「下の図(再掲)を再度見てください。円高局面が始まってから、円高第2幕が始まるまで、過去3回の平均で384営業日かかっています。円高第1幕が終わってから数えれば、平均264.4営業日後です。これは営業日数ですから、約1年になります。早いケースなら7ヵ月ですね」

「何回も出てきますが、今回の円高第1幕は3月の95円台。そこから7ヵ月~1年というと、早くて今年の10月、平均的なら来年3月となりますが…。
僕は早い方だと思っています。つまり、年内にドル/円は95円を割れていくと思います。理由はアメリカ大統領選挙の年だから…」
う~む、また、出てきた。大統領選挙である。前々回は大統領選挙の年は1年を通じて、ドル/円は小動き、特に夏は小動きという話だったが、今回はどういう話なんだろうか?
■為替が動かない米大統領選の年だが選挙が近づくと…
「大統領選挙の年は基本、動かないんですよ。特に夏はね。だけど、11月の選挙が近づくと途端に動き出す」
さっきは動かなかったものが、今度は動き出すと話が一変! ホントに忙しい。ただ、先ほどは大統領選挙の年は政策の転換がしにくい、だから為替も動きにくいのではないかという話だった。
すると、選挙が近づいてくれば、選挙結果が見えてきて、次期大統領の政策も見えてくる、だから為替も動きだすという話なのだろうか。
チャートについて言えば、相場はあまり動かない間に次に大きく動くエネルギーをためているといった言われ方をする。そして、ある時から途端に大きく動き出す。いわゆる”保ち合い放たれ”というやつである。そんなことが大統領選挙の前後で起こるということなんだろうか。
「下の表を見てください。これは過去5回の大統領選挙の年のドル/円について、年間のドルの高値、安値がいつつけられたかを調べたものです」

「黄色いところが、大統領選挙前後の9~12月に高値、安値をつけた時。白い方は5月までの年前半に高値、安値をつけた時です。
そうすると、過去5回とも、大統領選挙の前後にドルの高値または安値がつけられていることがわかりますね。88年なんかは高値も安値も大統領選挙の前後につけています。
今年のドル/円の安値は95円、高値は112円です。この法則に従えば、高値か安値かどちらかを選挙前後で抜けるという話になります。
じゃあ、どちらかといえば、もちろん、先ほど円高第2幕の話をしたとおりで、抜けるとすれば下。つまり、95円割れという円高第2幕は大統領選挙前後に起こるだろうと僕は考えています」
(「吉田恒さんに聞く(4) ~00年のユーロと08年のドルはソックリだ!~」へつづく)
(ザイFX!編集部・井口稔)
そうすると、過去5回とも、大統領選挙の前後にドルの高値または安値がつけられていることがわかりますね。88年なんかは高値も安値も大統領選挙の前後につけています。
今年のドル/円の安値は95円、高値は112円です。この法則に従えば、高値か安値かどちらかを選挙前後で抜けるという話になります。
じゃあ、どちらかといえば、もちろん、先ほど円高第2幕の話をしたとおりで、抜けるとすれば下。つまり、95円割れという円高第2幕は大統領選挙前後に起こるだろうと僕は考えています」
(「吉田恒さんに聞く(4) ~00年のユーロと08年のドルはソックリだ!~」へつづく)
(ザイFX!編集部・井口稔)
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