前日のCPIの影響もあって、昨日はアジア時間からその続きをやるのにマーケットは躍起になっていた。米国株はグローベックスでさらに安値攻め。そして為替相場では144.95までドル円が吹き上がった。これは今年の最高値である144.99の手前で止められたことになる。つまりテクニカルがワークして抵抗したということだ。
しかし日銀が為替市場での実弾出動をうかがわせるレートチェックのウワサが飛び交った。それでドル円は下げ足を速めることとなった。CPI後に上がった3円幅のおよそ3分の1を吐き出すかたちとなった。
マーケット参加者の多くは実弾介入はできないだろうと思い込んでいるし、また実際に介入したところで聞かないと考えている。それなのに相場の反応はそれなりにあったと言えよう。ドル円は142円台の中盤まで押し込まれているのだから。
しかしこれで来週行われる日銀の金利会合との整合性を問われることとなった。財務相は実弾介入もあり得ると強力に明言している。その状態で我慢強く大規模な金融緩和を続けると言えるのか。「大規模な」という文言を削除して、お茶を濁すだけなのか。普段は注目されていない日銀の金融政策だが、政府からの意見表明があった分だけ面白くなりそうだ。
昨日のPPIのコア部分については市場予想を上回っていたが、概ね予想通りと言えるくらいであり、相場に大きな変動は出なかった。ドル円もユーロドルもステージを大きく変えるということはなかった。これでFOMCまでレンジ内にスタックしそうである。
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