■「ドルキャリー・トレード」が大流行へ
ファンダメンタルズの面では、主に次の2点に注目している。
まず、今回決まった米国の量的緩和策の規模が市場予想よりも大きく、実施期間が明確に示されたことから、マーケットに「米ドル売り」の安心感を与えた。
そして、市場関係者は早くも3回目の量的緩和策発動に期待を寄せており、「米ドル売り」のポジションを手仕舞うどころか、「売りポジション」をさらに増やしているもようだ。
今回、FRBはかなりの意気込みで量的緩和に取り組んでおり、インフレを故意に引き起こしてでもデフレを退治しようとしている印象が強い。
古き良き時代の「成長か、衰退か」といった選択が、今日になって「デフレか、バブルか」の選択となった以上、バーナンキ議長の答えは明らかである。
ゆえに、これからの数カ月間、ある「取引」が大流行すると推測することができる。
それは、ほかならぬ「ドルキャリー・トレード」である。
■「ドルキャリー」再開でも円は投資対象にならない
8月6日のコラムは、このような局面を想定して書いたのだが、まさに、そのシナリオどおりになっていくだろう(「量的緩和再開で『ドルキャリー』が起こる!その時、米ドル/円相場はどうなる?」を参照)。
言うまでもなく「ドルキャリー・トレード」が再開すると、「高成長、高金利、資源国の通貨」はもちろん、「緊縮財政を堅持する国や地域の通貨」までもが、資金の向かう先となるはずだ。
前者の代表格はブラジルレアルや豪ドルで、後者はユーロが象徴的な存在となるだろう。
豪ドル/米ドル&豪ドル/円 日足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:豪ドル/米ドル 日足)
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:豪ドル/円 日足)
円に関しては、8月6日のコラムに示した見方のとおりだ。
円は「ドルキャリー・トレード」が再開されても、資金が向かう対象にはなりにくい。
そのため、クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)相場における円安を通じて、結果的に、米ドル/円の下値が限定される可能性に注目したい。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:豪ドル/円 日足)
円に関しては、8月6日のコラムに示した見方のとおりだ。
円は「ドルキャリー・トレード」が再開されても、資金が向かう対象にはなりにくい。
そのため、クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)相場における円安を通じて、結果的に、米ドル/円の下値が限定される可能性に注目したい。
米ドル/円 日足

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