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FX初心者にやさしいFX口座の選び方は？

 FXを始めるには、まずFX口座の開設が必要だ。FX口座はスマホやPCから無料で開設でき、中には手続きにかかる時間が最短30分程度と非常に短いものもある。思い立ったらすぐに口座開設して取引を始めることができるのもFXの魅力だ。
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 とはいえ、FX初心者が口座開設を検討する場合は、たくさんあるFX口座の中でどの口座を選べば良いのか迷うこともあるだろう。そんなときは、経験豊富な先輩トレーダーにFX口座の選び方を教えてもらうのがおすすめだ。

 そこで今回は、「羊飼いのFXブログ」でおなじみのFXトレーダー・羊飼いさんに話を聞いた。羊飼いさんが独自の基準で初心者にやさしいFX口座を厳選した、「羊飼いが選んだ初心者にやさしいFX口座」も紹介するので、あわせて参考にしてほしい。

・【最新版】羊飼いが選んだ初心者にやさしいFX口座

2025年6月26日 更新

※「羊飼いが選んだ初心者にやさしいFX口座」には、羊飼いさんがスマホアプリの使いやすさやスプレッドの狭さ、最低取引単位の小ささなどを調査し、初心者におすすめできると判断したFX口座を掲載しています
※スプレッドは1万通貨の取引を行ったときのもので、それ以外の取引量の場合は水準が異なることがあります
※スワップポイントは1万通貨の買いポジションに付与された、「前月」の1日あたりの平均金額です（マイナスは支払い）。タイミングによっては対象期間として「前々月」のデータを参照している場合があります
※取引手数料は無料でも注文方法などによってはスプレッド以外に何らかの手数料がかかる口座もあります
※表中の「-」は公式サイトなどでスプレッドやスワップポイントが公開されていない口座です。取引ツールや会員ページにて確認してください
※その他の注意事項はこちら

スマホアプリの使いやすいFX口座がおすすめ

 FX初心者が口座を選ぶうえで注目すべきことは何かとの質問に答えて、羊飼いさんが真っ先に挙げたのが「スマホアプリ」だ。

 「FX初心者を含め、多くの人がPCよりもスマホアプリで取引すると思います。だから何よりもまず、スマホアプリが使いやすいFX口座を選んでください」

 取引スタイルは人それぞれだし、自宅などでじっくり取引するときにはPC版の取引ツールを使うほうが良い場合もあるが、日常的な情報収集や取引では、どこにでも手軽に持ち運べるスマホアプリを活用しているトレーダーは多い。

 具体的にスマホアプリのどういうところに注目して、使いやすさを見極めれば良いのだろうか。

 これについては、羊飼いさんが日々のトレードで利用していて、「使い心地が良いので、FX初心者にも注目してほしいスマホアプリの1つ」と話す、GMOクリック証券「FXネオ」とトレイダーズ証券「みんなのFX」のスマホアプリを例に挙げながら、注目すべき2つのポイントを教えてくれた。

 ちなみに、GMOクリック証券「FXネオ」はザイFX！読者が選んだ「FXおすすめ口座人気ランキング」で総合1位に、トレイダーズ証券「みんなのFX」は総合7位にランクインする人気のFX口座だ。
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・「スピード注文」があって使いやすい

 「スマホアプリで特に重要な機能が『スピード注文』。スマホアプリにスピード注文が搭載されていて、しかも使いやすいことが重要です」

 「スピード注文」とは、表示されたレートをワンタップするだけで、すぐに注文を成立させることができる高速注文機能のこと。レートやチャートを見ながらすばやく取引できることから、特にスキャルピングやデイトレード（※）を行う短期トレーダーに欠かせない機能で、スキャルピングを得意とする羊飼いさんもよく使うそうだ。

（※「スキャルピング」とは、数秒や数分の間に売買を繰り返し、わずかな利幅を積み重ねるトレード手法。「デイトレード」とは、その日のうちに売買して損益を確定するトレード手法）

 スピード注文は、2010年～2011年頃にGMOクリック証券の取引ツールに登場して以来、採用するFX口座が増加。名称が「スピード注文」ではなかったり、機能や見た目に違いがあったりするものの、多くのFX口座でスピード注文に類似する注文機能を利用できる。PC版取引ツールからも利用できるが、使いやすさを比べるなら、特に表示画面が限られたスマホアプリでの操作性に注目したい。

 以下は羊飼いさんも使っているというGMOクリック証券「FXネオ」とトレイダーズ証券「みんなのFX」のスマホアプリに搭載された「スピード注文」の画面だが、並べてみると基本機能や見た目が似ていることがわかる。

※GMOクリック証券「FXネオ」（左）とトレイダーズ証券「みんなのFX」（右）のスマホアプリに搭載されている「スピード注文」

 「現役のトレーダーも、多くが『スピード注文』を使っていると思います。スマホアプリを開いたらスピード注文画面でレートやチャートを確認し、チャンスがあればそのままワンタップで新規注文や決済注文、全決済注文までできる。ポジション状況もひと目で確認できます。取引に必要な機能や情報は、ほぼすべてスピード注文の画面に収まっていると言ってもいいでしょう」

 「ポジション」とは、新規で買い注文・売り注文を行ったあと、決済せずに保有している建玉（持ち高）のことだ。買いの場合は、「買いポジション」または「ロングポジション」、売りの場合は、「売りポジション」または「ショートポジション」と呼ばれる。詳細は各FX口座によって異なるものの、スピード注文画面には、保有している建玉数や建玉の平均レート、評価損益（※）などが表示されており、ポジションの状況をひと目で確認することができる。

（※「評価損益」とは、保有中のポジションを現在レートで決済した場合に、どれぐらいの損益になるかを表したもの。プラスのときは含み益、マイナスのときは含み損とも呼ばれる）

 ここではGMOクリック証券「FXネオ」のスマホアプリに搭載されているスピード注文を例に、基本的な取引の流れを押さえておこう。便宜上デモ取引画面を使用しているが、操作方法は本番口座も同様なので参考にしてほしい。

※GMOクリック証券「FXネオ」のスマホアプリに搭載されているスピード注文

 まず、ログインすると表示されるのがホーム画面だ。下部のメニューにある「スピード注文」をタップし、スピード注文画面を表示しよう。

※GMOクリック証券「FXネオ」のスマホアプリに搭載されているスピード注文

 スマホアプリに搭載されたスピード注文画面では、チャートの表示・非表示の切り替えができたり、横向きにできたりするのが一般的だ。

※GMOクリック証券「FXネオ」のスマホアプリに搭載されているスピード注文

 あとは、表示されたレートをワンタップするだけで注文成立だ。FX口座によってボタンの色が異なる場合があるが、どのFX口座の注文画面でも「左側に表示されるのが売るときのレート」、「右側に表示されるのが買うときのレート」なので間違えないようにしたい。

 例では、「米ドル/円」を0.1（1000通貨）ずつ合計0.2買った。注文が成立すると、レート下にポジション状況が表示される。取引数量もこの画面で自由に変更することが可能だ（※）。

（※GMOクリック証券「FXネオ」の場合は0.1から設定可能。主要通貨ペアについては0.1＝1000通貨だが、一部の通貨ペアについては0.1＝1万通貨）

※GMOクリック証券「FXネオ」のスマホアプリに搭載されているスピード注文

 そして、ここだ！と思ったところで、保有ポジションと反対側のレートをワンタップすれば決済注文が成立する。例では「米ドル/円」の買いポジションを保有していたので、売り（青）のボタンをタップして決済した。

 ホーム画面に戻れば、当日の決済損益を確認することが可能だ。

 ちなみに、スピード注文には「全決済」という機能も用意されており、同じ通貨ペアであれば複数回に分けて保有したポジションを一気に決済することができる。値動きが激しく、急いで利益を確定したり、損失の拡大を防いだりしたいときは「全決済」が便利だ。

※GMOクリック証券「FXネオ」のスマホアプリに搭載されているスピード注文

 FXを始めたら、まずは素早い相場展開にも対応できるスピード注文を使いこなせるようになりたい。

 ここで紹介したのは基本的な取引方法だけだが、スピード注文には、あらかじめ取引量や許容スリッページ（※）などを設定しておける便利な機能もあるので、使い方に慣れてきたら細かな設定を自分好みに変えるのもおすすめだ。

（※「スリッページ」とは、注文した時に表示されていたレートと実際に成立したレートに差が生じる現象のこと。スピード注文では許容できるスリッページ幅をあらかじめ設定することができ、これを設定すると、設定した値幅以上のスリッページが生じた場合、注文は自動的にキャンセルされる）

※GMOクリック証券「FXネオ」のスマホアプリに搭載されているスピード注文の設定画面

・よく使う画面に遷移しやすい

 スマホアプリの使いやすさを見極めるもう1つのポイントとして、羊飼いさんは「よく使う画面へ遷移しやすいこと」を挙げた。どこからどこへ遷移しやすいことが重要なのだろうか。

 「『スピード注文』を中心に、『チャート』、『マーケット情報』、それから口座全体の取引余力（※）や評価損益などを確認する『口座状況』はFXトレーダーがよく見る画面。こういう重要な画面に、できればワンタップで遷移できるスマホアプリが理想です」

（※「取引余力」とは、FX口座に預けてある資金のうち、保有中または注文中のポジションに使用される証拠金として拘束されておらず、新たな取引に利用できる金額のこと）

 遷移のしやすさという点で羊飼いさんが注目するのが、スマホアプリの下部に数個並ぶメニューだ。各口座で似たようなメニューが並んでいるが、並ぶ順番や内容が異なる部分もある。

※GMOクリック証券「FXネオ」（左上）、トレイダーズ証券「みんなのFX」（中央上）「LIGHT FX」（右上）、外為どっとコム「外貨ネクストネオ」（左下）、GMO外貨「外貨ex」（中央下）、SBI FXトレード（右下）のスマホアプリ

 ここでは、羊飼いさんも日々のトレードで利用しているというGMOクリック証券「FXネオ」とトレイダーズ証券「みんなのFX」のスマホアプリを例に、「スピード注文」から「マーケット情報」や「チャート」、「口座状況」へ遷移する方法を紹介しよう。

 まずは、GMOクリック証券「FXネオ」から。下部のメニューでは、スピード注文の右側に「マーケット」と「チャート」が並んでいる。「マーケット」では、タブを切り替えることで経済指標の発表時刻などが記載された「カレンダー」のほか「ニュース」や「ミニレート」、「CFDレート」も閲覧することが可能だ。

 「口座状況」は「ホーム」から確認することができる（※）。いずれもワンタップでメニューを切り替えられるので、使い勝手が良い。
（※より詳しい口座状況は、「ホーム」の「余力確認」から確認することができる）

※GMOクリック証券「FXネオ」のスマホアプリ

 続いて、トレイダーズ証券「みんなのFX」を見てみよう。下部のメニューでは、スピード注文の左側に「チャート」、「ポジション」を挟んで、右側に「マーケット」が並んでいる。「マーケット」では、タブを切り替えることで経済指標の発表時刻などが記載された「経済指標」のほか、「ニュース」、主要通貨の強弱をグラフ化した「通貨強弱」、「みんなのFX」で取引しているユーザーの売り・買いのポジション⽐率や注文状況などがわかる「ポジションブック」、「オーダーブック」も閲覧することが可能だ。
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 「口座状況」は右端の「メニュー」から確認することができる（※）。こちらも、ワンタップでメニューを切り替えられるのがうれしい。
（※より詳しい「口座状況」は、「メニュー」の「口座紹介」から確認することができる）

※トレイダーズ証券「みんなのFX」のスマホアプリ

 羊飼いさんは、GMOクリック証券「FXネオ」とトレイダーズ証券「みんなのFX」、「どちらのスマホアプリも重要なメニューへ遷移しやすく、使いやすい」と評価するが、実際に確認してみると少ない手数で目的の画面を開くことができるのがわかる。見た目のデザインもシンプルで使いやすい。

 ただ、他のFX口座のスマホアプリにも同じくらい少ない手数で重要なメニューへ遷移でき、デザインも優れたものがあるので、どのスマホアプリがもっとも使いやすいと感じるかは、最終的に一人一人の好みの問題かも。羊飼いさんの評価も参考に、自分に合うスマホアプリを見つけてほしい。
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 ちなみに、トレイダーズ証券では「みんなのFX」のほかに別ブランドの「LIGHT FX」が提供されている。

 スマホアプリをはじめ、取引ツールなどの面でも「みんなのFX」とほぼ同じ環境が用意されているので、通貨ペアや取引スタイルによって使うFX口座を分けたいなら、トレイダーズ証券で2つの口座を開設して目的に応じて使い分けるのもありだ。

1000通貨未満の「少額取引」ができるFX口座がおすすめ

 次に羊飼いさんが、FX初心者が口座を選ぶうえで注目すべきポイントとして挙げたのは、「少額から取引をスタート」できるかどうかだ。

・メンタル面の負担を考えて少額からスタート

 「メンタル面の負担を考えれば、初心者は1000通貨未満のごく少額から取引できるFX口座を選ぶのがおすすめです。取引量が大きくなると比例して損益も大きくなるので、利食いや損切りを焦ってしまい、取引がうまくいかない可能性があります」

 「利食い」は利益（含み益）が出ているポジションを決済して利益を確定させること、「損切り」は損失（含み損）が出ているポジションを決済して損失を確定させることだ。

 利益を大きく伸ばし、損失を小さく抑えるためには、相場状況を見極めてできるだけ自分に有利なタイミングで利食いや損切りを行う必要がある。ところが、メンタル面で余裕のない状態で取引していると、冷静な判断ができず、そのタイミングを見誤ってしまうリスクがあるというのだ。

 羊飼いさんは、FX取引において「メンタルコントロールはとても重要」で、それがうまくいかずに損失を重ね、最終的に退場に追い込まれてしまうトレーダーも多いと警告する。

 「たとえば、1000通貨で取引する場合と1万通貨で取引する場合を比べても、取引の結果は違ってくるはずです。必ずとは言いませんが、たいていの場合はメンタル面で余裕を持てる1000通貨で取引したときのほうが良い成績を残せるのではないでしょうか」

 「米ドル/円」を例に、1000通貨で取引した場合と1万通貨で取引した場合の心理的な負担をイメージしてみよう。

 多くの人が、取引金額が小さく値動きに伴う損益も小さい1000通貨で取引するほうが、冷静に相場を見ていられるのではないだろうか。まずはメンタル面で余裕を持てる少額から取引を始めたい。

・デモではなく本番口座で！ レバレッジはあまりかけない

 羊飼いさんがFX初心者に少額取引をすすめる理由は、ほかにもある。

 「FXでは、初心者のうちからポジションを持つことが大切です。実際にやってみると、ポジションを持っているときと持っていないときとでは相場の見え方がまったく違うということがわかると思います。それを体験するためにも、まずはメンタル面で負担が少ない1000通貨未満の少額から取引を始めることです」

 FX口座の多くは、仮想資金で取引できるデモ口座も提供しているので、慣れるまでそちらで取引するという方法もありそうだが？

 「取引の感覚を掴むためには、デモ口座よりも本番口座でやってみるほうが良いと思います」

 デモ口座は取引ツールやスマホアプリの操作方法などを確認するのには最適だが、勝っても負けてもバーチャルな体験だ。取引の感覚を掴むという点においては、少額であっても実戦に勝る修行はないのかもしれない。

 また、羊飼いさんは「特に初心者のうちは、できるだけレバレッジをかけずに取引することが大切」という。

 「レバレッジ」とは「テコの原理」のことで、小さな力で大きな物を動かすしくみを指す。FXでは、このレバレッジのしくみが取り入れられており、口座に預け入れた資金の最大25倍（通貨ペアなどによって異なる場合もある）の金額を取引することが可能だ。

 単純に考えると4万円を預け入れることで、最大100万円の取引ができる計算になる。
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⇒FXとは？FX初心者のための基礎知識入門：FXのレバレッジとは？

 資金効率の良さはFXの魅力だが、口座資金に対するレバレッジの倍率を高めて取引量を増やすと、そのぶん損益も大きくなり、投機的な取引になりやすい。慣れない初心者のうちからそのような取引をすれば、開始早々に大けがをする可能性もある。

 羊飼いさんが言うようにレバレッジを抑えて取引するなら、口座に預け入れる資金にも余裕を持たせる必要があるので、用意する資金量を考えても、やはりまずは1000通貨未満の少額から取引を始めるほうが賢明だ。

 「最近のFXの最小取引単位は1000通貨が主流なので、多くのFX口座で1000通貨から取引できます。中にはSBI FXトレードや松井証券のように1通貨から取引できる口座もあるので、より少額で取引を始めたいなら、最小取引単位が1000通貨未満のFX口座も選択肢に入れてください」

 1通貨の取引で必要な証拠金は「米ドル/円」の場合、わずか6円ほどだ（1米ドル＝140円の場合）。SBI FXトレードと松井証券にデモ口座はないが、1通貨から取引できるなら本番口座でも怖がらずに始めることができる。
【※「FXを少額から始められるFX口座」の情報はこちら！】
⇒FXを少額から始められる初心者におすすめの口座を紹介！ 最低取引単位が「1通貨」で、100円で自動売買ができるFX口座も！

 ちなみにSBI FXトレードは、ザイFX！読者が選んだ「FXおすすめ口座人気ランキング」で総合2位にランクインする人気のFX口座だ。取引ツールやスマホアプリもシンプルで使いやすく、「初心者におすすめの口座」部門でも同じく2位ランクインしている。
【※SBI FXトレードが総合2位にランクイン！】
⇒【毎月更新】ザイFX！読者が選んだ「FXおすすめ口座人気ランキング」

どんなトレーダーにも「スプレッド」の狭いFX口座がおすすめ

 次に羊飼いさんが、FX初心者が口座を選ぶうえで注目すべきポイントとして挙げたのは、「スプレッド」だ。

・「スプレッド」とは？ なぜ狭いほうが良いのか

 「『スプレッド』の狭いFX口座を選ぶのは、初心者に限らずどんなFXトレーダーにとっても基本」と羊飼いさんは指摘するが、そもそも「スプレッド」とは何だろうか。

 FXでは、「2Wayプライス」という為替レートの表示方式が採用されており、BID（ビッド＝売値・売るときの価格）とASK（アスク＝買値・買うときの価格）と呼ばれる2つの数字が表示される。この売値と買値の差が「スプレッド」だ。

 一般的なFX口座のスプレッドは、売値よりも買値のほうが高く設定されているため、ポジションを建てた瞬間は必ずスプレッド分の含み損を抱えることになる。為替レートがスプレッド分の値幅を超えて利益が出る方向へ変動することで、初めて含み益となるのだ。たとえば、0.2銭のスプレッドで「米ドル/円」を買った場合は、スプレッド分の0.2銭を超えて0.3銭以上、為替レートが上昇しないと含み益にならない。

 FX取引では一部の特殊な注文や機能を利用する場合を除き、取引手数料は無料なので、この「スプレッド」が実質的な取引コストとなる。当然スプレッドは狭いほうが良い。スキャルピングを得意とする羊飼いさんのように、取引回数が増える短期トレーダーには特にFX口座を選ぶうえで重要な比較ポイントだ。

・FX初心者はどんな通貨ペアのスプレッドに注目すべきか

 では、FX初心者はどんな「通貨ペア」のスプレッドに注目すべきだろうか。

 FXではさまざまな通貨ペアを取引することができる。取り扱い通貨ペア数はFX口座によって異なるが、メジャーなものからマイナーなものまでおおよそ20～50程度の通貨ペアを取り扱っているFX口座が多い。
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⇒FXの通貨ペア数・取引量ランキングを紹介！ 初心者におすすめの通貨ペアは？

 「FX初心者が初めて取引するなら、まずは日本円が絡んだ『米ドル/円』、『ユーロ/円』、『豪ドル/円』、それから世界的にもっとも取引量が多い『ユーロ/米ドル』が良いでしょう。メジャーな通貨ペアのスプレッドに注目してください」

 日本円が絡んだ通貨ペアといえば、「英ポンド/円」もFXで人気が高い通貨ペアだが、羊飼いさんは「英ポンド/円は値動きが激しい通貨ペアなので、FX初心者にはあまりおすすめできない」という。

 実際、「英ポンド」はFXトレーダーの間で「殺人通貨」や「じゃじゃ馬通貨」などと呼ばれる。値動きが激しく、取引のタイミングを計るのも難しい通貨なので、FX初心者は「英ポンド」が絡んだ通貨ペアの取引を控えたほうが良さそうだ。

 ここでは参考として、日本国内でもっとも人気が高く、羊飼いさんも初めて取引する初心者向きの通貨ペアとして挙げていた「米ドル/円」のスプレッド比較・ランキングを紹介する。

 「米ドル/円」の場合は、ボリュームゾーンの0.2銭を基準に各FX口座のスプレッドを比較するのがおすすめだ。羊飼いさんが利用しているという、GMOクリック証券「FXネオ」とトレイダーズ証券「みんなのFX」も、通常時は0.2銭原則固定で提供されている。

・【最新版】「米ドル/円」のスプレッド比較・ランキング

2025年6月26日 更新

※スプレッドは1万通貨の取引を行ったときのもので、それ以外の取引量の場合は水準が異なることがあります
※スワップポイントは1万通貨の買いポジションに付与された、「前月」の1日あたりの平均金額です（マイナスは支払い）。タイミングによっては対象期間として「前々月」のデータを参照している場合があります
※取引手数料は無料でも注文方法などによってはスプレッド以外に何らかの手数料がかかる口座もあります
※表中の「-」は公式サイトなどでスプレッドやスワップポイントが公開されていない口座です。取引ツールや会員ページにて確認してください
※その他の注意事項はこちら

 ちなみに、当サイトでは特にトレーダーに人気が高い10通貨ペアのスプレッドの最新ランキングを公開している。興味がある通貨ペアのスプレッドランキングを知りたいなら、通貨ペア別のランキングページも参考にしてほしい。
【※人気通貨ペアのスプレッドが狭いFX口座は？】
⇒FXの「スプレッド」を比較！ 取引コストが安い、おすすめのFX口座を紹介！ 約40の口座を対象に、特に人気が高い10通貨ペアを調査

・「約定力」の高いFX口座を選びたい

 「スプレッド」と比べて客観的に評価しづらいものの、羊飼いさんが「FX口座を選ぶうえで、スプレッドとともに本当はとても重要なポイント」と教えてくれたのが「約定力」だ。

 「約定力」とは、希望した為替レートで注文を成立させる力のこと。約定力が低いと注文が成立しなかったり（約定拒否）、実際に注文が成立した為替レートが注文したときの為替レートから離れていたり（スリッページ）と（※）、FXトレーダーにとってさまざまな不利益が生じる。羊飼いさんも、いくらスプレッドが狭くても「狙った価格で注文が成立しないと困るので、約定力の低いFX口座は利用しづらい」という。

（※あらかじめ許容スリッページを指定している場合は除く）

 できるだけ約定力の高いFX口座で取引するほうが良いのだが、それを判断するのが難しい。

 「たとえば、同じようにスピ―ド注文を使って注文しても、FX口座によっては注文が処理中であることを示すグルグル画面が表示されて、なかなか成立しない、成立したと思ったら注文した為替レートからかなりずれていた、ということが起こる場合があります。できるだけそういうことが起こらないFX口座を選びたいですが、そういうことが起こるか起こらないかは、その口座で取引してみないとわかりません」

 一部には、意図したタイミングで注文がどれくらい成立したかを示す「約定率」などを公式サイトで公開しているFX口座もあるが、羊飼いさんは、「もっとトレーダー目線の情報を知りたいなら、FXトレーダー同士のコミュニティで得るのが良い」という。

 「Xやオフ会などFXトレーダー同士の交流から情報を得ることが大切です。『あの口座は、相場状況を問わず注文が通りやすいからスキャルピングに使いやすい』とか『あの口座は、ときどき注文が成立しないことがあるから気を付けたほうがいい』というように、実体験に基づく情報を得られます」

 とはいえ、いきなりオフ会などに出向くのはハードルが高いと感じる人も少なくないだろう。

 「まずは、XなどのSNSでFX界隈の有名なトレーダーのアカウントをフォローし、情報に触れるところから始めるのが現実的かもしれません。気になるトレーダーがいたらチェックしてみてください」

 そういう羊飼いさんも、Xのフォロワー数が25万を超える有名トレーダーの一人。羊飼いさんのXアカウントは「羊飼いFX (@hitsuzikai)」なので、まだフォローしていない人は、ぜひフォローしてみて。

 ちなみに、羊飼いさんも利用しているというGMOクリック証券「FXネオ」やトレイダーズ証券「みんなのFX」の約定力はどうだろう。

 羊飼いさんの体感としては、どちらもあまり「注文が処理中であることを示すグルグル画面が表示されて、なかなか成立しない」あるいは「成立したと思ったら注文した為替レートからかなりずれていた」ということは起こらないそうだ。特に、「GMOクリック証券『FXネオ』は、狙った価格でしっかり約定する印象を持っています」とのこと。

 約定力は、取引量や相場状況、利用するデバイスや場所の通信環境などに影響を受ける面もありそうなので評価が難しいが、羊飼いさんのコメントはFXトレーダーのリアルな声として、ぜひFX口座選びに役立ててほしい。

「スワップポイント」は安定して高いFX口座がおすすめ

 FXでは保有するポジションに決済期限がないので、数日や数週間、場合によっては数カ月や数年単位といった長期で取引することもできる。このように比較的、長い期間ポジションを保有する場合は、どのような点に注目してFX口座を選べば良いのだろうか。

 ポイントとなるのは、「スワップポイント」だ。

・「スワップポイント」とは？ 高金利通貨に潜むリスクに注意

 FXでは、通貨ペアのうち金利の高い通貨を買い、金利の低い通貨を売る取引をすると、原則として翌営業日にポジションを持ち越すたびに「スワップポイント」を受け取ることができる（※）。

（※金利の高い通貨を売り、金利の低い通貨を買う取引をすると、翌営業日にポジションを持ち越すたびに「スワップポイント」を支払うことになる）

 「スワップポイント」は、ポジションを保有している限り発生し続けるので、FX初心者の中にも長くポジションを保有して、できるだけたくさんのスワップポイントを受け取りたいと考えている人もいるだろう。

 短期トレードのスキャルピングを得意とする羊飼いさんだが、安定して上昇トレンドが期待できるときなどは、スワップポイントを狙って、数週間、数カ月といった単位でポジションを保有することもあるそうだ。

 「『スワップポイント』を狙って取引するなら、安定して高いスワップポイントを受け取れるFX口座を選ぶのが基本です」

 ただし、マイナー通貨でありながら高金利通貨として高い人気を誇る「トルコリラ/円」や「メキシコペソ/円」などを取引する場合は注意が必要だという。

 「マイナー通貨には相応のリスクがあります。情報が少ないし、いきなり暴落に見舞われることもある。『トルコリラ/円』に関しては、長期にわたって下落トレンドが続いているので特に注意が必要です」

 それでも取引したいなら、どんな点に注意すれば良いのだろうか。

 「ポジションを保有している間に為替レートが下がって含み損が膨らんだとしても、スワップポイントで相殺して利益を残せるかどうか、きっちりシミュレーションしてから取り組むほうがいいでしょう」

 FXでは「米ドル」や「ユーロ」、「日本円」のように外国為替市場での取引量が多い通貨をメジャー通貨、反対に「トルコリラ」や「メキシコペソ」のように取引量が少ない通貨をマイナー通貨という。羊飼いさんが指摘するように、マイナー通貨は値動きの変動要因となる情報を取得しにくいうえに、取引量が少ないことから、ちょっとしたきっかけで想定外の荒っぽい値動きに見舞われることがある。経済規模が小さく、政情不安が続く国の通貨であることも多いので、取引する際は注意が必要だ。

 そして羊飼いさんは、スワップポイントを狙った取引においても、今は「米ドル/円」のようなメジャーな通貨ペアにも魅力があると指摘する。

 「たとえば、『米ドル/円』で1万通貨あたり160円前後のスワップポイントがつくとします。1年間保有し続けたとしたら、それだけで6万円弱のスワップポイントを受け取ることができる。つまり、だいたい6円分の為替レートの変動を飲み込めるだけの利益を残せるということです。十分、魅力的じゃないですか？」

 スワップポイントは金利情勢に加え、円評価の際に適用される為替レートによっても変動するので、常に同じ金額が付与されるわけではない。しかし、日米に一定の金利差がある状況が続くと予測できるなら、あえてリスクをとってマイナー通貨を取引せずとも、比較的値動きが安定している「米ドル/円」を取引することで十分、魅力的なスワップポイントを受け取ることができるというわけだ。
【※各国の政策金利はこちら！】
⇒米国や日本など主要各国の政策金利の推移をグラフでチェック！

 「FXは外貨預金と比べて手数料も安いし、いざとなれば夜中でも決済できる。メリットはたくさんあるので、スワップポイントを狙って比較的長い期間ポジションを保有するなら、基本的にレバレッジはかけず、外貨預金の代わりのようなイメージで取り組んでみるのも良いでしょう」

 高金利通貨と呼ばれるマイナー通貨のスワップポイントは高くて魅力的だが、そこにばかり注目していると、急落などによって思わぬ損失を被ることがある。各国の金利情勢や為替動向をチェックし、今はどの通貨ペアに投資するのか賢明か、しっかり考えながらポジションを構築しよう。

 ここではマイナー通貨の中で特に高金利通貨として人気が高い「トルコリラ/円」、「メキシコペソ/円」のスワップポイント比較・ランキングと、メジャー通貨の代表例として「米ドル/円」のスワップポイント比較・ランキングを掲載する。前月を対象に、1万通貨の買いポジションに付与された1日あたりの平均金額を一覧表にまとめているので、安定して高いスワップポイントを提供しているFX口座はどこか、チェックしてほしい。

（※現在の対象期間：2025年5月）

・【最新版】「トルコリラ/円」のスワップポイント比較・ランキング

2025年6月26日 更新

※スプレッドは1万通貨の取引を行ったときのもので、それ以外の取引量の場合は水準が異なることがあります
※スワップポイントは1万通貨の買いポジションに付与された、「前月」の1日あたりの平均金額です（マイナスは支払い）。タイミングによっては対象期間として「前々月」のデータを参照している場合があります
※取引手数料は無料でも注文方法などによってはスプレッド以外に何らかの手数料がかかる口座もあります
※表中の「-」は公式サイトなどでスプレッドやスワップポイントが公開されていない口座です。取引ツールや会員ページにて確認してください
※その他の注意事項はこちら

・【最新版】「メキシコペソ/円」のスワップポイント比較・ランキング

2025年6月26日 更新

※スプレッドは1万通貨の取引を行ったときのもので、それ以外の取引量の場合は水準が異なることがあります
※スワップポイントは1万通貨の買いポジションに付与された、「前月」の1日あたりの平均金額です（マイナスは支払い）。タイミングによっては対象期間として「前々月」のデータを参照している場合があります
※取引手数料は無料でも注文方法などによってはスプレッド以外に何らかの手数料がかかる口座もあります
※表中の「-」は公式サイトなどでスプレッドやスワップポイントが公開されていない口座です。取引ツールや会員ページにて確認してください
※その他の注意事項はこちら

・【最新版】「米ドル/円」のスワップポイント比較・ランキング

2025年6月26日 更新

※スプレッドは1万通貨の取引を行ったときのもので、それ以外の取引量の場合は水準が異なることがあります
※スワップポイントは1万通貨の買いポジションに付与された、「前月」の1日あたりの平均金額です（マイナスは支払い）。タイミングによっては対象期間として「前々月」のデータを参照している場合があります
※取引手数料は無料でも注文方法などによってはスプレッド以外に何らかの手数料がかかる口座もあります
※表中の「-」は公式サイトなどでスプレッドやスワップポイントが公開されていない口座です。取引ツールや会員ページにて確認してください
※その他の注意事項はこちら

 ちなみに、当サイトでは特にトレーダーに人気が高い9通貨ペアのスワップポイントの最新ランキングを公開している。興味がある通貨ペアのスワップポイントランキングを知りたいなら、通貨ペア別のランキングページも参考にしてほしい。
【※人気通貨ペアのスワップポイントが高いFX口座は？】
⇒FXの「スワップポイント」を比較！ スワップポイントが高い、おすすめのFX口座を紹介！ 約40口座を対象に、高金利通貨を含む9通貨ペアを調査

・一歩進んだFXトレーダーは「支払うスワップポイント」にも注目

 さらに羊飼いさんは、初心者から一歩進んだFXトレーダーは、金利の高い通貨を売り、金利の低い通貨を買う方向のポジションを持ち越した際に発生する「支払うスワップポイントの金額にも注目すべき」という。

 FＸでは、原則として翌営業日にポジションを持ち越すたびに1日分のスワップポイントが発生するのだが、受渡日の関係で水曜日から木曜日にポジションを持ち越した場合は3日分のスワップポイントが発生するしくみになっている。詳細は以下の記事を参考にしてほしい。
【※おすすめの関連記事はこちら！】
⇒FXとは？FX初心者のための基礎知識入門：スワップポイントはいつもらえる？

 水曜日から木曜日にポジションを持ち越すと、それだけで通常の3倍のスワップポイントが発生するので、受け取る場合はお得感があるが、支払う場合はコストが増えるので注意が必要だ。

 「ある時、水曜日に『米ドル/円』の売りポジションを200万通貨持ち越したら、それだけでスワップポイントの支払いが9万円超になるということがありました。取引量が増えると支払うスワップポイントのコストも馬鹿にならないので、ポジションを持ち越したときのために、受け取るスワップポイントと支払うスワップポイントを同値で提供しているFX口座を持っておくのも手だと思います」

 一般的にスワップポイントは、受け取るスワップポイントよりも支払うスワップポイントのほうが高く設定されている。しかし、中には受け取るスワップポイントと支払うスワップポイントの差額を0円にしているFX口座が存在するのだ。実行するかどうかは慎重に判断すべきだが、そういうFX口座を活用すれば、戦略的に両建て（※）を行い、ポジションを持ち越した際のスワップポイントの支払いと受け取りを相殺することもできる。

（※「両建て」とは、同じ通貨ペアの買いポジションと売りポジションを同時に保有すること。買いか売りの片方しかポジションを保有しない通常の取引と比べてスプレッドコストが2倍になるなどの理由から、経済的合理性を欠くとして通常FXでは推奨されていない）

 たとえば、羊飼いさんが日々のトレードで利用しているというGMOクリック証券「FXネオ」も、スワップポイントの差額が0円のFX口座の1つ。売りと買いのスワップポイントを同じ値段で提供することを公式サイト上で宣言している。実績値を確認すると、GMOクリック証券「FXネオ」は差額が0円というだけでなく、相対的に受け取るスワップポイントの金額が高く、競合各社と比較しても、おおむね魅力的なスワップポイントが提供されている点も見逃せない。
【※人気通貨ペアのスワップポイントが高いFX口座は？】
⇒FXの「スワップポイント」を比較！ スワップポイントが高い、おすすめのFX口座を紹介！ 約40口座を対象に、高金利通貨を含む9通貨ペアを調査

 スワップポイントを支払う方向にポジションを保有する可能性があるなら、受け取るスワップポイントだけでなく、支払うスワップポイントにも注目し、GMOクリック証券「FXネオ」のように、スワップポイントの差額が0円のFX口座を保有しておくことも考えたい（※）。

（※通貨ペアや相場の状況によってはスワップポイントが同値ではなく、差額が発生することもある。最新の情報は公式サイトで確認してください）

「チャート」は機能よりも使いやすさを重視して

 次に羊飼いさんが、FX初心者が口座を選ぶうえで注目すべきポイントとして挙げたのは、相場分析に欠かせない「チャート」だ。

 当記事内の「スマホアプリの使いやすいFX口座がおすすめ」でも「FXトレーダーがもっともよく見る画面」として紹介したチャートだが、FX初心者はどんなチャートを提供しているFX口座を選べば良いのだろうか。

 「チャートはFX口座によって特徴があり、使用感も異なります。使いやすい、使いにくいと感じるポイントもトレーダーによって異なるので、一概にここが良い、あそこが悪いと評価するのが難しい。どの口座のチャートが使いやすいかは、実際に使ってみて自分で判断するしかありません」

 FX口座は無料で開設できるので、複数の口座を開設してスマホアプリやPC版取引ツールから実際にチャートを使ってみるのもいいだろう。おおよその使い心地だけなら、デモ口座で確認するのもおすすめだ。

※GMOクリック証券「FXネオ」の「プラチナチャート」

 「どのFX口座のチャートにも初心者が利用する一般的なテクニカル指標や描画ツールは搭載されているので、実際に使ってみて自分好みのチャートを見つけてください」

 ちなみに、羊飼いさんは普段の取引で複雑なテクニカル指標などは使わず、できるだけシンプルなチャートを好むそうだ。

 「高機能であるとか、珍しいテクニカル指標が搭載されているといった点も、それを利用する人にとっては重要ですが、自分の好みや取引スタイルなどに合っているかどうかは別です」

 最近、トレイダーズ証券「みんなのFX」や「LIGHT FX」、外為どっとコム「外貨ネクストネオ」、セントラル短資ＦＸなど、世界的に人気が高いチャート分析ツール、TradingView（トレーディングビュー）を導入するFX口座も増えているが、これについてはどうだろう。
【※おすすめの関連記事はこちら！】
⇒トレーディングビューの有料機能が無料で使える、おすすめのFX会社を公開！大人気のチャート分析ツールを賢く使える裏ワザを紹介

 「トレーディングビューも機能的には優れたツールだと思いますが、それよりも大事なことは、やはり自分が使いやすいと感じるかどうかです」

※トレイダーズ証券「みんなのFX」のスマホアプリ

 表示画面が限られるスマホアプリでは、特にストレスなく使えるチャートを選ぶことが重要だろう。テクニカル指標の見やすさやラインの引きやすさなど、実際にチャートを触ってみなければわからないことも多いので、羊飼いさんのアドバイスどおり、まずは気になるFX口座のチャートを実際に使って比べてみるのがおすすめだ。

「マーケット情報」を見るために口座開設するのもOK

 次に羊飼いさんが、FX初心者が口座を選ぶうえで注目すべきポイントとして挙げたのは、「マーケット情報」だ。

 各FX口座で閲覧できるマーケット情報は、FXトレーダーの大切な情報源。「ニュース」や「経済指標カレンダー」を基本として、「レポート」や「注文（オーダー）情報／ポジション情報」などを提供していることもあり、FX口座によってコンテンツに特色がある。FX初心者におすすめのマーケット情報を提供しているFX口座は、どんな口座だろうか。

 「『マーケット情報』もチャートと同じく好みが分かれるところです。たとえば『ニュース』は提供元のベンダーがいくつかあるので、実際に読んでみて読みやすいと感じるものを利用するのが良いでしょう」

 FX口座で閲覧できる「ニュース」のベンダーとしては、おもに以下の数社が挙げられる。FX口座によって採用しているベンダーが異なるので、読みやすいものを探したい。
【※「ニュース」を比較するならこちら！】
⇒約40のFX口座で閲覧できる為替・FXニュースを比べる！

 「中には、相場見通しを解説した『レポート』を会員限定で公開しているFX口座もあるので、すぐに取引するつもりがないFX口座でも、見たいマーケット情報があるなら、それを目的にあらかじめ口座開設しておくのもありだと思います」

 FX口座の中には外為どっとコム総研を擁する外為どっとコムのように、独自の「ニュース」や「レポート」を提供しているところや、ヒロセ通商「LION FX」やJFX「MATRIX TRADER」のように「ロイター経済指標速報」を会員限定で提供しているところもある（同情報の閲覧は、外為どっとコムでも可能）。
【※おすすめの関連記事はこちら！】
⇒経済指標の速報を、ほぼリアルタイムで知る方法！FX口座を開設すれば、誰でも無料で利用できるのが魅力！「ロイター経済指標速報」を実際に使ってみた！

※ヒロセ通商「LION FX」のスマホアプリ。コンテンツはJFX「MATRIX TRADER」や外為どっとコム「外貨ネクストネオ」でも利用可能（外為どっとコムでは利用条件あり）

 また、トレイダーズ証券「みんなのFX」や「LIGHT FX」、GMO外貨「外貨ex」などが提供しているユーザーの「注文（オーダー）情報／ポジション情報」も興味深い。
【※おすすめの関連記事はこちら！】
⇒FXのオーダーブック、注文やポジションの「売買比率」を無料で情報公開している、おすすめのFX口座を紹介！今後の相場展開を予想する手がかりとして、役立つ情報に

※トレイダーズ証券「みんなのFX」やGMO外貨「外貨ex」のスマホアプリ

 トレイダーズ証券「みんなのFX」や「LIGHT FX」では、主要な通貨同士の強弱を可視化した「通貨強弱」も利用できる。

※トレイダーズ証券「みんなのFX」のスマホアプリ。コンテンツは「LIGHT FX」でも利用可能

 自分にとって読みやすい、役に立つ情報を見極めるうえでも、FX初心者のうちにさまざまなFX口座のマーケット情報をチェックしておくのはおすすめだ。

 情報によっては、閲覧するのに取引条件などが設定されている場合もあるが、多くのマーケット情報は口座を保有していれば誰でも閲覧することができる。興味がある情報コンテンツがあれば、さっそく口座開設してチェックしてみよう！

FXトレーダーへの10の質問！（羊飼いさん）

 ここでは、冒頭のプロフィール欄だけでは紹介しきれない、FXトレーダー・羊飼いさんの実像に迫る10の質問とその回答を紹介する。これを読めば、羊飼いさんが収益を上げながら長くFXを続けてこられた理由がわかるかも…？

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Q1：FXをはじめたのはいつ頃ですか？

Q2：FXをはじめたきっかけを教えてください

Q3：FXの魅力はどんなところだと思いますか？

Q4：FXの怖いところはどんなところだと思いますか？

Q5：初心者の頃、どうやってFXの基本や相場、トレードに関する知識を身に着けましたか？ 今の初心者におすすめの勉強法があれば教えてください

Q6：ご自身の得意な取引スタイルを教えてください

Q7：過去のFXトレードで印象に残っているものを1つ教えてください

Q8：大きく勝ったり負けたりしたときに、メンタルをコントロールするコツはありますか？

Q9：FX以外にも取引する金融商品はありますか？

Q10：これからFXをはじめる初心者に“ひとこと”

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 初心者がFX口座を選ぶときは、羊飼いさんが独自の基準で初心者にやさしいFX口座を厳選した、以下の「羊飼いが選んだ初心者にやさしいFX口座」も参考に！

・【最新版】羊飼いが選んだ初心者にやさしいFX口座

2025年6月26日 更新

※「羊飼いが選んだ初心者にやさしいFX口座」には、羊飼いさんがスマホアプリの使いやすさやスプレッドの狭さ、最低取引単位の小ささなどを調査し、初心者におすすめできると判断したFX口座を掲載しています
※スプレッドは1万通貨の取引を行ったときのもので、それ以外の取引量の場合は水準が異なることがあります
※スワップポイントは1万通貨の買いポジションに付与された、「前月」の1日あたりの平均金額です（マイナスは支払い）。タイミングによっては対象期間として「前々月」のデータを参照している場合があります
※取引手数料は無料でも注文方法などによってはスプレッド以外に何らかの手数料がかかる口座もあります
※表中の「-」は公式サイトなどでスプレッドやスワップポイントが公開されていない口座です。取引ツールや会員ページにて確認してください
※その他の注意事項はこちら

（取材・文／ザイFX！編集部・向井友代）

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※スプレッドは通常時の数値（基準値）、または2週間以上に渡るキャンペーンの数値を掲載しています。すべてのスプレッドの数値には例外があり、相場の急変時や流動性の低下時などは、スプレッドが拡大することがあります ※スワップポイントの金額は、各FX会社のスワップポイントカレンダーなどに掲載された情報をもとに、対象期間中に付与された合計金額をその期間中の付与日数の合計で割り、小数点以下第3位を四捨五入して算出しています ※FX口座によっては、スワップポイントカレンダーに掲載されている金額と実際に口座へ反映される金額が異なる場合があります ※FX会社のスワップポイントカレンダーに掲載された実績値は、訂正・修正される場合があります ※本ページの調査対象は、すべて個人口座です ※紹介しているサービス内容は当社が独自に調査したもので、原則として各FX会社の公式サイトの表記に順ずるよう記載しています ※通貨ペアについては、同じ通貨ペアでも1回あたりの注文数量上限などの諸条件によって名称を区別しているFX会社がありますが、同じ通貨ペアを対象としている場合、本ページでは原則1通貨ペアとしてカウントしています ※FX口座によっては、一部の取り扱い通貨ペアについて、取引量や保有ポジション量、取引時間などに、その他の取り扱い通貨ペアとは異なる特別なルールが設けられている場合があります ※正確な情報を提供するよう努めていますが、詳細は各FX会社の公式サイトや各FX会社の問い合わせ窓口などからご確認いただき、最終的な判断はご自身で行っていただきますようお願いいたします

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【2025年6月】ザイFX！読者が選んだおすすめのFX口座はココ！
【第1位】GMOクリック証券「FXネオ」 ⇒詳細ページ
	米ドル/円スプレッド	最低取引単位	通貨ペア数
	0.2銭原則固定 (9-27時)	1000通貨	24ペア
【GMOクリック証券「FXネオ」のおすすめポイント】 機能性の高い取引ツールが、多くのトレーダーから支持されています。特に、スマホアプリの操作性が非常に優れており、スプレッドやスワップポイントなどのスペック面も申し分ないため、あらゆるスタイルのトレーダーにおすすめの口座です。取引環境の良さをFX口座選びで優先するなら、選択肢から外せないFX口座と言えます。
【GMOクリック証券「FXネオ」の関連記事】 ■GMOクリック証券「FXネオ」のメリット・デメリットを解説！ スプレッド、スワップポイントなどの他社との比較、キャンペーン情報や口座開設までの時間、必要書類も紹介！
▼GMOクリック証券「FXネオ」▼
【第2位】SBI FXトレード ⇒詳細ページ
	米ドル/円スプレッド	最低取引単位	通貨ペア数
	0.18銭	1通貨	34ペア
【SBI FXトレードのおすすめポイント】 すべての通貨ペアを「1通貨」単位、一般的なFX口座の1/1000の規模から取引できるのが最大の特徴！ これからFXを始める人、少額取引ができるFX口座を探している方は、絶対にチェックしておきたいFX会社です。スプレッドの狭さにも定評があり、1回の取引で1000万通貨まで注文が出せるので、取引量が増えて稼げるようになってからも長く使い続けられます。
【SBI FXトレードの関連記事】 ■SBI FXトレードのメリット・デメリットを解説！ スプレッド、スワップポイントなどの他社との比較、キャンペーン情報や口座開設までの時間、必要書類も紹介！
▼SBI FXトレード▼
【第3位】外為どっとコム「外貨ネクストネオ」 ⇒詳細ページ
	米ドル/円スプレッド	最低取引単位	通貨ペア数
	0.2銭原則固定 (例外あり)(9-27時)	1000通貨	30ペア
【外為どっとコム「外貨ネクストネオ」のおすすめポイント】 業界最狭水準のスプレッドと豊富な情報で、多くのトレーダーに人気のFX口座です。FX取引が初めての初心者から、スキル向上を目指す中・上級者向けまで、各自のレベルにあわせて受講できる学習コンテンツも魅力です。比較チャートや相場の先行きを予測してくれる機能など、取引をサポートしてくれるツールも充実しています。
【外為どっとコム「外貨ネクストネオ」の関連記事】 ■外為どっとコム「外貨ネクストネオ」のメリット・デメリットを解説！ スプレッド、スワップポイントなどの他社との比較、キャンペーン情報や口座開設までの時間、必要書類も紹介！
▼外為どっとコム「外貨ネクストネオ」▼
【第4位】ヒロセ通商「LION FX」 ⇒詳細ページ
	米ドル/円スプレッド	最低取引単位	通貨ペア数
	0.2銭原則固定 (9-27時) ～6/14までのキャンペーン	1000通貨	54ペア
▼ヒロセ通商「LION FX」▼
【第5位】楽天証券「楽天FX」 ⇒詳細ページ
	米ドル/円スプレッド	最低取引単位	通貨ペア数
	0.2銭原則固定 (9-27時)	1000通貨	28ペア
▼楽天証券「楽天FX」▼
【第6位】GMO外貨「外貨ex」 ⇒詳細ページ
	米ドル/円スプレッド	最低取引単位	通貨ペア数
	0.2銭原則固定 (8-27時)	1000通貨	24ペア
▼GMO外貨「外貨ex」▼
【第7位】トレイダーズ証券「みんなのFX」 ⇒詳細ページ
	米ドル/円スプレッド	最低取引単位	通貨ペア数
	0.2銭原則固定 (8-29時)	1000通貨	33ペア
▼トレイダーズ証券「みんなのFX」▼
【第8位】JFX「MATRIX TRADER」 ⇒詳細ページ
	米ドル/円スプレッド	最低取引単位	通貨ペア数
	0.2銭原則固定 (9-27時) ～6/14までのキャンペーン	1000通貨	41ペア
▼JFX「MATRIX TRADER」▼
【第9位】外為オンライン「外為オンラインFX」 ⇒詳細ページ
	米ドル/円スプレッド	最低取引単位	通貨ペア数
	1.0～5.0銭	1000通貨	26ペア
▼外為オンライン「外為オンラインFX」▼
【第10位】マネックス証券「FX PLUS」 ⇒詳細ページ
	米ドル/円スプレッド	最低取引単位	通貨ペア数
	0.2～0.9銭	1000通貨	16ペア
▼マネックス証券「FX PLUS」▼
※この表は2025年6月2日時点のデータに自動で更新されているため、スプレッド、最低取引単位、通貨ペア数は、本記事公開時の情報とは異なっている場合があります。すべてのスプレッドには例外があり、流動性の低いときや相場の急変時にはスプレッドが拡大することがあります。詳しい条件や最新の情報などは、各FX会社の公式サイトなどで必ずご確認ください。

 各FX口座の詳細やおすすめポイントは、以下よりご覧ください。
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