日欧米は資産買い取りと称して中期国債の買い入れを金融政策の柱としていて、それによって過剰流動性をマーケットに与えようとしている。それがまわりまわって景気が本格回復するまでのカンフル剤とする目論みである。しかし肝心の国債価格の総崩れが目立ってきた。
確かにFRB(米連銀)や日銀などは国債を購入してはいるのだろうが、まったく効かない。それは言うまでもなく、インフレの進行が露見してきたからだと思う。いまだにFRBなどはインフレ率でみるとたいしたことはないと言っているが、しょせんは学者の理屈のように見えてしまう。
日本と違い食料品とエネルギーに関する税金の安いアメリカでは、原材料費の値上がりが、末端価格の上昇に直結することになる。一般市民の間でも物価高騰の悲鳴はわき上がってきている。
その上のドル安で、輸入インフレも無視できない。インフレを軽視した金融緩和は、完全に失敗と言わざるをえない。毎日、債券相場が下がってくるのを見て、本当に当局は買い入れに励んでいるのかと疑いたくなるほどである。
本日も朝から米国債が軟調である。中国の利上げ懸念がそうさせているのは疑いもないが、今日は円債までもが大幅下落となっている。世界的な量的緩和はすでに終わりの季節を迎えているのかもしれない。マーケットのほうが先に出口戦略というか、ネクスト利上げのステージを探っているのかもしれない。
今晩はイベントがないので、要人発言のようなものか、米国株の状況次第となる。持っているポジションについてもアゲインストへ25ポイントも持っていかれたら、すぐにカットするつもりでいる。しかしここまで何度か止められてきたドル円の上値84.40近辺を上にブレークしてくるようだと、今度はそこをロスカットに少し買い増してみようかと考えている。
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