日銀の金利会合が、円売りイベントになりつつある。決定会合があるたびに、円安水準が切り上がっているからだ。そして今日も朝からドル円の買いがたくさん出た。みんな日銀の結果発表に備えてのこと。
ドル円は昨日は珍しく50ポイントも動かなかったのに、仲値の決定前には早くも前日の高値を抜いてきた。仲値の決定後はポジションがたまりすぎたせいもあってか、ドルの投げ売りのようなかたちになっている。ともかくも日銀の金利会合は完全に遊ばれているのである。
しかし実際に日銀の結果が正午過ぎに発表されても、相場は余り動かなかった。それまでの動きで疲れてしまったのかもしれない。ドル円が上がらないとなれば、待っているよりも少しでも売ってみたい気分になる。ユーロ円も下がっていくと思っているからだが。
さて、いよいよECBの金利会合である。マーケットのコンセンサスでは25ベーシスの利上げのみということになっている。しかし目的が物価高を伴うインフレ退治にあるのだから、25ベーシスの利上げでは依然として政策金利はマイナス金利のままだし、まったく効果がない。今後もインフレ対策を目指すのであれば、強い意志を表示するためにも、最低でも50ベーシスの利上げは欲しいところだ。
カナダがアメリカに先行して、すでに100ベーシス利上げに踏み込んでいる。そして利上げに最後まで抵抗を示すと思われていたスイス中銀ですら、50ベーシスの利上げを敢行している。ここ25ベーシスだけの利上げだと、市場の失望感を買いかねない。
それを見越してか、ユーロ相場は基調として軟調さを維持している。ユーロが上がることがあっても、それはショートカバーというポジション調整の域を出ない。
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