雇用統計は良い結果となった。就業者数は53万人台の増加で、失業率も4.6%となり、いずれも事前の予想よりも良かった。また平均時給が大きく上振れもしていなかったことで、物価高や労賃に対するインフレの芽は見られなかった。これによって市場は安心感を得て、米国株は再上昇。そして史上最高値を更新することとなった。
しかし為替相場のほうはリスクオンのほうには反応仕切れず、ドル金利の動向のほうに反応した。ドル金利は短期も長期も低下下のである。雇用統計の結果では近い将来の金融政策に変更を迫るものではないと認識が拡がったためだ。ドル円は113円台の前半まで押し込まれることとなり、ユーロ円も130円台に突入するほど売り込まれた。
しかし先週はFOMCに続いてBOEの金利会合でも市場の期待に添わない失望が相次いだ。確かにマーケットのほうがちょっと前のめり気味に利上げに関して期待しすぎていたようである。それにしてもBOEがアメリカに追随したのは、まったくの予想外であり、サプライズ感は否めない。
COP会議がグラスゴーで開かれており、それで議長国としてイギリスが石炭火力発電の新規設置を禁止する宣言を主導した。これには日米中ロが反対している。この反対に見合うように、アメリカの金融政策に迎合したのであろうか。
地球温暖化を協議するためにCOP会議がグラスゴーで開かれているのだが、温暖化効果ガスを排除する目的で再生エネルギーの活用がうたわれている。脱炭素だというわけだが、そのなかで炭素の大元である石炭や石油の値上がりが激しいというのはどういうことなのか。脱炭素で将来は使わなくなるのであれば、逆に値下がりしてもよさそうなものだ。
国際会議を開いてみたところで脱炭素というのは容易な事ではなく、しょせんはリベラル派を満足させるためだけのモーションではないかとの見方もできる。サウジアラビアやUAEなどが依然として国際的なプレゼンスが高いのを見ても、とても脱炭素を真剣に考えているようには見えない。
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