金曜日の正午前に菅首相の続投はないことが伝わって、それがマーケットにサプライズを与えた。総裁選に向けて努力しているものと考えられていたところでもあるので、確かにサプライズ感はあった。それで市場は急速にリスクテークとなり、日経先物は700円ほど急騰。
10日前には年初来安値の26845円をやっていたのに、29000円台まで戻してきたのだ。日本株が急騰している横でグローベックスではS&P先物も場中の最高値を更新している。それと和するようにTOPIXも今年の最高値をつけてきた。TOPIX先物は3月につけた2012ポイントが最高だったのに、それを軽々と越えてきたのだ。
この昼間のドタバタだけで、夜に発表となる雇用統計は興ざめの形となった。すでに動くべきものはそれなりに動いてしまっているし、ここから材料が出たところでさらなる大きな動きは期待できないだろうという諦めみたいなもの。リスクオンの方向はやってしまったのだから、それに反する方向の話し、具体的には雇用データがすこぶる悪いとかでないと相場のダイナミックな反応は期待できないのだ。
その雇用統計の結果だが、就業者数が20万人台の増加にとどまった。失業率は5.2%、ほぼ予想通り。ファーストアクションでこそ株安。ドル安サイドを攻めたてたが、5分と続かなかった。すぐに株価は元の水準まで引き戻され、ドルも簡単に買い戻された。
市場の見方が都合のよいもので終始しており、雇用の伸びは鈍いが新種株のための一時的なもの、インフレ更新も一時的、しかるにテイパリングの開始は遅れるのではないかというものだ。最終的にはドルは全面安の形となったが、値幅は極めて小さいものにとどまった。
今週は材料が少ない。もうすでにマーケットは22日のFOMC待ちということになる。タリバン情勢やコロナ感染で大きな動きでもない限り、マーケットも現状維持が続くのだろう。
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