シリコンバレーの銀行に続いて、ニューヨークの仮想通貨専門の銀行も破綻した。しかし米政府が預金の全額保護を早々に打ち出したので、一応の平静を保っている。米国株は大幅安にまで突っ込んだが、終わって見れば小幅安の状態まで戻してきている。
またドルの短期金利は100ベーシスも切り下がった。これで次回のFOMCでの利上げ幅は50ベーシスということは完全になくなったと言えるだろう。先週にパウエル議長が議会証言していたときに発した「金融システムは問題なし」という言葉は懐かしくなった感じである。
ドル金利がそれだけ急激に下がったのだから、ドル相場も無傷ではいられない。ドル円は欧州序盤も早々と132円台に突っ込んだ。夏時間だからニューヨーク勢の出足も早い。ニューヨークオープン前にはドル円は132.30まで突っ込んだ。しかしバイデン大統領も預金者は全面的に保護すると会見したことから、マーケットはやや落ち着きを取り戻した。
長期債の方が遅れてではあるが下がり始めたので、私もドル円をショートで振ってみた。しかしニューヨーク時間ではメクリ上げられるだけで、安値を更新することはなかった。私もタイトストップのつもりでやったのだが、3連敗したので終了した。
アメリカの金融機関が資金繰りに行き詰まりを見せるのは時間の問題であったあろう。それは高過ぎる株価にも問題がある。実際に利益を出して株価が高いならば、それは成長株だということで納得がいく。しかし利益を出してもいないのに、成長見込みだけで株価は買われ過ぎてしまったのだ。
S&P指数などの平均株価もPERが30倍以上もする。ということは単品の株の中では100倍を超えるものもあったはずだ。その時価総額に対して融資するのである。具体的には自社株買いなどといった利益還元に資金手当など。もちろん時価である。高いPERに基づいてのものだ。そして後でお金を返済しようと思ったら、お金が残っていないという感じ。これではS&P指数がPER15倍くらいまで下げてこない限り、同じ事の繰り返しになる。
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