昨日はいくつかの経済指標が景気の腰折れを示していないという結果がでたことで、ドル金利は短期も長期も上がった。2年債、3年債といった短期ゾーンの利回り上昇が目立って、これで次回FOMCでの利上げ幅は75ベーシスで落ち着きそうだということになっている。
それを反映してドル相場は一段高。ニューヨーク時間の序盤でドル円は140円台に乗せてきた。これは長銀が破綻した時期以来の事である。現在は企業が過去最高益を出しているというのに、不思議なコントラストである。
ドル円が140円台に達した方といって、格別の達成感が出てきたわけではない。上がるんならば、もっと上がってもおかしくはないだろうと思われるからである。1998年代の高値である147円台というのはひとつのメルクマールであろうが、これからまだドル金利が上昇することを考えると、150円台や160円台を見ても不思議ではない。
昨日の相場で破壊力がなかったのは、ひとえに雇用統計前だったというのも関係しているだろう。ポジションを積み上げるには不適な頃合いだからだ。それはユーロドルが今年の最安値を割り込んでいないことからもうかがえる。
今晩は雇用統計だ。予想では就業者数が30万人ほどの増加が見込まれている。先日に公表されたADPでは計算方式の変更があったとはいえ、就業者数が期待されたほど伸びていなかった。これがどれくらい雇用統計に反映されるのか。
しかしどのような結果が出ようとも、直近のFOMCでの金融政策に変更を強いることはないであろう。仮に悪い結果になったにしても、素直に景気の腰折れとは見られることはなく、一時的だとしてもっと数回の数字を見たいと言うことになろう。
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