先週に財源確保のための法人税の26.5%までの引き上げと、所得税の上限を39.5%まで引き上げる構想が、民主党メンバーから出てきた。これが先週を通じて米国株が下げ続けた原因とも言える。マーケットはややリスク回避モードに入ろうとしているが、日本株だけは総裁選への過度な期待もあって高値攻めをするという得意な動きを示している。
その両方の動きを見ながらではドル円やユーロ円はリスク的にどちらについて行っていいのか迷うところだ。その結果としてどちらにもダイナミックに動けず、狭いレンジ内に収まっているのが実情だ。
昨日はさらにニューヨーク連銀の調査報告で、期待インフレが過去最高だということであった。これも資本市場にとっては悪材料だったので、米国株は明確に下げに転じた。
またユーロ円などリスクに敏感な通貨ペアは頭の重さを増してきた。これで米国株も6日続落かと思われたが、ラスト1時間で見事に切り返してプラス転。下げていたので値頃感もあったのだろうか。自律反発の域を出ないようである。
今晩はアメリカのCPIが出る。CPIは金融当局が重視しているので市場の関心は高いのだが、いかんせんPPIの後追いでしかない。CPIはPPIよりも3ヶ月ほど送れるとされている。だから投資の観点から言えば、CPIの重要度はそれほども高くないのである。すでにPPIでインフレの傾向は確かめられているのだから。
重要度でいえば木曜日に出る小売売上高のほうが大事かもしれない。小売売上高は金額ベースで数えられるので、インフレ進行では高めに出る可能性もある。その一方で新種株の影響でどこまで伸びが抑えられているのかも見たいところだ。
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