(「マネーパートナーズ・奥山社長に聞く(3) 狭いスプレッドはどこかにトリックがある」からつづく)
■「即約定」の秘密はシステムではなくポリシーにあった
となると、「即約定」の秘密はどこにあるのか?
「それは、結局、お客さまに対するポリシーだと思うんですね。
『バレないんだったらすべっても、まあいいか』とか、『受けられないほどの注文が来たら約定拒否しておけば、まあいいか』といったスタンスがある会社なのか、ない会社なのかということです。
すべらせていいんだったら、当社はもっと儲かっていますよ。でも、お客さまに見えにくいからといってそんなことをするのは、お客さまに対する背信行為だと思うんですね。ボクがユーザーだったら、そういう会社はイヤです。
だから、マネーパートナーズは出したレートは必ず受ける(約定させる)形でやっているんです」
「即約定」の秘密は「ポリシー」にあったのだ。
そしてこのポリシーを元に、顧客からの注文が来ると、まずはクリック時のレートで「即約定」させてから、その後にカバーを取りに行くシステムを採用しているとのこと。だから、約定拒否も基本的には起こらない。これは、専業個人トレーダー出身の奥山社長ならではのしくみ、と言えることかもしれない。
■PCとモバイルではなぜ約定のしくみが違うのか?
マネーパートナーズがなぜ「即約定」できるかといえば、それが「ポリシー」だから、ということまではわかった。
では次に、「即約定」ということに対してマネーパートナーズがつけている「PCからのストリーミング注文に限る」という注釈の前半、「PCからの」という部分についてもう少し突っ込んでみよう。
→マネーパートナーズのウェブサイトもチェック!
「PCからの」でないもの……それは「モバイルからの」である。
「モバイルの場合は、たとえば、地下鉄に乗っていたりして電波が届きにくいところにいた場合、レートを取得してご注文いただいたあと、当社に届くまで10秒、20秒とかかってしまうということがあり得ます。
さすがにそれは受けきれないので、モバイルの場合は「即約定」をうたっておりません」
つまり、「即約定」は「PCからの」注文に限定されており、「モバイルからの」注文の場合はそうではないということだ(※)。しかし、理由を聞けば、それも仕方のないことと思える。
(※さらに詳しく述べると、モバイルの場合は、アプリツール「HYPER SPEEDモバイルNEXT」を使用した場合と、モバイルWEB取引画面を使用した場合で動作が異なる。
アプリツール「HYPER SPEEDモバイルNEXT」でストリーミング注文をした場合は、遅れて届いた注文がすべて約定拒否になってしまわないよう、スリッページ許容の機能を設けているとのことだ。
また、モバイルWEB取引画面で注文した場合は、ストリーミング注文ではなく「成行注文」となり、これは注文が届いた時点のレートで約定することになる)
■為替のマーケットは「線」ではなく、「点」の連続
では、「PCからのストリーミング注文に限る」という注釈の後半、「ストリーミング注文に限る」のところをさらに追求してみよう。
これはPCからの注文であっても、ストリーミング注文以外の場合は、すべらないで即約定するとは限らない、ということを意味している。具体的には指値注文、逆指値注文では、注文レートとは異なるレートで約定することもあるのだが、実はこちらも「提示レート(正確にはTick)に忠実に約定させる」しくみとなっているのだ。
では、そのしくみはどうなっているのか?
「PCからの」でないもの……それは「モバイルからの」である。
「モバイルの場合は、たとえば、地下鉄に乗っていたりして電波が届きにくいところにいた場合、レートを取得してご注文いただいたあと、当社に届くまで10秒、20秒とかかってしまうということがあり得ます。
さすがにそれは受けきれないので、モバイルの場合は「即約定」をうたっておりません」
つまり、「即約定」は「PCからの」注文に限定されており、「モバイルからの」注文の場合はそうではないということだ(※)。しかし、理由を聞けば、それも仕方のないことと思える。
(※さらに詳しく述べると、モバイルの場合は、アプリツール「HYPER SPEEDモバイルNEXT」を使用した場合と、モバイルWEB取引画面を使用した場合で動作が異なる。
アプリツール「HYPER SPEEDモバイルNEXT」でストリーミング注文をした場合は、遅れて届いた注文がすべて約定拒否になってしまわないよう、スリッページ許容の機能を設けているとのことだ。
また、モバイルWEB取引画面で注文した場合は、ストリーミング注文ではなく「成行注文」となり、これは注文が届いた時点のレートで約定することになる)
■為替のマーケットは「線」ではなく、「点」の連続
では、「PCからのストリーミング注文に限る」という注釈の後半、「ストリーミング注文に限る」のところをさらに追求してみよう。
これはPCからの注文であっても、ストリーミング注文以外の場合は、すべらないで即約定するとは限らない、ということを意味している。具体的には指値注文、逆指値注文では、注文レートとは異なるレートで約定することもあるのだが、実はこちらも「提示レート(正確にはTick)に忠実に約定させる」しくみとなっているのだ。
では、そのしくみはどうなっているのか?
「為替のマーケットは実は連続性がないんです。チャートで表すと折れ線に見えても、実はそれは点、点、点と点(Tick)を結んだものなんですね。
折れ線だと一見、点と点の間があるように見えますが、実際には中間地点はなく、一瞬のうちに1つの点から、もう1つの大きく離れた点へジャンプしてしまうことがあります。
重要な経済指標の発表時などではよくそういうことが起こりますね」
折れ線だと一見、点と点の間があるように見えますが、実際には中間地点はなく、一瞬のうちに1つの点から、もう1つの大きく離れた点へジャンプしてしまうことがあります。
重要な経済指標の発表時などではよくそういうことが起こりますね」
ユーロ/円 Tickチャート
■マネパでは指値と逆指値はどのように約定するのか?
「そのようにして、米ドル/円がたとえば、90円から91円まで一瞬にして跳ねたとしましょう。90円で買って持っていたお客さまが事前に90.5円に売り指値を入れていたとします。
でも、この例では90円だった次の瞬間いきなり、91円になったわけで、その中間の90.5円というレートをつけた瞬間はありません。この時、当社ではお客さまが90.5円に売り指値を入れていても、約定するのは91円ということになるんです。
これと同じマーケットの動きでも、FX会社さんによっては、これが90.5円で約定するしくみのところもあります。
そして、当社・マネーパートナーズの場合はこの例だと、90.5円に売り指値を入れていたのに、さらに上の91円で約定したわけですから、お客さまはトクをすることになるわけですね。
ただ、逆指値の場合は逆にお客さまが損することになります。
90円で買って持っていたとして、これに89.5円になったら売る逆指値を入れていたとしましょう。
この時、90円の次は一瞬で89円ということになったら、売りの逆指値は89.5円では約定せず、89円で約定することになるんです」
つまり、指値、逆指値の場合は注文レートとは異なるレートで約定することもあるものの、提示レート(正確にはTick)に対しては注文を誠実に約定させるしくみになっていることがわかるだろう。
そして、そのしくみには個人投資家の目線を今も持っている奥山社長のポリシーがシッカリと反映されている。
■時が来たら個人投資家に戻りたいぐらい
「ボクは今でも、時が来たら個人投資家に戻りたいと思っているぐらいなんです。でも、もちろん今は社長業に専念しますよ。これからもお客さまを欺いたりせず、個人投資家さんの立場に立ってやっていきたいと思っています」
「お客さまから『マネパはいい会社だよね~』と言っていただくと社長冥利につきますね。目の前に投資家さんがいたら、『この機能いいでしょ、あの機能いいでしょ』と手取り足取り教えてあげたいぐらいなんですよ」
(取材・文/ザイFX!編集部・井口稔 撮影/和田佳久)
→マネーパートナーズ[パートナーズFX]のスペックはザイFX!のこちらのページでチェック!
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)