨のお話をさせていただきました(「米国の景気減速は、いずれ欧州に波及か。クロス円は押し目よりも戻り売りが安全だ」を参照)。
今週に入っても、基本的に、そのような環境に大きな変化はありません。アメリカ経済は悪く、欧州経済にも不安があります。
ただ、ここにきて、日本も先行きが不透明になってきました。
今週初めに発表となった日本のGDPは、前期比が事前予想の+0.6%に対して+0.1%、年率換算が事前予想の+2.3%に対して+0.4%となりました。かなり弱い結果です。
日本のGDP成長率の推移
(詳しくはこちら → 経済指標/金利:各国GDP成長率の推移)
どこも経済状況が悪くなってきているため、何をしてよいのかわかりづらく、動きにくくなってしまっているというのが現状です。
このような環境は為替相場ではよく起こりがちなのですが、新規で投資が起きない分、日本が経常黒字であるために、黒字の分だけジリジリと円高に向かいやすくなります。
どこも経済状況が悪くなってきているため、何をしてよいのかわかりづらく、動きにくくなってしまっているというのが現状です。
このような環境は為替相場ではよく起こりがちなのですが、新規で投資が起きない分、日本が経常黒字であるために、黒字の分だけジリジリと円高に向かいやすくなります。
世界の通貨 vs 円 日足
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨 vs 円 日足)
海外から日本への投資が大きく増えているわけではないため、急激な動きにはならないのですが、黒字の分だけ円高に進む、これは日本という国の宿命だと言えるでしょう。
■ユーロ相場は安く、円相場は高くなりそう
ユーロ/米ドルに関しては、先週のコラムで「もみ合い相場に入ってきた」とお伝えしました(「米国の景気減速は、いずれ欧州に波及か。クロス円は押し目よりも戻り売りが安全だ」を参照)。
この見通しを引き続き維持しておきます。
ユーロ/米ドルは、この動きからなかなか抜け出せそうにありません。ただ…
海外から日本への投資が大きく増えているわけではないため、急激な動きにはならないのですが、黒字の分だけ円高に進む、これは日本という国の宿命だと言えるでしょう。
■ユーロ相場は安く、円相場は高くなりそう
ユーロ/米ドルに関しては、先週のコラムで「もみ合い相場に入ってきた」とお伝えしました(「米国の景気減速は、いずれ欧州に波及か。クロス円は押し目よりも戻り売りが安全だ」を参照)。
この見通しを引き続き維持しておきます。
ユーロ/米ドルは、この動きからなかなか抜け出せそうにありません。ただ…
欧州は、財政問題をはじめとして、かなり根の深い問題が山積みになっています。
したがって、ユーロ/米ドルはダウンサイド(下側)に下がっていく可能性があると思っています。
したがって、ユーロ/米ドルはダウンサイド(下側)に下がっていく可能性があると思っています。
ユーロ/米ドル 日足
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 日足)
ユーロ/米ドルが上昇していく展開は、ちょっと考えづらいです。
短期的にはもみ合いが続くのでしょうが、どこかで再び下げるのではないでしょうか?
そして、クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)は引き続き、決定的な材料がない中で、もみ合いになると思っています。
ただ、株価の上値が抑えられているために、どちらかと言えば円高リスクが高まっているように思います。
■今の円高の流れをせき止めるのは難しい
最後に、ここ最近話題になっている、政府や日銀の金融緩和策についてお話いたします。
過去の例から見ると、よほど大胆な対策が出てこないと、市場の反応は一時的なものに留まることが多いです。具体的かつ市場参加者がかなり驚くような具体策が出てこなければ、今の円高の流れをせき止めるのは難しいでしょう。
ユーロ/米ドルが上昇していく展開は、ちょっと考えづらいです。
短期的にはもみ合いが続くのでしょうが、どこかで再び下げるのではないでしょうか?
そして、クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)は引き続き、決定的な材料がない中で、もみ合いになると思っています。
ただ、株価の上値が抑えられているために、どちらかと言えば円高リスクが高まっているように思います。
■今の円高の流れをせき止めるのは難しい
最後に、ここ最近話題になっている、政府や日銀の金融緩和策についてお話いたします。
過去の例から見ると、よほど大胆な対策が出てこないと、市場の反応は一時的なものに留まることが多いです。具体的かつ市場参加者がかなり驚くような具体策が出てこなければ、今の円高の流れをせき止めるのは難しいでしょう。
米ドル/円 日足
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)
何らかの対策が行われた場合、米ドル/円は一時的に87円台くらいまで跳ね上がることがあるかもしれませんが、それが具体的かつ市場参加者がかなり驚くようなものでなければ、そこから先は再び上値が重くなると考えています。
政府や日銀がどのような対策を打ってくるか、今後の動きにしっかりと注目しておきたいと思います。
何らかの対策が行われた場合、米ドル/円は一時的に87円台くらいまで跳ね上がることがあるかもしれませんが、それが具体的かつ市場参加者がかなり驚くようなものでなければ、そこから先は再び上値が重くなると考えています。
政府や日銀がどのような対策を打ってくるか、今後の動きにしっかりと注目しておきたいと思います。
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