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志摩力男の「マーケットの常識を疑え!」

米ドル/円の上昇再開はいつになる? 2023年の米国の
最大の課題は「インフレ対策」。目先は荒れたマーケッ
トを想定して、今年の収益を飛ばさないように注意!

2022年11月30日(水)12:39公開 (2022年11月30日(水)12:39更新)
志摩力男

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 ザイFX!で連載しているコラム「マーケットの常識を疑え!」では、コラムの内容と連動した動画「週刊!志摩力男」を掲載していますが、毎月最終週(もしくは月初)のコラムでは「月刊!志摩力男」をお届けします。こちらは、志摩さんが、直近1カ月の為替相場やトレードを振り返りながら、中期的な見通しやポイントについて独自視点で解説します。ぜひ、ご視聴ください。

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11月FOMCで提示された「タカ派」と「ハト派」2つのメッセージ

 前回11月FOMC(米連邦公開市場委員会)において、2つのメッセージがFRB(米連邦準備制度理事会)から呈示されました。

 ひとつは、声明文中において示されたもので、「今後引き締めのペースをスローダウンしていく」というものです。こちらは極めてハト派的です。

 もうひとつのメッセージは、FOMC後の会見においてパウエル議長が語ったことですが、今回の引き締め局面でもっとも高くなるレート(ターミナルレート)は従来予想していたレベルよりも高くなる、いわゆる“Higher for Longer”ということでした。

 この「ハト派」、「タカ派」、提示された2つのメッセージのどちらが正しいのか、これが今後のマーケットに大きく影響を与えていくものと考えます。

11月FOMCでは「ハト派」、「タカ派」2つのメッセージが提示された。このメッセージのどちらが正しいのか、これが今後のマーケットに大きく影響を与えていくものと考える。写真はパウエル議長 (C)Bloomberg/Getty Images News

11月FOMCでは「ハト派」、「タカ派」2つのメッセージが提示された。このメッセージのどちらが正しいのか、これが今後のマーケットに大きく影響を与えていくものと考える。写真はパウエル議長 (C)Bloomberg/Getty Images News

 11月23日(水)、この11月FOMCの議事要旨が発表されましたが、「ハト派」的と解釈され、米ドルは急落しました。

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足
 

 それは、議事要旨中のこの言葉にあります。

In addition, a substantial majority of participants judged that a slowing in the pace of increase would likely soon be appropriate.

「さらに、かなりの参加者が、引き締めペースの減速は近いうちに適切なものになるだろうと判断しました」

 つまり、引き締めペースの減速に関しては、過半数を超える多くのFOMC参加者が合意しているということです。しかも“soon”という言葉を使うということは、引き締めペースの減速は次の12月FOMCから始まるということになります。

 一方、

Even so, various participants noted that, with inflation showing little sign thus far of abating, and with supply and demand imbalances in the economy persisting, their assessment of the ultimate level of the federal funds rate that would be necessary to achieve the Committee's goals was somewhat higher than they had previously expected.

「それでも、インフレが今のところ収束する兆しが見えず、経済における需給の不均衡が続いていることから、委員会の目標を達成するために必要なFF金利の最終的な水準についての評価は、これまでの予想よりもやや高くなったと何人かの参加者が指摘しました」

 “Various”というのは、おそらく7~8人というイメージではないでしょうか。そうなると、パウエル議長が会見時に発言したターミナルレートが高くなるという認識は、実はFOMC内の過半数を締めているわけではないということになります。それで、米ドル/円が売られたという側面はあるかもしれません。

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ターミナルレートがどうなるかが、市場予測のカギになる

 FOMC議事要旨では米ドル売りの反応となりましたが、主な金融機関がターミナルレートについてどのように予想しているか、ブルームバーグ社がまとめています。

ウォール街割れる「5.75%から5%」「5%から3.25%」-23年FRB

(出所:Bloomberg

 前回の当コラムでもご紹介しましたが、モルガン・スタンレーはターミナルレート4.75%と予想しており、昨年(2021年)もっとも予想が的中したストラテジストだったマイクウィルソン氏は、2023年の株価を強気に予想しています。

 一方、ゴールドマン・サックスはターミナルレートを5.25%と予想しており、彼らの予想する米ドル/円レートは3カ月後、6カ月後ともに155円です。

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米ドル/円は137.50円が注意すべきポイント! 米ドルは目先、「コツン」と底を叩くまで下落しそう。いずれ上昇トレンドへ戻りそうだが、予断を持たず対処すべき(11月17日、志摩力男)

 ターミナルレートが今後どうなるのかが、市場予測のカギとなりそうです。その意味では、11月30日(木)に行われるパウエル議長の講演が注目です。おそらく、11月FOMC後の会見と同じ意見を言われるのではないでしょうか。その場合、米ドルにはポジティブです

今後は荒れたマーケットになる中、収益を飛ばさないように注意したい

 そして、今年(2022年)最後のヤマ場は12月13日(火)発表の米11月CPI(米消費者物価指数)、そしてその翌日(12月14日)に発表されるFOMCの結果でしょうか。

 CPIの市場予想はまだ出ていませんが、前回(10月分)のCPIの結果をきっかけに米ドルは大幅に下落したことを考えると、今回も米ドル売り方向の反応になるかもしれません。

 今年(2022年)は、米ドル/円相場が115円前後からスタートし、151.95円に達するという、稀に見る上昇相場となりました。おそらく、FXトレードをする多くの方が良い収益を達成したのではないかと思います。

米ドル/円 週足
米ドル/円 週足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 週足

 目標は達成したので、今後は、あまり予想できない、荒れたマーケットになるものと予想されます。この1年で儲けた収益を飛ばさないように注意すべきでしょう。

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2023年はインフレ根絶の年に。米ドル/円はどこかで上昇再開となりそう

 米中間選挙も終わり、米国は2024年に行われる、次の大統領選挙に向けて動き出しました。大統領選挙までにやらなくてはならないことはいろいろありますが、その中でも「インフレ」対策は、最大の課題となるでしょう。来年(2023年)、このインフレを根絶しなくてはなりません。

 その意味では、2023年を通じて、米国は高めの金利になりそうだなと思っています。一方、日本のゼロ金利は続くので、どこかの時点で、また米ドル/円は上昇再開となるでしょう。

米ドル/円 週足
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(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 週足


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