(「緊張下にある世界経済。大揺れの為替相場を乗り切るための3か条とは?(1)」からつづく)
次に「2.為替は当面テクニカルシグナルに基づいた短期売買に徹すること」について、EURO SELLERさんに聞いてみよう。
■難しい相場では短期で決済してリスクを低減すること
「このよう不確実な相場の場合は『リスクを低減する』ことが絶対必要です。一番のリスク低減はポジションを取らないことですが、それでは市場に参加する意味がありませんので、なるべくポジションを取る期間を短くすることによって、それを実現します。
この意味で、池辺雪子さんが言っておられるような『売買を行う根拠の8~9割はテクニカル分析による。1~2円幅抜けたら、すぐ利食いを入れる』方針とも相通ずるものがあります」
ここで出てきた池辺雪子さんとは、当コーナーについ先日登場してもらったFXで8億円以上もの利益を上げた主婦トレーダーのことだ(「FXで8億円稼いだ主婦…池辺雪子さんのトレード手法(1) ~合計利益は4億円ではなく、8億円!!~」などを参照)。
「特に短期売買の場合はポジションを取る最適ポイントは非常に限られますので、自分が得意なテクニカル指標の組み合わせを使ってポジションを取り、逃げ足速く手仕舞う方針が大切。いくつかのテクニカル指標を自ら学習して、自分が得意なものを作っておくといいでしょう」
では、最後に「3.ユーロとポンドは短期には絶対買わないこと」へ話を移そう。
■行政と金融が分離したユーロ・システムには重大な欠陥がある
まず、ここで出てきたユーロとポンドとは、通貨ペアでいうと、ユーロ/ドル、ポンド/ドルとのことだった。
「ユーロもポンドも対円に限らず、対ドルでも底値が見えなかったことから、フラフラとポジションを取らないように…と自分を戒めるつもりで書きました。
そして、これには米国は一国で金融危機対策が取れますが、欧州や英国ではそれがまだ不確実だという長期に渡った見通しも関係しています。
欧州にはECB(欧州中央銀行)がありますが、もちろん、ドイツ、フランス、スペインなど、それぞれの国にはそれぞれの政府があります。米国と違って、行政と金融が分離しているのがユーロ・システムであり、これは重大な欠陥だと思えるのです。
たとえば、米国でつい先日あったAIGの救済のようなことは、欧州の場合、どの機関が判断し、どの機関が融資することになるのか……かなり難しい問題になるのではないでしょうか。
また、(欧州の中でユーロ圏ではない)英国については、米国と同じように住宅バブルがはじけたというのに、現政権が今のところまったく動いておらず、対応が不十分だと考えています」
■ユーロ/ドルもポンド/ドルも基本は戻り売りの方針
ユーロ/ドルもポンド/ドルもここ数日は反発してきているが、EURO SELLERさんは「レンジ相場の上限を再び超えるまでは戻り売りしたいぐらいの気持ち」とのこと。ちなみに現在、ユーロ/ドルは1.46~1.47ドル近辺、ポンド/ドルは1.84~1.85ドル近辺にある。
「ユーロ/ドルは1.50ドルを明確に越えるまでは戻り売りで、それを越えたら買いを考えます。ユーロ/ドルは今年の7月上旬まで一直線に上がってきましたから、下はどこまで落ちていくか、わかりません。底から折り返してくるまで、すべて売りと思っています。
また、ポンド/ドルは1.90ドルを明確に越えるまでは戻り売りで、それを越えたら買いを考えます。下は1.70ドルぐらいまでは普通に下がりそうに思えますが、どこで止まるか予断は持たず、底から折り返すまではすべて売りでしょう」
ユーロ/米ドル 日足
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 日足)
ユーロ/ドルもポンド/ドルも戻り売り……これがEURO SELLERさんの基本方針だが、これには条件がある。それは、戻り売り限界(ユーロ/ドルなら1.50ドル、ポンド/ドルなら1.90ドル)を今週中に越えてしまわないこと、とのことだ。
(ザイFX!編集部・井口稔)
ユーロ/ドルもポンド/ドルも戻り売り……これがEURO SELLERさんの基本方針だが、これには条件がある。それは、戻り売り限界(ユーロ/ドルなら1.50ドル、ポンド/ドルなら1.90ドル)を今週中に越えてしまわないこと、とのことだ。
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