昨日は朝位置でドル円が126円台に突っ込んだ。短期的なストップが誘発したものであろう。すぐに127円台まで値を戻し、ステーブルナ状態となったからだ。中国が追加の景気対策を打ち出したことでマーケットはリスクテークになり、ドル円は欧州時間には128円台に乗せてきた。私もドル円でも買っておけばよかったと思ったが、何ぶんにもユーロドルの売り参戦をしていて、それが簡単にうまくいかず困り抜いていたからだ。
ユーロドルが明確に落ちてきたのはニューヨーク時間になってからだった。短期的なポジションが持ちくたびれて、かなり時間がかかってようやくである。思いのほかユーロドルは深押しして、1.05台の前半まで押し込まれた。実感のショートカバーはあったものの、ユーロドルのベア・トレンドには変わりはないだろう。
ところで日銀の金融政策では何の変更もないことが期待されている割には、奇妙な期待も出てきている。足下の物価高が黙認できなくなってきており、それが経済界をはじめとする企業側や家計を預かる消費分野にまで拡大してきているからだ。
しかも欧米諸国も金融政策を引き締める方向で動き出しているからだ。何もしないとわかってはいても、何かするのではないかという不安もある。物価に対する認識を変えるなど、文言の表現の変化や黒田総裁の会見に注目が集まるところだ。
そもそも長期債の指値買いオペの最中である。マーケットに対して明確な意思表示をしているというのに、それに反することをしゃべるというのも、無理があるように思える。マーケットの反応は為替と株価では真逆だ。
黒田総裁が金融緩和を強調するのではないかとの思いで、株価は高い。いっぽうでドル円は高いとはいうものの、129円台には届いていない。期待先行なのと、結果を見てからという二つに分かれているのだ。
そして日銀は金融スタンスを変えなかった。結果を見てからドル円は急騰。129円台のミドルまで上がった。年初来の高値を抜けてきて、ついに130円台にも乗せて来た。これからの海外時間での振る舞いに気をつけたいところだ。
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