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西原宏一_メルマガ取材記事
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ドル・円・ユーロの明日はどっちだ!?

吉田恒さんに聞く(3)
~円高第2幕は大統領選前後に起こる~

2008年07月31日(木)14:31公開 (2008年07月31日(木)14:31更新)
ザイFX!編集部

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「吉田恒さんに聞く(2) ~今は円高局面の中休み~」からつづく)

前回はチャートを使って過去の円高局面と今回の円高局面を比較したが、今回は吉田さんが提供してくれた以下の資料で、もう少し細かく数字を比較してみよう。

■6月につけた108.59円でドルの反発は終了か

 まず、円高が始まってから、円高第1幕が終了するまで。これは過去3回平均で119.6営業日かかっており、20.5%、ドルは下落している。

 今回は昨年6月から今年3月までがこの円高第1幕にあたり、191営業日で21.4%のドル下落となっている。下落率は平均的で、営業日数は吉田さんが前回話していたとおり、平均よりも多い。

 次に円高第1幕が終わってから、ドル反発がピークを迎えるまでだが、これは過去3回の平均が円高開始日から229営業日。ドルの下落率が平均11.1%まで戻ったところでピークを迎えている。

 ざっと言えば、円高第1幕で20%下落したドルが半値までは戻してくるということだ。

 また、円高第1幕の終了時点から数えれば、ドル反発のピークは平均109.4営業日後となる。

 「1ヵ月はだいたい22営業日ですから、109営業日というと約5ヵ月。ただ、これは過去3回の平均で、早いときは3ヵ月でピークに達しています。つまり、円高第1幕で底を打ってから、3~5ヵ月程度でドルは反発局面のピークを迎えるというわけです。

 今回は3月の95円台が円高第1幕の底。そこから3~5ヵ月ならば、今年の6~8月になりますね。

 また、今回の円高は124円から始まって、第1幕は95円まで行きましたから、これの値幅がざっと30円。その半分は15円です。95円から半値戻すなら、95円に15円を足した110円ということになります。つまり、ドルの反発(=円高局面の中休み)は今年の6~8月に110円前後でピークを打つと予想されたわけです。

今回は6月につけた108.59円が直近高値となっています。ここですでにピークをつけたのか、もしくは7~8月に延長戦が残っているのかということになりますが…。僕は一応、もうピークを打ったと考えています

 3月にどこまで下がるんだ~~!? と思わせたドル/円はこれまでスルスルと108円付近まで値を戻してきたが、吉田さんの見解はここから再び、円高方向へ行くということだ。

■年内にドル/円は95円を割れる!

 「ただ、円高方向へ行くといっても、すぐにドンドン下がるわけでもなさそうです。これも当然、過去のデータに基づいた予想です。

 上の図に戻りましょう。過去3回の円高局面を調べると、ドルの反発がピークを迎えたのち、5%下がるまで、平均54.7営業日かかっています。約2ヵ月ということです。

 今回は6月16日の高値が108.59円ですから、そこから5%下がると103円割れという計算になります。つまり、103円を割れるのが8月末以降になるだろうということです」

 どうしても、円高というと急速に進む印象が強いが、過去のデータからいくと、今の局面の円高はジリジリ進みそうだということである。

 そして、問題は円高第2幕だ。これを吉田さんは円高第1幕でつけたドルの安値を更新した時と定義している。今回で言えば、3月につけた95円を割れるのはいつか? ということだ。
米ドル/円 週足
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 週足
 「下の図(再掲)を再度見てください。円高局面が始まってから、円高第2幕が始まるまで、過去3回の平均で384営業日かかっています。円高第1幕が終わってから数えれば、平均264.4営業日後です。これは営業日数ですから、約1年になります。早いケースなら7ヵ月ですね」

 「何回も出てきますが、今回の円高第1幕は3月の95円台。そこから7ヵ月~1年というと、早くて今年の10月、平均的なら来年3月となりますが…。

 僕は早い方だと思っています。つまり、年内にドル/円は95円を割れていくと思います。理由はアメリカ大統領選挙の年だから…

 う~む、また、出てきた。大統領選挙である。前々回は大統領選挙の年は1年を通じて、ドル/円は小動き、特に夏は小動きという話だったが、今回はどういう話なんだろうか?

■為替が動かない米大統領選の年だが選挙が近づくと…

 「大統領選挙の年は基本、動かないんですよ。特に夏はね。だけど、11月の選挙が近づくと途端に動き出す

 さっきは動かなかったものが、今度は動き出すと話が一変! ホントに忙しい。ただ、先ほどは大統領選挙の年は政策の転換がしにくい、だから為替も動きにくいのではないかという話だった。

 すると、選挙が近づいてくれば、選挙結果が見えてきて、次期大統領の政策も見えてくる、だから為替も動きだすという話なのだろうか。

 チャートについて言えば、相場はあまり動かない間に次に大きく動くエネルギーをためているといった言われ方をする。そして、ある時から途端に大きく動き出す。いわゆる”保ち合い放たれ”というやつである。そんなことが大統領選挙の前後で起こるということなんだろうか。

 「下の表を見てください。これは過去5回の大統領選挙の年のドル/円について、年間のドルの高値、安値がいつつけられたかを調べたものです」
 「黄色いところが、大統領選挙前後の9~12月に高値、安値をつけた時。白い方は5月までの年前半に高値、安値をつけた時です。

 そうすると、過去5回とも、大統領選挙の前後にドルの高値または安値がつけられていることがわかりますね。88年なんかは高値も安値も大統領選挙の前後につけています。

 今年のドル/円の安値は95円、高値は112円です。この法則に従えば、高値か安値かどちらかを選挙前後で抜けるという話になります。

 じゃあ、どちらかといえば、もちろん、先ほど円高第2幕の話をしたとおりで、抜けるとすれば下。つまり、95円割れという円高第2幕は大統領選挙前後に起こるだろうと僕は考えています」

「吉田恒さんに聞く(4) ~00年のユーロと08年のドルはソックリだ!~」へつづく)

(ザイFX!編集部・井口稔)
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