新NISAもスタートし、「今年はFXだけでなく株やコモディティも!」なんて人も多そうな2024年。為替、株、コモディティの相場環境を点検しておこう。教えてくれたのは楽天証券の3人の精鋭だ。
(左から、楽天証券経済研究所コモディティアナリスト・吉田哲氏、楽天証券FXディーリング部FXアナリスト・荒地潤氏、楽天証券経済研究所チーフグローバルストラテジスト・香川睦氏)
まずは為替から。今年(2024年)、米ドル/円は1米ドル=130円割れの予想も多かったが、1月は円安気味にスタート。肩透かしを食らった人がいるかもしれない。
「円高のターニングポイントとなるのが3~6月。それまでは150円近くまで上がる場面もあるかもしれません」
そう解説してくれたのは、楽天証券FXディーリング部のFXアナリスト、荒地潤さんだ。3月以降、なにが起きるのだろうか。
米ドル/円は1米ドル=125円へ!?
3月からは「金融政策のデッドクロス」が発生か
「3月からはFRB(米連邦準備制度理事会)の利下げと、マイナス金利解除など日銀の金融政策正常化が重なる、いわば『金融政策のデッドクロス』が起こり、米ドル/円への下押し圧力がマックスとなります。3月から晩夏にかけて、125円くらいまで円高が進むのではないでしょうか」
125円の根拠は――?
「米ドル/円は1年間で動くレンジがあると思っています。今年は約25円程度でしょう。上値を探ると、2022年も2023年も超えられなかった強いレジスタンスが152円。今年の上値を150円と仮定すると、25円下の125円が安値メドとなります」
2023年のレンジが127円から152円までの25円。今年もほぼ同じ値幅になるだろう、との想定だ。
(※筆者作成)
晩夏に125円の安値をつけてからの展開は?
「8~10月に125円と円高のピークをつけ、年末にかけて140円台を回復するとみています。日銀はマイナス金利を解除しても利上げは難しいでしょうし、米国ではインフレが再燃する可能性があります」
11月は米大統領選。年末にはインフレ再燃や、
利上げ観測すら高まる可能性も!?
足もとでは落ち着いてきた米国のインフレだが、今年後半の大イベントをきっかけにして再燃するかもしれないという。
「11月に米大統領選挙を控えています。バイデン政権は再選に向けて、人気取りのために財政出動を強めてくるでしょう。そうなるとインフレが再び高進し、年末には利下げ停止や、あるいは利上げ観測すら高まるのではないかと考えています」
「利上げか!?」と米ドル高が始まり、米ドル/円は140円台へと戻っていく――そんなシナリオだ。
(※筆者作成。チャートの出所はTradingView)
「2023年も円高見通しが強かったものの、1月に安値をつけると、みんなが『あれ? もっと円高になるのでは……?』と思っている間に150円台へと戻っていきました。今年、円高が進んでもどこかの時点で『あれ?』というような米ドル高・円安が起こると見ています」
前のめりになりすぎないよう気をつけたほうがよさそうだが、上・下・上とボラティリティが高まるのはFXトレーダーには好都合だろう。
短期取引ではスプレッドの狭さが重要に。楽天証券なら
大手ネット証券で唯一、24時間常に低コストで取引できる!
「FXの収益チャンスは多いでしょう。1つは3~6月ごろから始まる円高相場。米ドル/円の特徴は『落ちるときは素早い』ことなので、短期的なトレードチャンスがありそうです」
短期取引ではスプレッドも重要だが、楽天証券のFX口座の1つ「楽天FX」は、米ドル/円のスプレッドが0.2銭(原則固定、例外あり)と業界最狭水準。しかも大手ネット証券で唯一、時間制限がなく24時間、いつでも狭いスプレッドで取引できる(※)。円高相場に備え、低コストで取引できる楽天証券の口座を用意しておこう。
(※大手ネット証券(口座数上位6社:auカブコム証券、SBI証券、GMOクリック証券、松井証券、マネックス証券、楽天証券(五十音順))で比較(2021年7月14日、楽天証券調べ))
それに楽天証券の「楽天FX」なら、取引するごとに楽天ポイントが貯まる。10万通貨の取引で1ポイントだから、短期売買派には見逃せない。
楽天証券のバイナリーオプションなら数百円の少額から取引でき、楽天ポイントも使えるから、「貯まったポイントでバイナリーオプションを取引する」なんて使い方もいいかもしれない。
「今年の米大統領選でも、2016年の『トランプラリー』のような動きが期待できるかもしれません」
2024年のFXの収益チャンスは「3~6月ごろから始まる円高相場と、11月の米大統領選の時期」と予測する荒地さん
2016年の米大統領選ではトランプ氏がサプライズ当選し、米ドル/円や株価指数が急騰するトランプラリーが始まった。2024年後半の大イベントを逃さないよう、今のうちからFXやCFDを始めておくのもよさそう。
株式市場の見通しは?
米利下げを見込んだ金融環境指数の低下は追い風!
では、株式市場の見通しはどうだろうか。楽天証券経済研究所のチーフグローバルストラテジスト、香川睦さんに聞いてみよう。
「見ていただきたいのが、シカゴ連銀(連邦準備銀行)の算出する金融環境指数。金融政策の引き締め度合いが強いと金融環境指数が高まり、緩和的だと低くなります。金融環境指数が高いと株にはネガティブですが、足もとでは利上げを始めた2022年3月よりも低い水準にあります」
利下げの開始が取り沙汰されているから、金融環境指数は低下する。このまま低下が続けば株式市場には追い風となりそうだ。
(出所:米財務省金融調査局、Bloombergより楽天証券経済研究所作成)
米利下げの時期と規模、そして長期金利の安定推移がカギ!
米国株は史上最高値を更新、S&P500は5000ポイント超え!?
「金融環境指数が低位安定するためには『利下げがいつ始まり、どの程度下げるか』、そして『長期金利が安定推移するか』が大きなポイントとなります。さらには、米景気がソフトランディングできるかどうかも重要ですが、エコノミストのGDP予想をみるかぎり、年央に底をつけるもののマイナスにはならず、年末に向けて回復していく見通しです。これこそソフトランディング。見通しどおりに進めば問題ないでしょう」
(出所:Bloombergより楽天証券経済研究所作成)
波乱がないかぎり、米国株はOKと言えそうだ。
「私のS&P500のバリエーションモデルだと、ベストシナリオで5500ポイント、リスクシナリオで4200ポイント程度です。S&P500は今年、5000ポイントは超えていくのではないでしょうか」
米国株は史上最高値更新が話題となる1年になりそうだ。
「注目は米国株の『マグニフィセント・セブン』(アップル、マイクロソフト、アルファベット、アマゾン・ドットコム、メタ・プラットフォームズのGAFAM5社にテスラ、エヌビディアを加えた7社)。この7社の業績が下ブレすると米国株全体も下がりやすくはなります」
日本株は「変化に対する期待が確信に変わる」1年に!
いよいよデフレを脱却し、日経平均は高値を更新していく!
米国株が史上最高値を更新していくなら、日本株も強気な見通しで良いだろうか。
「日経平均のPER(株価収益率)を保守的に16倍程度と見積もっても、予想EPS(1株あたり純利益)から逆算した日経平均は3万7500円となります」
背景にあるのは脱デフレ、そして変化の現実化だ。
「今年の日本株は『変化に対する期待が確信に変わる』という1年でしょう。脱デフレへの期待が高まっていますが、3、4月には春闘の結果が見えてくる。その結果次第では、日銀が『デフレ脱却宣言』を出してもおかしくありません。これは株式市場にはプラスです」
こうした変化を受けて日経平均は高値を更新していく、と香川さんは分析する。
新NISAのスタートで、個人投資家の資金が株式市場に!
注目は、中国を抜いて人口世界一となった「インド」!
「東京証券取引所が要請する低PBR(株価純資産倍率)の是正もありますし、これまで掛け声だけだった『貯蓄から投資へ』の期待も現実化しています。楽天証券にも新NISA口座の申込みが集まり、つみたてNISA口座のシェアは55%とナンバーワン(※)。個人投資家の資金が株式市場に入ってきています」
(※日本証券業協会「NISA及びジュニアNISA口座開設・利用状況調査結果(全証券会社)」より)
新NISAは全世界の株式市場へ投資する「オルカン(eMAXIS Slim全世界株式)」や、S&P500へ投資するファンドが人気を集めている。香川さんの注目は?
「世界株、米国株、日本株でももちろんいいのですが、インド株も注目です。象徴的なのが人口。インドの人口は昨年(2023年)、中国を抜きました。平均年齢も28歳と若く、貧富の格差などの課題もありますが、所得や個人消費の伸びが期待できます」
「人口が多く平均年齢も若いインドは、今後、所得や個人消費の伸びが期待できる」と語る香川さん
シェアナンバーワンの楽天証券ならNISA口座も安心して使える。さらに現物株や信用取引の手数料も無料化されたから、PBR1倍割れの企業などを狙った個別株への投資にも有利だ。
昨年後半からのリスクオン的な流れが今年も継続。米ドルとの
逆相関が目立つ金(ゴールド)は、2300ドルへの上昇もあり得る!
株、為替に続いて、コモディティ市場の環境も確認しておこう。
「ポイントは米国の金融政策の方向性です」
と回答してくれたのは、楽天証券経済研究所のコモディティアナリスト、吉田哲さんだ。
「2023年を前半・後半に分けると、前半は景気への懸念の高まりからリスクオフ的な雰囲気となり、コモディティには逆風でしたが、後半は米利下げへの思惑が強まり、リスクオン的に原油が、利下げへの思惑による米ドル安で金(ゴールド)が上がりました。昨年後半の流れが今年も続いていくと見ています」
「金(ゴールド)は足元、米ドルとの逆相関の値動きが目立っていて、今年は米国の利下げ観測もあり米ドル安が見込まれています。そうなると金(ゴールド)はもっと上がる。2200~2300ドルもあり得るのではないでしょうか」
(※筆者作成。チャートの出所はTradingView)
原油の下値は60ドル、上値は100ドル程度が限界か。
ブラジルがOPECプラス参加なら、BRICSの影響力も強まる!?
続いて、WTI原油はどうだろうか。
「景気回復→需要増加→原油価格上昇という図式が見えやすい一方、中国経済への不安が残っています。多くの材料が一度に上昇圧力をかければ120ドルといった水準も見えてきますが、金(ゴールド)に比べると上値を抑えられやすく、上値は100ドル程度になるのではないかと考えています」
上値は抑えられやすいが、かといって下値も固いと吉田さんはみている。
「OPECプラスの減産は今年末まで続く予定ですし、主要な湾岸産油国の財政均衡に必要な原油の価格は70ドル台前半と見込まれています。70ドルを割ってくるようだと減産で価格を支えようとする可能性があり、下値は60ドル程度とみています」
(※筆者作成。チャートの出所はTradingView)
原油取引にはOPECプラスの動向も重要な材料となる。
「昨年はアンゴラが協調減産に反対してOPECを脱退しました。一方でブラジルやガイアナなどがOPECプラスとの距離を縮めています。減産強化には期間の延長、削減量の増加、減産参加国の拡大と3つの手段がありますが、ブラジルがOPECプラスに入ることは減産参加国を拡大させる要因です。それだけでなく、BRICSの影響力強化という面でも注目されます」
CFDを使って割安感のあるプラチナを長期で積み立てながら、
金(ゴールド)や原油を短期スパンでトレードするのも一手
史上最高値をうかがう金(ゴールド)、OPECプラスの体制に波乱がありそうなWTI原油と、コモディティ市場にもチャンスが多そうだ。
「長期と短期を組み合わせて投資するのもいいでしょう。長期では割安感のあるプラチナを積み立てながら、短期では金(ゴールド)や原油をCFDで取引する、といったようにです」
「長期でプラチナを積み立てながら、短期は金(ゴールド)や原油をCFDでトレードするなど、銘柄の特性を生かしたトレードもよさそう」と語る吉田さん。楽天証券には、さまざまな種類・銘柄の金融商品が取引できるという強みがある
楽天証券なら金(ゴールド)・プラチナ・銀の積立もできるし、楽天CFDは23銘柄の株価指数、14銘柄のコモディティ、さらにVIX指数先物に連動する銘柄も取り扱っており、投資先のバラエティも豊かだ。
楽天証券なら、FXから新NISAまでワンストップで取引可能!
人気の取引ツールが利用でき、取引で楽天ポイントも貯まる!
楽天証券ではFXからCFD、バイナリーオプション、新NISA、純金積立までワンストップで取引できる。楽天ポイントも貯めやすいし、PC版の「マーケットスピード」やスマホ版の「iSPEED」などの取引ツールの使いやすさや、機能性の高さにも定評がある。
特に注目なのは、スマホアプリ「iSPEED FX」に搭載された「サークルメーター」。スマホアプリでは定番の、1画面で新規発注から決済まで行える機能だが、自動車の速度計を模した独特な画面が目を引く。ぜひ一度試してほしい。
(出所:楽天証券)
楽天証券は情報面でも万全。本記事に登場した3人をはじめとする専門家が、動画や記事で相場の見通しを教えてくれる。株やコモディティに不慣れな人でも安心して使えるはずだ。
楽天証券の口座をまだ持っていない人は、この機会に開設しておこう。
(取材・文/ミドルマン・高城泰 撮影/高野広美 編集担当/ザイFX!編集部・上岡由布子)
【ザイFX!編集部からのお知らせ】
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