みなさん、こんにちは。
日本はお盆休みに入りましたが、相場のほうは目が離せない状況になっています。
■米雇用統計は非常に弱い結果に
先週、こちらのコラムで米国の雇用統計に注目と書きました(「市場は米国経済の行方に注目している。より一層重要になった米雇用統計の結果」を参照)。
発表された非農業部門雇用者数変化の結果は、市場予想の6万5000人減少に対して13万1000人減少となり、非常に弱いものになりました。この結果を受け、全面的に米ドル安が進みました。
米国の雇用指標
(詳しくはこちら → 経済指標/金利:米国主要経済指標の推移)
ただ、発表直後は元気よく反応したものの、その後の動きは鈍いです。週明けの相場では、ユーロ/米ドルで反対に、米ドル高が進むことになってしまいました。
アメリカの景気状況が悪くなっているということに変わりはなく、そのために、米ドルが売られやすい地合いであるということも変わりありません。
ただ、IMMのポジション動向を見ると、ユーロ/米ドルはすでに、ユーロのショートポジション(売り持ち)がほぼ解消してしまっています。
ただ、発表直後は元気よく反応したものの、その後の動きは鈍いです。週明けの相場では、ユーロ/米ドルで反対に、米ドル高が進むことになってしまいました。
アメリカの景気状況が悪くなっているということに変わりはなく、そのために、米ドルが売られやすい地合いであるということも変わりありません。
ただ、IMMのポジション動向を見ると、ユーロ/米ドルはすでに、ユーロのショートポジション(売り持ち)がほぼ解消してしまっています。
シカゴIMM通貨先物ポジションの推移
(詳しくはこちら → 経済指標/金利:シカゴIMM通貨先物ポジションの推移)
これまではユーロの買い戻しでユーロ/米ドルが上昇してきた面が強かったのですが、そのような動きは期待できなくなっています。
テクニカル指標などを見て、米ドル売りにかなり傾いていたことをこれまでお伝えしてきましたが、それだけ米ドル安気味になり過ぎていたのだと思います。
■ユーロは調整が進み、そろそろ落ち着いてきそう
米ドル/円に関しては、「米ドル安・円高」がかなり進んだので、ここからさらに下げていくのは少し難しそうです。
ただ、そうかと言って、アメリカ経済に不安がある中で米ドル買いを進めることもできず、結局は84~86円程度の米ドル安水準に入り込んでしまうのではないでしょうか?
これまではユーロの買い戻しでユーロ/米ドルが上昇してきた面が強かったのですが、そのような動きは期待できなくなっています。
テクニカル指標などを見て、米ドル売りにかなり傾いていたことをこれまでお伝えしてきましたが、それだけ米ドル安気味になり過ぎていたのだと思います。
■ユーロは調整が進み、そろそろ落ち着いてきそう
米ドル/円に関しては、「米ドル安・円高」がかなり進んだので、ここからさらに下げていくのは少し難しそうです。
ただ、そうかと言って、アメリカ経済に不安がある中で米ドル買いを進めることもできず、結局は84~86円程度の米ドル安水準に入り込んでしまうのではないでしょうか?
米ドル/円 日足
ユーロ/米ドルについては、8月6日(金)高値の1.3334ドルから12日(木)安値の1.2780ドルまで、1週間足らずで500ポイント以上も下落してしまいました。
ユーロ/米ドル 日足
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 日足)
ユーロを取り巻く状況は依然として厳しいため、中長期的にはまだ下落するリスクが残されていると思っています。
ただし、短期的なところでは、調整がだいぶ進んだということで、そろそろ落ち着いてくるかもしれません。
■クロス円はもみ合いながら、少しずつ下方向へ
クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)については、レンジ相場を想定しているとこれまで述べてきました(「市場は米国経済の行方に注目している。より一層重要になった米雇用統計の結果」を参照)。
豪ドル/円は75~80円を想定していたので、予想の範囲内です。
ユーロ/円は少し下ブレてしまいましたが、現在は値を戻しています。もみ合い相場であることに変わりはないでしょう。
ユーロを取り巻く状況は依然として厳しいため、中長期的にはまだ下落するリスクが残されていると思っています。
ただし、短期的なところでは、調整がだいぶ進んだということで、そろそろ落ち着いてくるかもしれません。
■クロス円はもみ合いながら、少しずつ下方向へ
クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)については、レンジ相場を想定しているとこれまで述べてきました(「市場は米国経済の行方に注目している。より一層重要になった米雇用統計の結果」を参照)。
豪ドル/円は75~80円を想定していたので、予想の範囲内です。
ユーロ/円は少し下ブレてしまいましたが、現在は値を戻しています。もみ合い相場であることに変わりはないでしょう。
豪ドル/円&ユーロ/円 日足
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:豪ドル/円 日足)
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/円 日足)
今後も「クロス円は全体的にもみ合いが続く」との見通しを維持しておきたいと思います。
ただ、各国の株価がさえないので、クロス円が上昇していくのは厳しいのではないかとも思っています。大きく崩れることはないでしょうが、もみ合いながらも少しずつ下方向へレンジを切り下げていくような動きをイメージしています。
もし、クロス円を取引するのであれば、押し目を買うよりも、戻りを売るほうが安全ではないかと思っています。
■アメリカの景気減速がヨーロッパにも波及しそう
最近発表となっているアメリカの経済指標が弱く、景気減速がはっきりしてきています。
今後もアメリカ景気の状況に注目が集まるため、発表されるアメリカの経済指標はとても重要となってきます。しっかりと注目しておきましょう。
また、これは少し長めのスパンの話ですが、私は現在のアメリカの景気減速が、次にヨーロッパに波及する可能性があると考えています。
今すぐではないのですが、そのような動きになってくると、ユーロ/米ドルでのユーロ売りの再開が現実のものになってくるでしょう。
アメリカはもちろん、欧州の経済状況にも十分注意を払っておく必要があると思います。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/円 日足)
今後も「クロス円は全体的にもみ合いが続く」との見通しを維持しておきたいと思います。
ただ、各国の株価がさえないので、クロス円が上昇していくのは厳しいのではないかとも思っています。大きく崩れることはないでしょうが、もみ合いながらも少しずつ下方向へレンジを切り下げていくような動きをイメージしています。
もし、クロス円を取引するのであれば、押し目を買うよりも、戻りを売るほうが安全ではないかと思っています。
■アメリカの景気減速がヨーロッパにも波及しそう
最近発表となっているアメリカの経済指標が弱く、景気減速がはっきりしてきています。
今後もアメリカ景気の状況に注目が集まるため、発表されるアメリカの経済指標はとても重要となってきます。しっかりと注目しておきましょう。
また、これは少し長めのスパンの話ですが、私は現在のアメリカの景気減速が、次にヨーロッパに波及する可能性があると考えています。
今すぐではないのですが、そのような動きになってくると、ユーロ/米ドルでのユーロ売りの再開が現実のものになってくるでしょう。
アメリカはもちろん、欧州の経済状況にも十分注意を払っておく必要があると思います。
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