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  • 2024年11月06日(水)08時00分

    東京為替見通し=米大統領・上下両院議会選挙の開票状況を見極めて行く展開

     5日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、米長期金利が低下したことや米大統領選の開票前のポジション調整のドル売りで151.34円まで下落した。ユーロドルはポジション調整のドル売りで1.0937ドルまで上昇した。ユーロ円は166.04円まで上昇した後、165.44円付近まで押し戻された。

     本日の東京外国為替市場のドル円は、米大統領・上下両院議会選挙の開票状況を見極めていく展開となる。

     波乱要因として、次期大統領と上下両院議会の勢力図が異なるネジレ議会となる場合や選挙結果に対して法的な異議申し立てが行われる場合なども想定しておきたい。

     先週までの市場動向は、「レッド・スウィープ」(トランプ大統領誕生・上下両院で共和党が勝利)を念頭に置き、トランプ候補の関税引き上げ、減税や大規模財政支出によるインフレ加速懸念(トランプ・フレーション)から、トランプ・トレード(米国債売り・ドル買い)が活発化していた。ドル指数は4カ月ぶりの高水準を記録し、米10年債利回りは4.38%台まで上昇していた。

     しかし、激戦7州の有権者の投票行動への警戒感から、トランプ・トレードの一部巻き戻しとなっており、米10年債利回りは4.30%を割り込み、ドル円は、長期的な攻防の分岐点である200日移動平均線を一時割り込んできている。

     「レッド・スウィープ」となった場合、以下のような公約の実現が予想される。
    ・個人所得税の最高税率引き下げ(時限措置)を延長または恒久化
    ・キャピタルゲイン課税は変わらず、法人税減税を検討
    ・規制監督はエネルギーと金融を中心に緩和
    ・輸入品目に新たな関税を賦課(中国60%、その他10%)

     地政学リスク関連では、ウクライナへの軍事支援に消極的なためウクライナの敗北の可能性が高まり、イスラエルにイラン核関連施設への攻撃を煽っていたため、第5次中東戦争の可能性が高まることになる。

     トランプ候補が勝利宣言を出すような状況になった場合、「噂で仕掛けて、事実で手仕舞え」となり、トランプ・トレードの手仕舞いとなるのか、それともトランプ・トレードが再開するのか要警戒となる。
     ドル円が155円を上抜けて160円方向へ上昇していった場合、本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入の可能性に警戒しておきたい。

     「ブルー・スウィープ」(ハリス大統領誕生・上下両院で民主党が勝利)」となった場合は、以下のような公約の実現が予想される。
    ・個人所得税の最高税率は引き上げ、高所得層のキャピタルゲイン課税を引き上げる
    ・法人税増税を検討、現行の関税は継続する

     ハリス候補が勝利宣言を出した場合、トランプ・トレードの手仕舞いが予想されるものの、減税と財政出動を公約に挙げているため、ドルの下値は限定的だと思われる。

     参考までに、複数の米メディアが「大統領選予測のノストラダムス」と呼ぶアメリカン大学のアラン・リクトマン特別栄誉教授は、ハリス副大統領の勝利を予測している。リクトマン教授は、1984〜2020年の米大統領選で、ほぼすべての予測を的中させた歴史家だが、連勝記録が2024年まで伸びるのだろうか。

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