昨日は大きなイベントがない中で、パウエル議長のスピーチがやや注目に値した。もちろんこれまで言ってきたことと違ったことを述べたわけではない。しかし利上げを連続しても物価は想定通りにおさまるかどうかはわからないと不安を口にし、またそのためには経済を多少犠牲にしても断固として引き締めを行うとした。
このうち金融引き締め部分よりも経済犠牲のほうが過大に受け取られ、ドル金利はかえって下がったのである。とくに米国債のほうはリスク回避ということもあって相場が上昇。長期金利は下落した。
米国株はどっちつかずで狭いレンジ内にとどまったが、為替相場では金融引き締めのほうにバイアスがかかった。ドルが全面高となり、ドル円は瞬間的に137円をつけるに至った。そして久しぶりではあるがユーロドルのほうも動意を示し、1.04台の前半までドル高が進んだ。
私もあれだけユーロドルはベアだと言っていたのに、ドル円のほうに目を奪われてしまっていた。それだけユーロドルが動き出すとは思っていなかったからだ。またドル相場を動かすほどフレッシュな材料とは考えなかったからかもしれない。私もそうなのだからマーケットとしても完全にユーロドルの下サイドは手薄になっていたものと思われる。
しかしここからユーロドルを売り込んで行くかというと、今年の最安値である1.0350が控えているのでテクニカル的に売りづらい。むしろユーロの拾い場となるはずだ。完全に下抜けするまではロングで攻めて、抜けたらド転ショートで攻めたいところだ。
日本時間 15時00分
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)