長期のトレンドとは関係なく、4時間足と1時間足だけを見てトレードするような手法を提唱するトレーダーにちょっと長めの相場見通しなど聞くのは愚問ではないのか……こんなふうに思いつつ、記者は今年、2010年・年末までの米ドル/円相場の見通しをおそるおそるロブに聞いてみた。
すると、意外にも快く(?)、ロブは米ドル/円の相場見通しについて語ってくれた。
■米ドル/円は80円まで下落する可能あり!
「ボクはファンダメンタルズに基づいたトレードはしないけれど、そういう質問自体はとても興味深い。
通貨だけでなく、原油相場とか金相場とか、その他何でも自分で勉強するのは大好きだよ。
4月までの短期間ということなら、米国経済がちょっと良くなって、ドルも回復するかもしれないけれど、年末までと考えると、たくさんのリスクがある。
1つは米国の株価、2つ目は米国の雇用統計、3つ目は米国の住宅販売の指標。この3つが良くならないと、米ドル/円は80円まで下落する可能性があると思っている」

「経済が本格的に回復して、いい方向に動くには新しいトレンドが生まれることが必要だ。たとえば、クリーンエネルギーは一応その候補かもしれないけれど、これはまだ確証がないし、他に何が新しく生まれるのかも、現時点ではちょっと想像がつかない。
米国の雇用統計で、非農業部門雇用者数がこれから3ヵ月の間にプラスになり、経済が新しい雇用を作り出している状態にならなければ、今年の米国経済は非常に悪い状態になるかもしれない。
それと今年、2010年の非常に大切なポイントとしては、中国経済がその高い成長率を維持できるかどうかということがある。
今が成長しすぎのバブルということであれば、それがはじけて他の国に大きな影響を与えるリスクには注意した方がいいと思うね」
この取材は1月下旬に行っており、「これから3ヵ月の間」というのは2~4月発表の雇用統計を指すことになる。
ちなみに取材後の2月5日に発表された1月の雇用統計では、プラスに転じることも期待されていた非農業部門雇用者数はマイナス2万人という結果に終わっている(※)。
(※ただ、2009年11月の非農業部門雇用者数は一番最初に発表された速報値ではマイナスだったが、その後、修正値が発表され、プラスの数値(プラス6.4万人)となっている)

いつも注目度が高い米国雇用統計だが、4月発表分までについては、非農業部門雇用者数がプラスになるかどうか、特に注意を払っておきたい。
■トレードでは何が一番大切なのか?
ロブの単行本『超カンタン アメリカ最強のFX理論』ではトレード手法だけでなく、「1トレードの最大損失は資金の1%までに止める」など、資金管理についても詳しく述べられている。
そんなことも含め、トレードでは何が一番大切なのか、ザイFX!の読者にメッセージを……と最後にロブに頼んだところ、次のように呪文のような答えが返ってきた。
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