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西原宏一・叶内文子の「FX&株 今週の作戦会議」

ユーロ/米ドルの売り継続! トランプノミクス2.0という大
きな流れは始まったばかりで、メインはユーロ売り。米ド
ル/円は157円に近づき、介入警戒感と株の失速で急落した

2024年11月18日(月)14:24公開 (2024年11月18日(月)14:24更新)
西原宏一&叶内文子

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日経平均や米国株は失速。トランプラリーが一服

西原宏一(以下、トレーダー西原) みなさん、こんにちは。

 米大統領選後は総じてトランプトレードが継続し、株高、テスラ株高、ビットコイン高、ゴールド安、米ドル高、ユーロ安といった流れだったと思います。

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ユーロ/米ドルはパリティ(1.00ドル)が目標値か! トリプルレッドでより強固になった「トランプ2.0」は、ドイツの政治的混乱もあり、為替ではユーロ/米ドルの戻り売り(11月14日、西原宏一)

 ただ先週(11月11日~)株がちょっと失速していますね。

 そのあたりから振り返ってみましょうか?

 では叶内さん、今週もよろしくお願いします。

叶内文子(以下、MC叶内) はい、西原さん。今週もよろしくお願いします。

 先週末の日経平均は前週末比857.46円安(-2.17%)の3万8642.91円で終えました。週初、トランプ次期政権に対する期待を背景に、一時4万円に迫る動きも見られましたが、閣僚人事が伝わってくると、次第に売りが優勢に。

 米国防長官として、中国やイランに対する強硬派として知られるマルコ・ルビオ氏が指名される見通しと伝わると、米中貿易摩擦への警戒感のほうが強くなりました。

日経平均は4日連続陰線ですが、4日間すべて、午後に入ってからの売りは欧州勢との見立てもあります。

日経平均 日足
日経平均 日足チャート

(出所:TradingView

米国株も「トランプラリー」一服となっています。半導体対中輸出規制への警戒感が半導体関連株の売りにつながったほか、パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長が利下げを急ぐ必要がないと発言したことが重しになったようです。

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米ドル/円が157円に近づき、介入警戒感が極めて高まる中、日経平均や米国株の失速とともに154円台まで大きく下げた

トレーダー西原 月初来の主要通貨の対米ドル騰落率を見てみると、主要通貨に対して米ドル高が続いていることがわかります。

主要通貨の対米ドル騰落率(月初来)

 ただ、先週金曜(11月15日)に米ドル/円がいきなり失速していますね。

MC叶内 そうなんですよね。

 他のドルストレート(米ドルが絡んだ通貨ペア)と同様に、米ドル/円も152円台から156円台まで米ドル高が加速しました。ただ、金曜日に2円急落しています。

 当局の介入も噂されていましたが、なにがあったんでしょう?

米ドル/円 4時間足
米ドル/円 4時間足チャート

(出所:TradingView

トレーダー西原 介入ではないと想定していますが、米ドル/円が157円に近づき、マーケットの警戒感が極めて高まっていたレベルと言えます。

 というのも、7月に政府・日銀がいきなり米ドル売り介入をしていたレベルが157円台だったからです。

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足チャート

(出所:TradingView

 4月末に米ドル/円が160円台に乗せてからの介入は、マーケットは相当警戒していましたので、介入の効果は別として、サプライズではありませんでした。

 ただ、7月の157円台からの当局の米ドル売り介入は、極めてサプライズだったため、あっという間に141円台まで急落しています。

 よって、マーケットは157円台に接近すると介入警戒感がかなり高まっていました。

 そのタイミングで米国株、日経平均が崩れたので、ユーロ/円を筆頭にクロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)が反落。

 その影響で、米ドル/円が154円台まで大きく崩れたのだと考えています。

世界の通貨VS円 4時間足
世界の通貨VS円 4時間足チャート

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨VS円 4時間足

ユーロ/米ドルの売り継続。トランプノミクス2.0という大きな流れは始まったばかりで、メインはユーロ売り

MC叶内 トランプノミクス2.0はいったん調整になるのでしょうか?

トレーダー西原 いえ、それは変わらないと考えています。

 2016年のトランプノミクス1.0の時も、2017年1月の米大統領就任式まではなんとかもったイメージ。

少なくとも年末までは流れは変わらないと考えています。

 ただ、今年(2024年)のトランプさんの勝利は、2016年と比較するとサプライズに欠けているため、上昇が際立っていた米国株と米ドル/円はいったん調整が入ったということなのでしょう。

 この調整の流れの中、トレンドが変わらないのがユーロ

 米ドル/円が大きく値を下げる中(米ドル安)、ユーロ/米ドルは1.0530ドルとほぼ安値圏(米ドル/高)で引けています。

 つまり、ユーロ/円が値を下げただけという展開です。

 ここで、今週(11月18日~)のイベントもチェックしておきましょうか?

MC叶内 来週は欧米各国のPMIが発表されます。

 国内では、11月18日(月)に9月機械受注、11月20日(水)に10月通関統計、11月22日(金)に10月CPI(消費者物価指数)などが発表予定です。

 CPIの予想は、総合指数の前年同月比が+2.3%で前月+2.5%から低下、除く生鮮食品は+2.2%で前月+2.4%から低下見込み。

 一方、コア指数は+2.2%で+2.1%から上昇すると見られています。

日銀の物価目標である2%を超えての推移が続き、追加利上げ思惑も日本株の頭を抑えているなか、注目です。

 また、11月18日(月)に10月の日銀金融政策決定月会合の主な意見が公表されます。

 この会合の声明で、利上げの判断に「時間的余裕がある」との文言が削除されたことが話題になりました。実際の議論はどうだったか、12月会合を占う意味で注目されています。

 また、11月20日(日本時間21日早朝)にエヌビディア(NVDA)が決算を発表します。半導体関連、AI関連の動きを左右する重要イベントになります。

トレーダー西原 この中では、エヌビディアの決算が気になりますね。

 ただ、トランプノミクス2.0という大きな流れは始まったばかりなので、調整はあれど、その流れを大きく変えるようなものにはならないと考えています。

MC叶内 では、今週もメインはユーロ売りということになるのでしょうか?

トレーダー西原 そう考えています。

 ユーロ/米ドルは昨年(2023年)安値である1.04ドル半ばを目前に下げ渋っていますが、戻りは極めて限定的でショートは継続

ユーロ/米ドル 週足
ユーロ/米ドル 週足チャート

(出所:TradingView

 ただ、株の調整が深いようなら、一部ユーロ/円、ユーロ/スイスフランも加えていこうと考えています。

 基本は引き続き、トランプトレードだと考えています。

トレーダー西原MC叶内 ではみなさん、今週も楽しくトレードしていきましょう!


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