昨日はドイツの景況指数が想定外にプラス転していた。ウクライナ紛争やインフレによる物価高を経ながらも、もうとっくにドイツ国内の景況感は回復しているということだ。確かにドイツ株の代表的な指数であるDAX指数を見る限り、もう景気後退は感じさせないほど史上最高値に接近してきており、15000台の中盤である。
そこへもってきて観測記事ではあるが、次回のECB会合では利上げ幅が25ベーシスに縮まるという報告もあった。景況感が良くなっているのに、米国債のマーケットで今年後半にはと織り込んでいる利下げは、一体何のための利下げなのかかということになってもきている。
利下げ期待だけが先行しているので、下がり基調だった原材料費や食品価格も、再び値上がり傾向を示している。とくにお金の代わりに捉えられることの多い金価格はすでに1900ドル台の中盤まで戻ってきており、2000の大台突破も間近い。これではインフレ撲滅のための利上げの効果がまったく失われたということにならないだろうか。
そして今日はいよいよ日銀の決定会合となった。金融政策は変更するわけがないのに、異様に注目を集めている。やはりYCCの修正、もしくは撤廃が気になって仕方がないのだろう。市場機能を回復させてるためならば、イールドカーブが5年、7年ゾーンから15年20年ゾーンに向けてきれいにつながるようになることを目的化しないといけない。
となると10年の利回りは1.0%を超えてくることになる、自由市場での円金利スワップも十分にそちらのほうに向いている。これだけ関心を集めた会合だったが、結果は何の変更もなしだった。それをうけて強烈に長期金利の低下、そして円安が進んでいる。
ドル円は131円台に乗せてきて、ユーロ円は141円台まで戻している。事前に円ロングが溜まりに溜まったせいでもある。そのポジションカットの円売りが継続しているのだ。 日銀が従前の方針に拘ったことで、市場にはかえって不透明感と不安定さが増した。ドル円、ユーロ円はボラティリティを上げての推移がしばらくは続くことになるだろう。
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