ドイツのカラ売り規制によってリスク回避が進んだ米国市場の後に迎えた昨日のアジア市場。ドル円もクロス円も売り一色で始まった。ユーロ円は前日のニューヨークでの安値である112.09をあっさりと下回って、111円台に突入してきた。基本的には当の欧州での反応を待ちたいところなのだが、ユーロ円は今月の1週目に米国株が暴落を演じた日につけた安値110.50も意識されてくる。
ユーロ円はその後112円ちょうどをはさんでウロウロしていた。しかしもしもこの110.50を割れてくれば、下値のメドもなくなり、しばらくはユーロ円において買いで手は出せなくなると思われた。まあロスカットをこの付近において111円台前半で拾えば、ロスもたいしたことはない。
欧州タイムの序盤ではさらにユーロ売りが進み、ユーロ円は111円台前半までダイブしてきた。それでもユーロドルはまだ朝方につけた安値1.2143を割れなかったし、ずっとそのうえ30ポイント付近に留まっている。もうえいやぁーという気持ちで、111.40でユーロ円を買ってみた。
下がってくるところの買い向かうのはかなり恐ろしかったし、流れにまったく逆のことするわけで、かなりクレージーな気もする。しかしその分の利幅も狙えるかもしれないし、ロスカットもおきやすい。まあ最悪はこの間の安値に外側に置いた110.40のストップ注文で終了するのだからと、後は放っておくことにして外出した。
ニューヨーク株が始まる少し前に戻って見てみると、ユーロ円は113円台前半まで戻して112円台後半にいた。見ると安値は110.85なので、かなり危うい状態だったようだ。マーケットではスイス中銀の介入が話題になっていた。
確かに5月初旬にユーロスイスの介入ラインを引き下げたと見られて以来、鳴りを潜めていたので十分にありうる話しだ。他にもG7でユーロ買い介入に動くというウワサまであったようだ。だとしたら、G7で介入する前にECBは何もできないのかと、ユーロ圏のまとまりのなさだけを感じてしまう。
ユーロの反発を受けても、米国株の戻りは勢いが鈍かった。ユーロ円もまたいつ反落となるかわからないし、邪道で150ポイント近くもゲットできたのだからと執着なくポジションをクローズできた。
朝方に見るとユーロ円は114円前半まで戻していた。しかしユーロ円の1時間足のチャートを見ると、きれいな下降トレンドを描くことができる。FRBは昨日、今年のアメリカの成長率の上方修正をおこなったが、いっぽうで住宅ローンの延滞率が再び増加しているなど懸念材料もいっぱいだ。状況の好転はなかなか見えないし、リスク回避局面では売られやすいクロス円がいつまた下落に転じてくるかわからない。
ちょうどユーロ円トレンドラインのレジスタンスは113.85と近くにあるし、節操がないようだが今度はこれをバックにユーロ円を113.50で売ってみた。欧州市場がはじまると下がって来ているレジスタンスライン付近である113.75近くまで上昇してきたりもしたが、一応そこで止まった。まだなんとかレジスタンスラインはキープされている。
昨日は銀行規制が少しトーンダウンするということでリスク回避が和らいだ米国市場だったが、今晩はアメリカの失業保険、フィリー指数や景気先行指数がさらに下支えするにはよほど良い結果でないとならない感じがする。アメリカでは政府の規制に対する嫌悪も高まる一方で、米国内でも分断していく火種が消えない。なんだかやっぱり、リスク回避の方向でのポジションのほうが安心して持っていられる気がしてしまう。
日本時間 19時00分
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