FXにはFX会社が強制的にポジションを決済する仕組みがあるが、
投資家の資産を保護する制度なので、むやみに恐れる必要はない
FXでは、FX口座内の資産がFX会社の定める水準に達したり下回ったりした場合に、投資家の意向にかかわらず、FX会社が強制的にポジションを決済するしくみがあります。
ただし、これはFX投資家の損失が必要以上に膨らまないための処置だったり、取引に必要な証拠金がきちんと預けられているかをチェックする機能だったりするので、気を付けておくべき制度ではありますが、むやみに恐れる必要はありません。
【FX会社による強制的な決済の種類】
・ 「ロスカット」による強制的な決済
・ 「証拠金判定」による強制的な決済
「ロスカット」と「証拠金判定」による2つの強制的な決済は、いずれも証拠金(口座内の総資産)が一定の水準まで低下した場合、あるタイミングでFX会社による強制的なポジションの決済がおこなわれる、という点に違いはありません。
しかし、それぞれ別の制度ですので、判定や強制決済がおこなわれるタイミングなどは異なります。また、ロスカットと証拠金判定に関する規定については、FXの自主規制団体である金融先物取引業協会(以下、金先協会)によって細かく定められていますが、定めらた規定の範囲内であれば、各FX会社が裁量で決めることが可能です。
そのため、同じ「ロスカット」または「証拠金判定」でも、強制的な決済がおこなわれる水準やタイミングが各社で異なっていて、少しわかりにくい面があります。
そこで、この記事では「ロスカット」、「証拠金判定」やそれに付随する「追証」とはどういうものなのかに加え、主要なFX口座の強制決済や証拠金判定のタイミングなどについても、わかりやすく紹介します。
(※本記事で解説する「ロスカット」は、金融先物取引業協会が定めた投資家保護のためのルールの1つとして厳密に定義づけられたもの。もっと広い意味の一般的な言葉として、含み損を抱えたポジションを決済して損失を確定されることも「ロスカット(損切り)」と呼ばれることがあるが、本記事の「ロスカット」はそのような広い意味のものではありません)
■ ロスカットは、FX会社に導入が義務づけらている投資家保護の制度
- 主要FX口座のロスカットが発動する水準を一覧で確認!
■ 証拠金判定とは? ロスカット水準に達していなくても強制決済の可能性
- 「追証」は、投資家に口座状況を改善させるための猶予期間
■ 証拠金判定に関する主要FX会社の対応を3つのパターンに分類して紹介
- ロスカットと証拠金判定がいっしょに運用されているFX口座
- ロスカットとは別に証拠金判定があり、追証もあるFX口座
- ロスカットとは別に証拠金判定があるが、追証はないFX口座
■ ロスカットや証拠金判定に伴う強制決済の注意点を解説!
- 事前にアラートが通知される
- 強制決済に手数料がかかるFX口座もある
- 基本的に保有するすべてのポジションが決済されるが例外もあり
■ 日頃の徹底したリスク管理が資産を守るもっとも有効な手段に
「ロスカット」は、金融先物取引業の登録を受けたすべてのFX会社
に導入が義務づけられている、投資家の資産を守るための制度
まず、「ロスカット」について紹介します。
ロスカットとは、FX口座に預けている資産以上の損失が発生することを可能な限り回避させるための、投資家保護を目的とした制度です。金融先物取引業の登録を受けた、すべてのFX会社に導入が義務づけられています。
ロスカットは、「証拠金の必要証拠金に対する割合」で求められる「証拠金維持率」の水準で判断されます。為替レートの変動などで保有しているポジションの評価損が膨らみ、証拠金維持率がFX各社の定める水準に達するか下回った場合、ポジションが強制的に決済されるしくみです。
証拠金維持率の算出に用いられる「証拠金」は、口座内の総資産のこと。保有しているポジションの含み益や含み損、未決済ポジションに付与されたスワップポイントなどすべてを合算した金額になります。また、「必要証拠金」はポジションを保有するのに必要な資金で、実際の取引規模の4%を下回らない範囲で、各FX会社が任意に金額を設定しています。
たとえば、必要証拠金が5万円のとき、10万円の証拠金でポジションを保有すると、証拠金維持率は200%(10万円÷5万円×100)になります。必要証拠金が5万円のときに、7万円の証拠金でポジションを保有すると、証拠金維持率は140%(7万円÷5万円×100)です。
ロスカットについては、金先協会によって以下のようなルールが定められています。
第3条 会員は、実預託額の監視により、顧客の実預託額が必要証拠金額に会員の定めたロスカット水準を乗じて得られた額を下回った場合には、直ちにロスカット取引の手続を行うものとする。
2 実預託額の監視間隔は、実預託額が取引額に100分の4を乗じて得られた額以下となる場合には、原則として1分以内とするものとする。
3 ロスカット水準は、原則としてロスカット未収金が発生することがないように、対象商品のレバレッジ、実預託額の監視間隔、電子情報処理組織の処理速度並びに市場のボラティリティ及びオープン時のギャップ等を考慮し、レバレッジに10分の6を乗じて得られる値を下回らない範囲で設定するものとする。
※金融先物取引業協会「金融先物取引業務取扱規則第25条の3に関する細則」より
これを見ると、証拠金維持率が100%を下回った場合の実預託額の監視間隔(投資家の証拠金の状況を何秒・何分間隔で監視しているか)は、「原則として1分以内」と定められていますが(レバレッジ25倍の場合)、証拠金維持率がどの水準に達したらロスカットを発動するかは、各FX会社が規定の範囲内で任意に定められることがわかります。
主要FX会社のロスカットが発動する証拠金維持率の水準を一覧で確認!
では、主要なFX口座のロスカットが発動する証拠金維持率の水準はどのレベルなのか? それをまとめたのが以下の表です。
■主要FX口座のロスカットが発動する証拠金維持率の水準 | ||
---|---|---|
FX会社「口座名」 (クリックで詳細ページへ) |
ロスカットが発動する水準 (証拠金維持率) |
公式サイトへ |
トレイダーズ証券 「みんなのFX」 |
100%以下 | |
JFX 「MATRIX TRADER」 |
100%未満となった時点 | |
ヒロセ通商 「LION FX」 |
100%未満となった時点 | |
トレイダーズ証券 「LIGHT FX」 |
100%以下 | |
LINE証券 「LINE FX」 |
100%未満 | |
アイネット証券 「ループイフダン」 |
100%を割ったとき | |
マネーパートナーズ 「パートナーズFX nano」 |
100%以下になっていた場合 | |
外為オンライン (くりっく365) |
100%を下回った時点 | |
マネースクエア 「トラリピFX」 |
100%未満 | |
楽天証券 「楽天MT4」 |
100%以下 | |
岡三証券 「岡三アクティブFX」 |
100%を下回った場合 | |
トレイダーズ証券 「みんなのシストレ」 |
100%以下になった場合 | |
StoneX証券 「MetaTrader4」 |
100%を割り込んだ場合 | |
フィリップ証券 「フィリップMT5」 |
100%以下となった時点 | |
インヴァスト証券 「トライオートFX」 |
100%以下 | |
ひまわり証券 「ループ・イフダン口座」 |
100%を下回ったとき | |
ひまわり証券 「レギュラー口座」 |
100%を下回ったとき | |
FXブロードネット (くりっく365) |
100%を下回った時点 | |
セントラル短資FX 「FXダイレクトプラス」 |
100%未満もしくは50%未満(※1) (ユーザーが選択可能、初期値は50%) |
|
外為どっとコム 「外貨ネクストネオ」 |
100%~50%の間で10%刻みにユーザーが設定し、それを下回った場合 | |
岡三オンライン (くりっく365) |
100%~50%の間で10%刻みにユーザーが設定し、それを下回った時点 | |
マネックス証券 「FX PLUS」 |
100%・70%・60%・50%の中からユーザーが設定し、それ以下になっていた場合 | |
マネーパートナーズ 「パートナーズFX」 |
100%~40%の間で20%刻みにユーザーが設定し、それ以下になっていた場合 | |
外為オンライン 「外為オンラインFX」 |
各コースで以下の水準を下回った場合 【L25R・L25R miniコース】100% 【L25コース、L25 miniコース】20% |
|
アイネット証券 「アイネットFX」 |
各コースで以下の水準を下回った場合 【アイネット25】15% 【アイネット25S】15% 【アイネット25G】100% |
|
FXブロードネット | 各コースで以下の水準を下回った場合 (ライトコース含む) 【ブロード1コース】1% 【ブロード20コース】8% 【ブロード25コース】20% 【ブロード25MCコース】20% 【ブロード25Sコース】100% |
|
楽天証券 「楽天FX」 |
各コースでユーザーが5%刻みで任意設定した以下の水準を下回ったとき 【スタンダード25倍コース】95~50% 【レバレッジ10倍コース】95~40% 【レバレッジ5倍コース】95~20% 【レバレッジ2倍コース】95~20% 【レバレッジ1倍コース】95~20% |
|
松井証券 | 90%~50%の間で10%刻みにユーザーが設定した水準を下回った場合 | |
IG証券 | 75%以下となった時点 | |
auカブコム証券 「auカブコム FX」 |
75%を下回った場合 | |
GMOクリック証券 「FXネオ」 |
50%未満 | |
GMO外貨 「外貨ex」 |
50%を下回った時点 | |
SBI FXトレード | 50%を下回った場合 | |
ゴールデンウェイ・ジャパン 「FXTF MT4」 |
50%以下になった場合 | |
ゴールデンウェイ・ジャパン 「FXTF GX-FX」 |
50%以下になった場合 | |
※本記事公開時点の各社の公式サイトの情報をもとに編集部が作成 ※1:セントラル短資FX「FXダイレクトプラス」…ロスカットレベルを初期値の50%に設定していても、毎営業日の午前6時(米国夏時間適用時は午前5時)から営業日終了までの間に証拠金維持率が100%を割り込んでいることをシステムで検知した場合は強制ロスカットが発動する |
これを見ると、設定できるレバレッジの倍率などにもよりますが、主要FX口座のロスカットが発動するのは証拠金維持率1%~100%までと、さまざまな水準に設定されていることがわかります。
レバレッジが25倍の一般的なFX口座の場合、証拠金と必要証拠金の金額が一致したときに、証拠金維持率が100%となります。なので、たとえば証拠金維持率が50%や20%に達したときにロスカットが発動するFX口座の場合、証拠金の金額が必要証拠金の金額を割り込み、取引規模の2%や0.8%になったらロスカットされるということです。
【例(レバレッジ25倍の場合)】
証拠金10万円で、為替レートが100円のときに1万通貨を買う取引(必要証拠金4万円)をしたが、その後、為替レートが94円を下回り、証拠金が4万円を割り込んだ。さらに、為替レートが下落してロスカット水準に達した
● ロスカット水準例
・ 証拠金維持率50%(取引規模の2%)=証拠金2万円(証拠金に対するレバレッジ=50倍)
・ 証拠金維持率20%(取引規模の0.8%)=証拠金8000円(証拠金に対するレバレッジ=125倍)
※アラートの水準は仮定
実預託額が実際の取引規模の4%を下回った場合、つまり、証拠金維持率が100%を下回っているときの口座の監視間隔は、金先協会の規定で「原則1分以内」と定められています。いずれのFX会社でも証拠金維持率が100%を割り込むと、ほぼリアルタイムでロスカットの監視がおこなわれていると考えて差支えないでしょう。
証拠金判定とは? ロスカット水準に達していなくても、 判定時に
証拠金維持率が100%を下回っていれば強制決済される可能性も!
次に、証拠金判定による「強制決済」について紹介しましょう。これは、単に強制決済や、マージンカットなどと呼ばれることもある制度です。
FXでは取引の際に実際の取引規模の最低4%、証拠金維持率100%に相当する資金が必要になります。そのため、たとえロスカットの水準が証拠金維持率50%や20%のFX口座でも、FX会社側は投資家が新規で取引するときに加え、ポジションを保有している間は営業日ごとに一定のタイミングで、証拠金維持率が100%を上回っているかどうかをチェックしています。
【FX会社の証拠金判定の実施タイミング】
・ 新規取引の際
・ ポジションを保有しているときは営業日ごと
新規注文の際に必要証拠金が不足して(証拠金維持率が100%を下回って)いれば、注文を受け付けてもらえないだけなので大した問題はありません。
しかし、保有しているポジションの含み損の拡大などで、各社が定める証拠金判定時に証拠金維持率が100%を下回る場合は、強制決済される可能性もあるので注意が必要です。
とはいえ、証拠金判定時に証拠金維持率が100%を下回ったからといって、すべてがロスカットのようにただちに強制決済されるわけではありません。どうなるかは、「追証」の制度があるかないかといった、各社の証拠金判定のルールによって異なります。
「追証」は、猶予期間内に証拠金維持率を100%超の
水準まで改善させるよう、投資家に対応を促す制度
「追証(おいしょう)」とは、証拠金維持率が100%を下回ったときに、追加で差し入れなければならない証拠金(追加証拠金)のこと、あるいは追証という制度そのもののことを指します。
証拠金判定時に追証が発生していた場合、追証解消期限と呼ぶ指定の期日までに追加で証拠金を入金する、あるいは一部のポジションを決済し、100%を上回る水準まで証拠金維持率を回復させることができれば、強制決済を免れることができます。
つまり、「追証」とはある程度の猶予期間を設け、口座状況を改善させることを投資家に促す制度です。一般的に、追証が発生している間は新規注文や出金予約なども制限されますが、解消とともに解除されます。
もちろん、追証を解消するための措置を講じることなく放置、または措置が間に合わずに証拠金維持率が100%を下回った状態で追証解消期限を迎えると、保有しているポジションが強制決済されます。
以下に追証があるFX口座の例として、GMOクリック証券「FXネオ」の追証制度を紹介します。
(出所:GMOクリック証券)
GMOクリック証券「FXネオ」では毎営業日、取引終了時点で証拠金判定(追証の判定)がおこなわれます。そのときに証拠金維持率が100%を下回っていると追証が発生しますが、翌営業日午前3時の追証解消期限までに追証を解消すれば、強制決済を免れることができます。
なお、GMOクリック証券「FXネオ」に限らず、追証解消期限を迎える前に証拠金維持率がロスカットの発動水準まで低下してしまったら、その時点でポジションは強制的に決済されてしまいます。
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最低取引単位 | 通貨ペア数 | スプレッド | ||
米ドル/円 | ユーロ/米ドル | ユーロ/円 | ||
1000通貨 | 20ペア | 0.2銭原則固定 (9-27時) |
0.3pips原則固定 (9-27時) |
0.4銭原則固定 (9-27時) |
※相場状況により、原則固定スプレッドの配信を一時的に休止している場合もあります | ||||
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GMOクリック証券の「FXネオ」は、上位水準のスペックと優れた取引環境が多くの投資家に支持されている業界を代表するFX口座。1000通貨単位の取引が可能なので初心者にもおすすめです。機能性、操作性ともに抜群の取引ツールは、Apple Watchにも対応。また、約150種類と国内系の口座としては非常に豊富な銘柄を取り扱っているCFD口座も人気が高く、高機能チャートツール「プラチナチャート」では、両口座の銘柄を表示できます。 | ||||
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▼GMOクリック証券「FXネオ」▼ |
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※この表は2024年12月2日時点のデータに自動で更新されているため、本記事の公開時の情報とは異なっている場合があります。最新の情報はザイFX!の「FX会社おすすめ比較」や、GMOクリック証券の公式サイトなどで確認してください |
証拠金の判定時刻や追証解消期限のタイミングは各社で異なるので、取引する際はあらかじめ、利用するFX会社のルールを必ず確認するようにしてください。
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⇒主要FX口座の証拠金判定時刻と追証解消期限のタイミングを一覧で確認!
証拠金判定に関する各FX会社の対応を3パターンに分類!
各口座の証拠金判定時刻や追証解消期限も一覧で紹介!
先ほども触れたとおり、「追証」の制度がある会社とない会社があるなど、証拠金判定のルールはFX会社によって異なります。今回、ザイFX!編集部が調べたところ、証拠金判定に関するFX会社のルールは以下の3つのパターンに分類できました。
【証拠金判定に関する各FX会社の対応パターン】
(1)ロスカット水準が証拠金維持率100%に設定されているため、別途、証拠金判定のタイミングが設けられていない(ロスカットと証拠金判定がいっしょに運用されているので「追証」なし)
(2)ロスカットとは別に設けられた証拠金判定時に証拠金維持率が100%を下回っていた場合、一定期間、追加入金やポジションの整理によって証拠金額を回復するための時間的な猶予が設けられている(「追証」あり)
(3)ロスカットとは別に設けられた証拠金判定時に証拠金維持率が100%を下回っていた場合、ただちに保有ポジションが強制決済される(「追証」なし)
(1)ロスカットと証拠金判定がいっしょに運用されているFX口座(追証なし)
(1)の、ロスカットと証拠金判定がいっしょに運用されているFX口座に該当するのは、ロスカットの水準を証拠金維持率100%にしているところに限られます。
これは、先の一覧表でロスカットの発動水準が証拠金維持率100%のFX口座に加え、ロスカットの水準を投資家が任意で設定できるFX口座で100%にしている場合が該当します。
【※関連コンテンツはこちら!】
⇒主要FX口座のロスカットが発動する証拠金維持率の水準を一覧で確認!
「100%以下」、「100%未満」、「100%を下回った時点」など、各社で多少の違いはあるものの、この手のFX会社には証拠金判定がなく、証拠金維持率が100%に達するか下回った段階で、保有しているポジションが強制決済されます。そのため、「追証」が発生することはありません。
(2)ロスカットとは別に証拠金判定のタイミングが設けられていて、「追証」があるFX口座
(2)の、ロスカットとは別に証拠金判定のタイミングが設けられており、しかも「追証」があるFX会社は、調査したFX口座の中では以下が該当します。証拠金判定時刻(=追証の判定時刻)と追証解消期限もあわせて記載したので参考にしてください。
■ロスカットとは別に証拠金判定があり、「追証」があるFX口座 | ||
---|---|---|
FX会社「口座名」 (クリックで公式サイトへ) |
証拠金判定時刻 | 追証解消期限 |
GMOクリック証券「FXネオ」 | 取引終了時点 | 翌営業日3時(祝日除く) |
GMO外貨「外貨ex」 | 取引終了時点 | 発生日の24時 |
松井証券 | 取引終了時点 | 翌営業日15時 |
auカブコム証券「auカブコム FX」 | 取引終了時点 | 発生日の15時(祝日除く) |
マネーパートナーズ「パートナーズFX」 | 取引終了時点 | 発生日の18時 |
楽天証券「楽天FX」 ※スタンダード25倍コースのみ |
取引終了時点 | 翌営業日の18時 |
マネックス証券「FX PLUS」 | 取引終了時点 | 発生日の24時30分 |
アイネット証券「アイネットFX」 ※アイネット25Sのみ |
取引終了時点 | 翌営業日の取引終了30分前 |
岡三オンライン(くりっく365) | 取引終了時点 | 翌営業日17時30分(祝日除く) |
FXブロードネット ※ブロード25MC・ブロード25ライトMCコースのみ |
取引終了10分前 | 翌営業日の取引終了25分前 |
SBI FXトレード | 取引終了時点 | 翌営業日の取引終了30分前 |
※本記事公開時点の各社の公式サイトの情報をもとに編集部が作成 |
証拠金判定時刻は日本時間早朝の取引終了時点がほとんどですが、追証解消期限については各口座でバラつきがあります。
(3)ロスカットとは別に証拠金判定のタイミングが設けられているが、「追証」がないFX口座
(3)の、ロスカットとは別に証拠金判定のタイミングが設けられているものの、「追証」はないFX口座は、調査した中では以下が該当します。
■ロスカットとは別に証拠金判定があるが、「追証」はないFX会社 | |
---|---|
FX会社「口座名」 (クリックで公式サイトへ) |
証拠金判定時刻 |
IG証券 | 午前11時時点 |
ゴールデンウェイ・ジャパン「FXTF MT4」 | 15時30分~15時45分の間のおよそ1分間 |
ゴールデンウェイ・ジャパン「FXTF GX-FX」 | 15時35分~15時50分間の一時点 |
外為どっとコム「外貨ネクストネオ」 | 取引終了時刻直前の1時間以内 |
セントラル短資FX「FXダイレクトプラス」 | 取引終了時刻のおよそ1時間以内 |
外為オンライン「外為オンラインFX」 ※L25コース・L25 miniコースのみ |
取引終了10分前 |
FXブロードネット ※ブロード25MC・ブロード25ライトMCコースを除く |
取引終了10分前 |
アイネット証券「アイネットFX」 ※アイネット25のみ |
取引終了15分前 |
※本記事公開時点の各社の公式サイトの情報をもとに編集部が作成 |
こちらは追証があるFX口座とは異なり、証拠金判定時に証拠金維持率が100%を下回っていた場合はただちに保有ポジションが強制決済されるため、このルールが採用されているFX口座で取引する場合は、日ごろから、よりシビアな資金管理が必要です。
ロスカットや証拠金判定に伴う強制決済の注意点を解説!
ロスカットと証拠金判定による強制決済について、注意しておきたい点を以下にまとめました。
ロスカット水準に接近、または証拠金判定で証拠金維持率が100%を下回った際はアラートが通知される
証拠金維持率がロスカットを執行する水準に近づく、または証拠金判定によって追証が発生した際は、取引画面やメールなどで「アラート」と呼ぶ通知をおこなうFX口座がほとんどです。通知を見逃していて、気づかないうちに強制決済されていた……なんて可能性も考えられますので、保有ポジションに含み益が生じている場合は特に注意しておきましょう。
ただし、ロスカットとは別に証拠金判定が設けられているものの追証がないFX口座の場合、判定時刻に証拠金維持率が100%を下回っていたらただちに強制決済が執行されますので、証拠金判定時のアラート通知のようなものはないと考えられます(公式サイトで確認できなかった)。
強制決済時に手数料がかかるFX会社も一部にはある
GMOクリック証券「FXネオ」については、ロスカットと強制決済のどちらも、1万通貨単位あたり税込500円、1000通貨単位あたり税込み50円の手数料がかかります(※ただし、南アフリカランド/円とメキシコペソ/円は、10万通貨単位あたり税込500円、1万通貨単位あたり税込み50円)。
当編集部が調査した限り、それ以外に強制決済の際に手数料がかかるFX口座は確認できませんでしたが、利用するFX口座の手数料体系がどうなっているのかは、念のため確認しておくことをおすすめします。
基本的には保有ポジションのすべてが強制決済されるが、例外的なFX口座もある
ほとんどのFX口座では、強制決済の際に保有するすべてのポジションが決済されます。
しかし、IG証券ではあらかじめポジションの決済に優先順位が決められており、証拠金維持率が100%を回復するまで順に決済され、場合によっては一部のポジションは決済されずに残る仕組みが採用されています。
この決済方法が採用されているFX会社はあまり見かけませんので、IG証券の特徴の1つとして覚えておいて損はないでしょう。
100種類の豊富な取り扱い通貨ペア数と世界標準の取引ツールが魅力 | ||||
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IG証券の主なスペック | ||||
最低取引単位 | 通貨ペア数 | スプレッド | ||
米ドル/円 | ユーロ/米ドル | ユーロ/円 | ||
1万通貨 | 100ペア | - | - | - |
※相場状況により、配信スプレッドの公表を休止中。実勢レートは取引ツールから確認できます | ||||
IG証券のおすすめポイント | ||||
IG証券は世界で35万人以上のアクティブユーザー数を誇る、英国に本拠地を置くIGグループの証券会社。100種類の豊富な通貨ペアを取り扱っているFXのほか、CFDやノックアウトオプションなども人気で、IG証券全体で取引できる銘柄は実に1万7000銘柄以上と非常に豊富です。自動売買に対応した高機能チャートツール「ProRealTime」が使えたり、心理学的見地からトレーダーにアプローチするコンテンツを提供していたりと、国内系とは一味違うサービスを味わえるのも魅力です。 | ||||
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▼IG証券▼ |
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※この表は2024年12月2日時点のデータに自動で更新されているため、本記事の公開時の情報とは異なっている場合があります。最新の情報はザイFX!の「FX会社おすすめ比較」や、IG証券の公式サイトなどで確認してください |
ロスカットや証拠金判定では、100%確実に損失を食い止める
ことは不可能。日頃の徹底したリスク管理がもっとも有効な手段!
「ロスカット」や「証拠金判定」に伴う強制決済があっても、為替相場が急激に大きく動けば、証拠金以上の損失が出る可能性はあります。どちらも100%、確実に損失を食い止める制度やルールではないということは、決して忘れないようにしてください。
万が一、証拠金以上の損失が出た場合は、不足分をFX口座へ追加で納めなければならなくなります。この証拠金以上の損失は「ロスカット未収金」とも呼ばれ、過去には多額の「ロスカット未収金」が発生した“事件”が起こったこともありました。
たとえば、2015年1月のスイスショックで発生したロスカット未収金の件数と金額は、「個人が1137件、法人が92件で、発生金額は個人・法人合計で33億8800万円」にも及んでいます。
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結局は、「ロスカット」や「証拠金判定」に伴う強制決済といった最後の砦的なルールをあてにせず、日頃から資金管理をこまめにおこなうとともに、許容できる損失の範囲内に決済の逆指値注文を必ず入れるようにするなど、自分でできるリスク管理をおろそかにしないことが、万が一に備えるもっとも有効な手段になるでしょう。
この機会に、今一度、基本的なリスク管理の方法を確認し、そのうえで、より利益を上げられるトレーダーになれるよう、日々トレードに挑戦していきたいですね。
(ザイFX!編集部・堀之内智 編集協力/ザイFX!編集部・上岡由布子)
(※ロスカットや強制決済は、判定水準での決済を100%保証するものではありません。相場状況によっては証拠金以上の損失が発生する場合もあります。詳しいルールは、必ず各社の公式サイトなどでご確認ください)
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