先週金曜日の雇用統計は素直に悪かったといえる。就業者数は民間部門も含めて予想を下回った。ドルは期待だけで戻しかけていただけに急激に売りこまれることとなった。発表前には86円台まで回復していたドル円も、85円台の前半へと滑り落ちていった。そして今年の最安値近辺でウロウロすることとなった。
ユーロドルやポンドドルも吹っ飛んだ。私も下がりはじめるごとにドル円を売っていったりしたのだが、なかなかストンと落ちていかないものである。15ポイント取れれば恩の字で、また戻ったらそこを売るという繰り返し。
大きなドル下落の波に乗れないのは、肝心の米国株がグローベックスのなかで急落していかなかったからだろう。株価だけをみると押し目はしっかりと拾われており、前日比では下げているものの、どちらかというとしっかり。これを見ていると、もうドル円の85.20レベルは売りこんでいけなくなった。
アメリカの現物株が始まってから流れの変化を見るしかなかったが、ドル円には大きな値動きはなし。ユーロドルがさらに一段高して1.33台まで駆け上がったが、これは短期筋によるロスカットベースの買い戻しが主流だったようだ。雇用統計の後は何のイベントもないので、為替相場もだんだんと静かになっていった。
日付が変わるころには無風状態。私も何もやる気が出てこないので就寝したが、朝みても大きな値動きは確認されなかった。
本日のアジアは小動きで、欧州時間も動意薄。おまけに今夜の注目イベントもない。ドル円がずっとここまで85円台の中盤で固まったような状態になっている。これでは為替相場も火曜日の夜のFOMCまでは動意に欠ける展開が続くことになりそうだ。
声明文の中で国内景気に対して前向きなものが打ち出されるのか。それとも「回復には時間がかかる」といったような後ろ向きな見解が示されるのか。それが8月中旬までの相場の方向性を決定しそうだ。
また米国債のクオーターリーリファンディングも始まる。これは翌週に控えている長期債の大量償還とネットオフされて、為替相場にとってはニュートラルだろう。
それよりも金利リスクでもっと注意しなければいけないのは、異常なまでの利回りの低下である。7月を通してみると指標や発言で良いものも悪いものもあったが、結局のところ、長期金利は低下の一途だった。これがさらなるデフレ懸念を想起させるのであれば、ドルの魅力低下とリスク回避によって、いっそうの円高を覚悟しなければならなくなりそうだ。
日本時間 19時30分
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