昨日はPPIが出た。すでに高いものが予想されていたこともあって、マーケットの動きはさほど大きなものではなかった。まず第一にドルの短期金利の上昇が進まなかった。それゆえドル円もユーロドルもドルのフレッシュ・ハイをつけにいったのだが、大きく値を伸ばすということはなかった。米国株も最初は金利を意識しすぎて大きく沈んだが、現物株が始まってみると早々に値を戻したのであった。
FEDメンバーからのタカ派的な発言は続いている。利上げ幅を再び50ベーシスにまで上げなければいけないといった論調がくりかえされ、長期債は利回りが上昇し、それに連れて米国株は押し込まれた。
私としてはPPIが大きいだろうと考えていたので、指標の出る直前にドル円を133.88で買っておいた。そして最初の反応でドル円は135円ちょうどを試すものだと思っていた。そこですぐに134.75で利食い売りの注文を出していたのだが、ぜんぜんそれに届かず。
確かに利食いはできたのだが、伸びが思ったほどでもなかったのである。そうなるとすぐに相場はドルの利食い売りモードに転換した。再び133円台に沈んだが、そこが買いになるかどうかは、もうちょっと時間をかけて様子見することにした。
雇用統計からの一連の経済指標では、いったいどこに景気後退の芽を見いだすことができるのか。年後半の利下げを議論するよりも、ピークアウトの上サイドへのズレ込みのほうが問題だろう。この分では9月まで小幅な利上げは続いても不思議ではない。
今さら上げ幅を増大させると金融政策の舵取りの失敗を認めることになるので、50ベーシスに戻すことはできない。とすると利上げ終了の時期が後ずれするのが考えられることである、そうなると気を揉ませながら、いま一段のドル高が起こりそうである。
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