昨日はウクライナ情勢の悪化がマーケットの足を引っ張った。NATOとロシアの間の緊張感が強まって、米軍も追加で派遣されることに決まった。妥協が図られそうもなさそうだということで、市場は大きくリスク回避の方向に傾いた。欧州時間でリスクオフに弾みが付いて、ニューヨーク序盤では米国株も大幅安となった。
ドル円の下げは欧州時間までで、それもかなり限定的なものだった。東京時間に114円台をトライした後のコレクションの動きもあって、113円台のミドルまで押し込まれたが、リスクオフやドル金利の低下には素直に反応していなかった。
ドルを売るにしても2日後に控えているFOMCを考慮すると、安易にはドルを手放したり、ショートに構えるわけには行かないといったところだろうか。しかしニューヨーク終盤にかけてショートカバーが激しく起こり、ちょっとやり過ぎた感も手伝って米国株はプラス転。
かなり大きな道のりを描いて、米国株は元のレベルにおさまった感じだ。株価が戻したおかげで市場に安心感も出てきて、ドル円も再び114円ちょうどに向かう動きとなった。ドル円もユーロドルも落ち着くべきところに落ち着いたというべきか。
これだけ株価が大きく上下してしまうと、個々の経済指標や企業決算の意味合いは相対的に薄くなる。今晩にもいろいろとマクロ指標やミクロ指標が出てくるのだが、もはやそれどころではないだろう。FOMCの結果が出るまでは米国株の動向やドル金利の行方に一喜一憂するだけになるだろう。
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