みなさん、こんにちは。
■ユーロの買い戻しが進んでいる
このコラムで、ユーロは下サイドへの圧力が強そうとの見方を何度かお伝えしてきました(「欧州の財政問題が重しとなる状況は続く。ユーロが上げた局面では戻り売りとしたい」などを参照)。
ところが、ここに来て、少し動きのイメージに違いが見られています。
年初のユーロは欧州の財政問題などが再び意識され、大きく売り込まれることとなり、ユーロ/米ドルは1.28ドル台、ユーロ/円は107円台をつけました。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 日足)

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/円 日足)
ただ、その後は財政懸念が伝えられる欧州各国の国債入札が好調だったことなどを受けて、ユーロの買い戻しが進みました。ユーロ/米ドルは1月19日(水)に1.35ドル台に到達し、ユーロ/円も111円台をつけています。
■ソブリン系の資金がユーロを買い進めている!?
このような動きになったきっかけですが、中国や日本がユーロ圏の国債を買い進めると表明したことがポジティブにとらえられた面もあるようです。
ただ、それよりも、中国から実際にユーロ買いが入ってきたことは考えられないでしょうか?
中国では、政府のお金を政府系の「SWF」と呼ばれるファンドなどが運用しています。
ヘッジファンドなどがユーロの財政問題を材料にユーロ売りを仕掛けてきたところに、こういった政府系のファンドがユーロ買いを仕掛けてきた。売っていた市場参加者にはカウンターパンチになって、買い戻しが進行し、さらにストップ・ロス(損切り)を巻き込んで、あれよ、あれよと上昇してしまった。
確証があるわけではないのですが、このようなことではないのでしょうか?
こういった政府系のお金を「ソブリンマネー」と呼びます。最近はソブリン系の動きが少し目立っていますので注意しておきましょう。
■ユーロ/円が上の方向に進む可能性に注意!
ただ、ユーロがこのまま一方的に上昇するかと言えば、欧州の財政問題が解決したわけではないので、それもちょっと難しいのではないでしょうか?
したがって、ユーロ相場はレンジに入っていくと思います。
円と人民元の対ユーロのレートを見ると、比較的似通った動きをしているようです。相関関係が強いとは言い難いものの、相関関係は存在するというぐらいのことは言えそうです。
そういった点を踏まえてユーロ/人民元のレートを見てみると、人民元はジリジリと「元安・ユーロ高」が進んでいます。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/円 週足)
ユーロ/円は110円を挟んだ動きとなっていますが、人民元の動きに引っ張られるようなことになれば、ユーロ/円が、ユーロ/米ドルよりも少し上の方向に向かう可能性もあり得ることを、頭に入れておいてもよさそうです。
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