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  • 2024年11月08日(金)18時12分

    来週のドル・円「ドルは伸び悩みか、日本の円安牽制が重石に 」

    [ドル・円]
     来週のドル・円は伸び悩みか。米大統領選でトランプ前大統領が勝利し、政策運営をにらんだドル買いが続く可能性があるが、1ドル=155円を超えて米ドル高円安が進行した場合、円安是正を狙った日本の為替介入が引き続き警戒され、ドルの上昇は小幅にとどまりそうだ。11月5日に行われた米大統領選は共和党のトランプ前大統領が民主党のハリス副大統領に勝利し、政策期待が高まっている。特に減税により企業業績や消費の拡大が期待され、ドル買い地合いは継続しよう。また、米連邦準備制度理事会(FRB)は6-7日の連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利を維持した。ただ、会合ごとの政策判断を強調しており、次回12月は緩和見送りも考えられるためドルは売りづらい面もある。

     一方、日本銀行は10月30-31日開催した金融政策決定会合で現行の政策を維持したが、金融正常化に積極的な方針を示した。市場では12月にも追加利上げに踏み切るとの見方が浮上している。ただ、11月15日発表の日本の7-9月期国内総生産(GDP)は前期比年率、前期比の成長率とも前回(4-6月期)を下回る見通し。日本経済の回復の遅れが顕著なら利上げ時期は後ずれするとの観測が強まり、米ドル買い・円売りが強まりそうだ。

    【米・10月消費者物価コア指数(CPI)】(13日発表予定)
    11月13日発表の米10月消費者物指数(CPI)は前年比+2.6%、同コア指数は+3.3%と予想される。上昇率が市場予想を上回った場合、ドル買い要因となろう。

    【米・10月小売売上高】(15日発表予定)
    11月15日発表の米10月小売売上高は前月比+0.3%の見通し。市場予想を下回り、米国経済のソフトランディング期待が低下すれば、ドル売り要因になりやすい。

    ・ドル・円の予想レンジ:151円00銭-155円00銭

    ・11月11日-15日に発表予定の経済指標の予想については以下の通り。
    ○(米)10月消費者物価コア指数 13日(水)午後10時30分発表予定
    ・予想は前年比前年比+3.3%
     参考となる9月実績は前年比+3.3%。衣料品価格の上昇やサービス価格の高止まりが要因。10月については財価格の下げ止まりによってコアインフレ率は9月実績と差のない水準となる可能性がある。

    ○(欧)7-9月期ユーロ圏域内総生産改定値 14日(木)午後7時発表予定
    ・速報値は前年比+0.9%
     参考となる速報値は前期比+0.4%、前年比+0.9%。ドイツ経済のプラス成長などが寄与した。改定値については大幅に修正される項目が少ないことから、速報値と同水準となる可能性がある。

    ○(日)7-9月期国内総生産速報値 15日(金)午前8時50分発表予定
    ・予想は前期比年率+0.6%
     公共投資は減少し、政府消費はおおむね横ばいとなったようだが、個人消費で財の支出が拡大し、民間の建設投資はやや持ち直していることから、プラス成長となる見込み。

    ○(米)10月小売売上高 15日(金)午後10時30分発表予定
    ・予想は前月比+0.3%
     参考となる9月実績は前月比+0.4%。10月については良好な家計のバランスシート、金利の低下により個人消費はやや底堅く推移したとみられるため、前月比プラスとなる可能性が高いと予想される。

    ○その他の主な経済指標の発表予定
    ・11日(月):(日)9月経常収支
    ・13日(水):(欧)9月ユーロ圏鉱工業生産
    ・14日(木):(英)7-9月期国内総生産、(米)10月生産者物価指数
    ・15日(金):(中)10月小売売上高、(米)10月鉱工業生産

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