欧州時間でユーロ相場が崩れた。ユーロ円はここ最近のコアレンジである135円から140円までの下限近くにいたのだが、そこから一気に132円台まで戻し場を作らずに下降した。ユーロドルも今年の最安値を更新してきて、1.03台まで沈んだ。これは欧州の地政学的なリスクの高まりでもある。
ウクライナ情勢はあまり進展はしていないものの、先日、日本を訪れていたフィンランドの首相が正式にNATOの加盟を申請したのだ。申請すればNATO側から受け入れられるのは周知の通りだ。
それがロシアを刺激する、さっそくロシア側からは対抗措置の意見も出てきている。軍事侵攻まではしないまでも、これまで軍事的中立を保っていたフィンランドが態度を変化させたことで、将来の不透明要因が増大したことになる。
下がっているのはユーロだけに限らず、ポンドなど他の欧州通貨も安い。それでクロス円が全面安となる中で、ドル円も下げを強いられることとなった。ドル円は次第に頭が重くなり、130円台をつけていた。
それがついに127円台まで押し込まれた。これには短期的に貯まってしまったドル円のロングポジションの解消売りもあっただろう。節目ではかなりの量のストップロスも巻き込んだようである。
私もドル円のショート参戦をしていたのだが、ニューヨーク時間になるともう下がらなくなり、ましてや128円台まで戻してくるとなると、もはややる気がなくなってしまった。しかし肝心のユーロドルは1.03台のままで、安値張り付きをしている。
これはまだ売り込んでいってもいいことのシグナルだと言える。中曽根元首相が「フィンランドのような国になる」と言って、たいへん顰蹙を買ったことがある。ロシアに攻めてこないでと懇願している様子を皮肉ったものだ。そのフィンランドやスウェーデンが中立を捨てた。落ち着くまではユーロ売りで臨みたい。
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