雇用統計の結果を受けて、昨日のマーケットでも材料が少ないなか、ドル金利の上昇が目立った。短期金利は一段高し、ついに今年いっぱいの利上げは4回分の1.0%分を完全に織り込んでしまった。1週間前までは2年ものの利回りは0.688%だったが、これは短期金利の2年後の予想利率が1.75%だったのと比べると逆イールドになっていた。
それが2年ものの利回りも0.9%台まで上昇してきて、ますます足下の利上げの加速が現実味を増してきた。10年ものの利回りは依然として上昇は緩慢で、やっと1.80%台に乗せてきたという感じ。
そうした金融環境に応じて、米国株は再びの下落を強いられた。下げ幅は欧州株のほうでも激しい。日経先物もシカゴ市場では27000円台に突入したりしている。リスクオフとなったのは金利上昇だけが要因ではない。
米ロの高官協議でウクライナ問題について妥結を見られなかったことも一因であろう。そのため欧州時間からはドル円もユーロ円も下落。ドル円はネックラインとみられていた115円台のミドルも下抜けしてきて、115円台の前半まで押し込まれた。
ドル相場は押し込まれているが、やはりドルは押し目介す箪笥をキープすべきだろう。1回目の114円台突入は拾ってみてもいいのかもしれない。今晩もマーケットの材料はとても少ない。そうなると言うまでもなくドル金利の行方に注目が集まる。
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