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西原宏一_メルマガ取材記事
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ボリンジャーバンドはじめて物語(2)
~特撮カメラマンだったからこそできたテクニカル指標の開発~

2008年11月21日(金)14:01公開 (2008年11月21日(金)14:01更新)
ザイFX!編集部

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「ボリンジャーバンドはじめて物語(1) ~『セクシーボリンジャー』VS『本家ボリンジャー』!?~」からつづく)

 さて、当日はインタビューに先だって、ボリンジャーさんご自身による講演を聴きました。これは算数嫌いの自分には、かなり専門的で難しかったです。

■本家ボリンジャー氏はあらゆる相場で勝てる可能性を探っていた

 僕は大変ズボラな性格なので「勝てるかどうかわからない時は何もやらなきゃいいや」というイージーな方針でやってるのですが、さすが本家はきちんとしておられます。他の指標を組み合わせたり、パラメーター(期間やバンド幅)を細かく調整して、あらゆる相場で勝てる可能性を探っている感じでした。

 そのあと、別の部屋でインタビューをさせていただきました。ボリンジャーさんは日本語が話せないので(というか、僕が英語を話せない)、あんまり込み入った話はできないかなと思ったのですが、面白い話がいろいろ聞けました。

 特に、ボリンジャーさんが特撮カメラマンをやっていたというくだりでは、周りにいた関係者の人も「えー、そんなの初めて聞きましたよ!」とびっくりしてました。それでは、実際のインタビューをお読みください。
 

——ボリンジャーさんは、どうやって「ボリンジャーバンド」を発明されたんですか?

 私が本格的にトレードを始めた当時は、固定的な値幅バンドを使うのが主流でした。たとえば「ダウ工業30種平均」(ニューヨークダウ)の21日移動平均線に対して、上下に「±4.5%」のバンド線を引くとか。

 でも、これは単に21日移動平均線に対する値幅の目安でしかありません。投資家はそのバンドを眺めながら、相場の強弱や方向性を加味して、最終的には直感や投資意欲のあるなしで売買の判断を下していたわけです。

■ボラティリティ自体が変動するという発想が新鮮だった

——テクニカル指標は、感情を排除して機械的に判断できるところが強みなのに、最後が勘頼りだったというわけですね

 そうなんです。でも、それだと当然のことながら不確実性が高まりますから、私は相場状況に応じて自動的にバンド幅が変わるようなメカニズムが必要だと感じていました。

 その当時、私はオプション取引のトレードをしていたのですが、その分野で成功している投資家の多くは「ボラティリティ(変化率)」を気にしていました。これを素人が計算するのは並大抵じゃないのですが、幸運なことに、私の家には初期のマイクロコンピューターがあったんですよ。

 それは、とんでもなく大きくて、やたら熱を吐き出す、処理速度の遅い代物だったけど、当時としては十分、役に立ちました。そこで、日々変化するボラティリティを計算していくということを始めたわけ。

 その当時はボラティリティというのは固定的に考えられていたので、ボラティリティ自体が変動するという発想を思いついたのが、ひとつの「進歩」だったわけです。

■ボリンジャー氏はフリーの特撮カメラマンだった!!

——どうしてボリンジャーさんの家には、高価なコンピューターがあったんですか? まだ「パソコン」が出る前ですよね。

 なるほど、もっともな疑問ですね。実は私はその当時、フリーの特撮カメラマンをやっていたんですよ。今日の技術と比べると原始的なものだけど、「CG(コンピューター・グラフィックス)」の走りのようなことをやっていました。

 「スターウォーズ」とか「スパイダーマン」を作っていたのかって? いやいや(笑)、依頼に応じてCMやドキュメンタリーや映画の数カットを作るというような仕事でした。まあ、そういう理由で、私は高価なコンピューターを持っていたのです。最初のコンピューターを買ったのは、確か1979年でした。

——ボリンジャーさんが特撮カメラマンだったなんて、誰も知らないと思います。ザイFXのスクープかも!

(謎のトレーダー・ワタナベくん)

「ボリンジャーバンドはじめて物語(3) ~ボリンジャー氏が語った『強烈な陽転のサイン』とは?~」へつづく)

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