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米ドル/円は137.50円が注意すべきポイント! 米ドルは
目先、「コツン」と底を叩くまで下落しそう。いずれ
上昇トレンドへ戻りそうだが、予断を持たず対処すべき

2022年11月17日(木)10:17公開 (2022年11月17日(木)10:17更新)
志摩力男

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週刊!志摩力男


中間選挙も大統領選挙も11月。米国人にとって11月は大事な月

 先日(11月8日)、米国の中間選挙が行われましたが、今回はその結果について論じるつもりはありません。中間選挙も、大統領選挙も、どうして11月なのでしょう。しかも投票日は火曜日です。

 米国はグローバル社会のリーダーで、もっとも成功している国です。それなのに、なぜ独自の単位を使うのでしょうか。摂氏ではなく華氏、キロメートルではなくマイル、そしてセンチではなくフィートやインチを使います。意外と昔のしきたりを大事にしている国なのでしょうか。

 中間選挙も大統領選挙も、11月の第1月曜日の翌日の火曜日と決まっていますが、昔の投票所は遠くの大きな街にしかなかったので、日曜は地元の教会で祈り、月曜は馬車で移動し、その翌日に投票となったので、火曜日が投票日のようです。

 では、なぜ11月なのかというと、農産物の収穫が10月、11月に終わるから、というのがもっとも有力な理由のようです。収穫を終えて、ゆっくりと自分たちの代表を決めるということです。そして収穫というと、11月の第4木曜日に感謝祭があります。七面鳥を食べる日です。

米国人にとって11月は大事な月。中間選挙も大統領選挙も11月に実施される。これは農産物の収穫時期によるところが大きいというのがもっとも有力とのこと。11月には収穫を祝う感謝祭もある。写真は前回(2020年)の米大統領選挙で討論するバイデン大統領とトランプ前大統領(C)Bloomberg/Getty Images

米国人にとって11月は大事な月。中間選挙も大統領選挙も11月に実施される。11月には感謝祭(サンクスギビングデー)もある。写真は2020年の米大統領選挙で討論するバイデン大統領とトランプ前大統領(C)Bloomberg/Getty Images

米ドル/円が大きく崩れた理由はいろいろあるが、ヘッジファンドなどの「収穫」が本当のところでは?

 このように、米国人にとって11月は大事な月です。1年の締めです。私が以前勤務した、米系の証券会社、そして米系ヘッジファンドも11月が締めの月でした。

 米ドル/円は高値151.95円から大きく崩れています。理由はいろいろあると思います。

 米金利の終着点(ターミナルレート)が見えてきたとか、見えないとか言っています。しかし、実は理由はもっと単純で、11月になり、多くの金融機関のトレーダーやヘッジファンドが収穫(手仕舞い)を始めたというのが本当のところではないでしょうか。

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足

(出所:TradingView

 米金利の終着点に関しては、いろいろな意見があります。米大手証券モルガン・スタンレーは「ドルはピークに達し、2023年はインフレ緩和期待で米国債利回り低下とともに下落する」と題したレポートを出しているそうです。

ドルは今四半期がピーク、現金保有やめよ-モルガン・スタンレー

出所:Bloomberg

 彼らの主張するポイントは、FRB(米連邦準備制度理事会)の利上げペースが今後鈍化し、来年(2023年)最初(2月)のFOMC(米連邦公開市場委員会)でFF金利(※)を0.25%引き上げて、それで利上げ局面は終わりと見ているようです(ターミナルレートは4.50%か)。米ドル/円はこの第4四半期がピークで、年末140円予想です。

(※編集部注:「FF金利」とは、フェデラルファンド金利のことで、FFレートとも呼ばれる。米国の政策金利)

 その一方、同じく米大手証券ゴールドマン・サックスはドル円相場の予想を上方修正してきました。

ゴールドマン、米利上げでさらなる円安・ドル高進行の可能性

出所:Bloomberg

 彼らは米金利のターミナルレートが市場の予想よりももっと上昇すると見ています。おそらく、5.50%ぐらいまでターミナルレートが上昇するので、そうなると米10年債利回りは4.50%となり、米ドル/円は155円ぐらいまで上昇するだろうという意見です。

 どちらも正しそうに見えます。実際に米金利がどうなるのかは、その時になってみないとわからないのではないでしょうか。

将来の米ドル/円レートがどうなるかはともかくとして、今は年末を迎え、利食いに走る中、「コツン」と底を叩くまで、米ドルは下がっていくのかなと思います。

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足

(出所:TradingView

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ひろゆき氏の「お小遣いチャンス!」など、米ドル/円上昇の最終局面は「大衆相場」になっていた

 蛇足ではありますが、今回、米ドル/円の天井が近いと印象づけたのは、インフルエンサーひろゆき氏のツイートでした。

 普段マーケットを見ていない人たちも、お小遣い稼ぎのチャンスとばかりに、米ドル/円マーケットに入ってきた可能性があります。

 ひろゆきさんのコメントが結果的に正しい、正しくないはともかく、今回の米ドル/円上昇も最後のところはかなりの「大衆相場」になっていたということなのでしょう。

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足

(出所:TradingView

 2017年12月のビットコイン相場と似たものを感じた瞬間でした。そうであるなら、目先のマーケットは落ちて行くしかなかったのかもしれません。

 調整相場なので、だんだん理屈通りに動かなくなると思います。難しくなります。

 これまで米金利との連動が強かった米ドル/円ですが、それもそのうち変わってくるかもしれません。

 つまり、米金利が上昇しているのに米ドルが下落したり、反対に米金利が低下しているのに、米ドルが上昇したりする相場が近いうちあるかもしれません。

米ドル/円&米10年債利回り 日足
米ドル/円&米10年債利回り 日足

(出所:TradingView

米ドル/円はいずれ上昇トレンドに戻るが、目先は137.50円、次は130円が注目ポイントになる

 さて、この米ドル/円相場がどこまで落ちるかですが、先日(11月15日)の米PPIの結果を受けて瞬間的に一目均衡表の雲を下抜けましたが、すぐに戻されました。

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足

(出所:TradingView

 個人的には、どんなに傷んだ瞬間があっても、米ドル/円はいずれ上昇トレンドに戻ると思います。しかし、あまり予断を持たず対処すべきでしょう。

米ドル/円の注意すべきポイントは137.50円だと思います。そこを割るともっと下がるでしょう。次は、130円、そして2015年の高値125.86円です。そこまで行くことはないと思っていますが、そこが強いサポートになると考えています。

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足

(出所:TradingView


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