昨日はアジア時間の早朝にドル円の上昇に弾みが付いた。クロス円の買いも巻き込んで、ドル円は121.40まで押し目もなく上がった。ユーロ円も同時期に133円台の後半まで戻し高値を更新してきている。ドル円はすぐに利食い売り態勢に入ったが、押し目は浅かった。
ドル円は120円台の中盤くらいまでは押し込まれるかと思って見ていたが、120.80あたりまで。それだけ押し目買いをしたい人びとが多かったのだろう。ここまで上がってくると、自然にそうなることは仕方がないのだが。
東京市場で株価は大幅高となった。夕方からウクライナの大統領が日本の国会で演説するというので、舞い上がっていたのかもしれない。ご祝儀の意味合いもあって高値引け。引けた後も先物取引でさらに100円も上がって、完全にウクライナ戦争前のレベルにまで日本株は戻しきった。もちろんドル円が121円台まで上がってきたことのサポートも大きい。
そして木曜日にはいよいよNATOやG7での首脳会議がベルギーで開かれる。検討内容はエネルギー関連での追加制裁だ。首脳クラスが一同に集まるのだから、前もって事務的な交渉も進んでいるはずで、後は制裁に後ろ向きなドイツやフランスをどこまで巻き込めるかにかかっている。
こうした制裁の強化を前提に、原油相場は上昇した。116ドル台まで上がってくると、さすがにインフレに目をつぶっていられなくなる。原材料費の高騰を嫌気して、米国株は軟化。前日に持ち上がった分をほぼ全部を吐き出した。
ドル円はアジア時間の安値を下抜けしてきたが、ニューヨーククローズには再び121円台に戻してきている。ユーロドルは1.10ちょうどを挟んで上下20ポイントほどのレンジに押さえ込まれていまい、方向感は出なかった。木曜日から中断されていたロシア株が再開されるということもあり、ロシアンルーブルが5%以上の上昇を見せていた。
今晩はドイツ、イギリス、アメリカの景況感が出る。いずれも悪化は避けられないだろう。ファンダメンタルズの悪さが金利を押し下げる一方、FEDを始め世界の金融当局者の口からはタカ派的な発言が相次いでいる。ドル金利の行方がハッキリしないときは、ドル相場もすっきりとした動きはしないものだ。最近のユーロドルがそれを物語っているようだ。
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