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西原宏一の「ヘッジファンドの思惑」

「トリシェ・ショック」でユーロに注目!
金利魅力のユーロ円は最終的に117~118円へ

2011年03月10日(木)14:15公開 (2011年03月10日(木)14:15更新)
西原宏一

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 こんにちは。

■利上げ期待などを背景に、スイスフランの上昇が続く

 中東問題が依然として不透明な環境下、先週に引き続き、スイスフランはジワジワと上昇しています。

 2月にこのコラムでご紹介して以来、スイスフラン/円は急騰こそしませんが、少しずつ値を伸ばし、3月9日(水)にはついに89円台に突入して、89.22円の高値をつけています「中東情勢を懸念材料に難しい相場の中で、ヘッジファンドが目論むシナリオとは?」など参照)

スイスフラン/円 日足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:スイスフラン/円 日足

スイスフランの上昇は、インフレ抑制のためにスイス中銀(SNB)が政策金利を引き上げるとの観測が背景にあり、加えて、中東情勢混迷に伴うリスク回避からの「避難通貨」という要素もあります

 ふだん、スイスフラン/円はあまり大きな値動きはありませんが、米ドル/円のように2カ月以上も値動きがこう着している通貨ペアより、取引しやすい通貨ペアと言えるのかもしれませんね。

■「トリシェショック」でユーロも上昇基調に入った

 そのスイスフランを追随する形で上昇基調に入り始めたのが、ユーロです。

 3月3日(木)の理事会後のトリシェECB(欧州中央銀行)総裁のコメントは、市場関係者を驚かせました。

「strong vigilance warranted~」

 この「strong vigilance」という「トリシェコード」が使われたときは、次回会合での利上げを意図します

各国政策金利の推移

(詳しくはこちら → 経済指標/金利:各国政策金利の推移

 4月の利上げ予告を受け、各銀行がいっせいにユーロの政策金利の予測を修正しています。

某欧州系銀行は、4月・7月・9月・12月に0.25%ずつ利上げされ、2011年末の政策金利は現行の1.00%から2.00%まで上昇すると予測を変更しています

ユーロ/米ドルは丁寧に「押し目買い戦略」で!

 為替市場もトリシェ総裁のコメントに即座に反応し、ユーロ/米ドルは3月7日(月)に1.4036ドルの高値まで高騰しています。

トリシェ総裁の思い切ったコメントに、マーケット参加者のユーロに対する目線は上がり、上値のメドをまずは1.4200ドル、さらに数カ月後には1.45ドルとする予測も増えてきました

 南欧諸国のソブリンリスク(国家に対する信用リスク)に対する懸念はまだ払拭されておらず、今月末のEU(欧州連合)首脳会議において、問題が深刻化する可能性は濃厚です。

 しかしそうした問題も十分に考慮した上で利上げを予告したトリシェ総裁のタカ派的コメントに対しては、マーケットも追随せざると得ないといったところでしょう。

ユーロ/米ドル 日足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 日足

 ただ、トレーディングにおいては、ユーロ/米ドルの高値追いは禁物です。

 ユーロ/米ドルは1.4050ドル、1.4100ドル、1.4150ドル、1.4200ドルに断続的に巨大なバリアがあると言われていますので、一方的にユーロ/米ドルが上昇する可能性は低いと考えています。

 今週も1.4050ドルのバリアに阻まれて、いったん反落しています。高値は1.4036ドルでした。

当面、ユーロ/米ドルは丁寧に押し目買いといったところでしょうか?

■ユーロ/円も上値余地が拡大しそう

 さて、米ドル/円ですが、前回のコラムにも書いたとおり、依然として明確なトレンドは出ていません。それから1週間が経った本日、3月10日(木)も82.70円近辺にあり、レンジ圏での推移となっています「ヘッジファンドでも読みづらい投資資金の行方。豪ドルはダウンサイドか」を参照)

米ドル/円 日足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足

 また、ユーロ/米ドルが当面のレジスタンスであった1.3900ドルのバリアを上抜けていますので、結果的に、ユーロ/円も上昇しています。

 115.00円のバリアを突破して、一時は116.00円近辺まで上昇する場面もありました。

 その後、ユーロ/米ドルの反落とともに115.00円を割り込みましたが、こちらも底堅い展開と言えるでしょう。

ユーロ/円 日足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/円 日足

 金利面から見て、利上げを予告したECBと、利上げがかなり先の話になりそうな日銀(BOJ)との関係から考えると、ユーロ/円もスイスフラン/円同様に上値余地が拡大しそうです

 もちろん、南欧のソブリンリスクが緊迫化する局面では、ユーロ/円が大きく値を下げる局面もあるでしょう。しかし、下値は限定的で、最終的には117円、118円へと上昇して行くのではないでしょうか?

 当面、ユーロの動きに注目ですね。


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今井雅人