ドル相場はまったく行ったり来たりで方向感が定まらない。アジア間ではドル円は137円台までドル高方向を攻めていたが、海外市場では反対を攻めるんだろうなと思って見ていたら、やはり欧州時間から下がってきた。
それでなおかつ下割れはしない。ある程度下げてしまったら、もう売りの弾は出てこないのである。確かに週末のPPIや来週のFOMCを見たいということもあって、ポジションを大きく傾けるには無理な状況だ。
ところで原油価格が71ドル台まで下がってきた。EUやアメリカがロシア産の原油価格に上限を設定したのも、はじめは意味がないのではないかと思いきや、案外と効果を発揮してきたようでもある。上限が60ドルだと言うのだから現値である71ドルで買っても、それは闇価格だということで国際的に是認されない契約だということになる。
エネルギー価格が下がってきたのはインフレ抑制のためにも良いことなのだが、ここからが問題である。アメリカは戦略備蓄を放出する際に価格は90ドル台くらいであったものが、市民の不安解消のために70ドルになったら買い戻すと表明してしまっているのだ。要するにここからは下がりにくい構造となっているのだ。
今夜はPPIだが、市場の注目は来週発表のCPIのほうに流れている。よほどに大きく市場予想から外れないと、マーケットは様子見態勢を整えてしまうだろう。
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