CPIは市場予想を下回った。これは市場参加者の多くが期待していたことである。これでインフレ原則の道が見えてきたということで、米国株は大幅に上昇。しかしドル金利の低下は、ちょっと遅れて起こったように見える。
株が急上昇する中で、次回のFOMCではやっぱり50ベーシスの利上げにとどまるのではないかとの観測が強まって、それで追随して短期金利も25ベーシスの低下を余儀なくされたという形である。
逆に言うと、金利相場のほうはそれほどもCPIに反応していないということ。長期金利の代表である10年債の利回りが4%台を割り込んだと言っても、それは心理的な節目である大台の話しであって、実際に下がった利回りはそれほどでもない。
ドル金利の低下もあって、ドル相場は急落した。数字が出る前まではドルは買われ気味だった。ユーロドルは日中の安値をつけていたほどである。しかし数字が出た後は反転。久しぶりの1.01台を見ることとなった。私もユーロドルをショートにしてCPIを迎えたのだが、あっさりと置いてあったストップがついて終了。
損切りが付いたら、もうその日はやらないと決めているので、その後のドルの下げには手が出せなかった。しかしもしフレッシュに何かやることができたにしても、ドルの下げについて行くことができたかどうか。
早朝にはドル相場はもう一段安して、ユーロドルは1.02台の乗ってきて、ドル円は140円台の前半まで差し込んでいる。そしてアジア時間ではそれはちょっと行き過ぎだろうとの反省からか、若干のドル買い戻しの動きが出ているのである。
CPIは年換算して8%台を下回ってきたからと言っても、依然として高水準なのは間違いない。7.7%もあるインフレ率をどのように評価すべきなのか。これはもうちょっと消化するのに時間のかかる作業となろう。次回のFOMCまでは1ヶ月以上も間が開いており、それまでには次のCPIも出るのだ。1回だけの数字で大きな流れを見失わないようにしよう。
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