昨日の欧州時間でのクロス円の巻き返しには、すごいものがあった。私はユーロドルのショートに加えて、ドル円もショートにしていて、実質的にはユーロ円のショートポジションになっているので、ユーロ円の成り行きだけが気になっていた。ユーロ円が120円台にいる間はまだ安心して見ていれたのだが、どうも ドル円の切り返しが激しくなりつつある。
もうちょっとクロス円も安い方向を攻めないかと思っていただけに、ちょっとがっかりであった。ユーロ円が121円台に乗せてくると、もう我慢がならない。全部のポジションを閉めることに至ったが、それ以降もクロス円ムーブが中心の円売りの動きはなかなか止まらなかった。
ドイツの景況指数がかなり改善されていたこともあって、ユーロ買いは強いものとなっている。今週になってからはユーロの上昇には短期的に行きすぎの見方も出ていたので、調整売りの色彩が濃かっただけに1.45台まで乗せこんできたのはちょっとびっくりであった!
こうなってくると次の手を打ちづらい。何を根拠に持ってくるのかが判然としないのだ。ただいまのところ、マーケットのテーマはいくつかある。まずは地震。関東地区で揺れを感じたら、株売り・円買いのリスク回避になる。しかしこれはいつ来るかわからない突発事項に属する問題なので、あてにはならない。
次に原発の危険だが、これは昼間に東京電力か安全保安院が会見をすることになっているが、レベル7に危険度を上げて以降は、これ以上の危険は少ないだろうということで金融マーケットではもはや材料視されなくなりつつある。朝と夕方に官房長官は政府の見解をコメントすることになっているが、これとても最近は慣れてきたためか、注目度が極端に少なくなってきている。
では中東問題かというと、リビアの戦闘は長期化しそうだし、原油価格も100ドルを超えてしまっているので、いまとなってはフレッシュなレベルである120ドルを見ないことには、外部の相場も反応しにくいだろう。
それではアメリカの金利かというと、米ドル金利の行方も不透明感を増している。多くのFED委員が出口戦略を求めていても、今週に入ってからは再び金融緩和を継続するべきと主張するグループが勢いを盛り返してきている。金利面からはなかなかドルを素直に買っていける相場ではないのだ。
まあ、こうなってくると、もうしばらくはテクニカル的な面から攻めるしかなさそうだ。今晩は小売売上高が発表されるが、最近の経済指標に明らかなように、マーケットの関心度はもはやそんなに高くない。
今週に入ってからは米国株は下げ続けているので、むしろ20時過ぎに発表されるJPモルガンの決算のほうが重要かもしれない。ここでグローベックスでの米国株が上昇に転ずるようであれば、もう一度123円台に向かってのユーロ円の上げも期待できるというわけだ。JPモルガンの決算は20時過ぎの予定である。
日本時間 18時45分
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)