先週はコロナの新種株が見つかって、それがどのくらいの破壊力を持つのかが懸念された。正体がよくわかっていない分だけ、その対策もわからない。したがってどう対処してよいのかわからず、アジア時間ではとりあえずリスク回避しておこうという意欲が強まった。ドル円は115円台の中盤からほぼ1円ほどの値下げを呈し、日経先物も1000円近い下げを演じた。
しかしこの段階ではまだ様子見である。欧米からどのような反応が出てくるのか見てみたいと言うことだ。たいしたことがないと言うことになれば、これまでのリスク回避分はすべて巻き返しになるだろうし、もっと深刻だと言うことになれば相場はもっと深押しする。
欧州時間では欧州株は下げて始まった。元からドイツやオーストリア、ベルギー、オランダ、チェコでも感染拡大でロックダウンしなければとさわいでいたところでもある。リスク回避の動きは一層強まって、ドル円も113円台にまで押し込まれてきた。
ニューヨーク序盤に至るまでには市場のリスク許容度の回復も見られたりしたが、ニュー欲は感謝祭のため半日営業ということもあり、やはり逃げが先行したようだ。米国株は一段安して、ドル相場の全面安のままニューヨーククローズを迎えた。
ニューヨークの午後にはエチオピア情勢の悪化も伝えられたが、リスク動向を測る手段は日経先物くらいしかない。日経先物は何とか28000円割れの手前で踏ん張っていたのだが、それもこらえきれず、27500円まで突っ込んだ。この一段安の分だけ米国株には織り込まれていないので、週明けのマーケットの動きに注意が必要である。
今週は雇用統計が控えているが、マーケットはそれどころではなくなってきたようだ。欧米が新種株に対してどのような態度で打って出るか。慎重になるべきなのか、それとも軽視してよいものなのか。フレッシュな材料が出てきて、市場の変動性は確実に上がってきている。
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