■アメリカの利上げ期待が少しはげてきた
先週のコラムでは、最近の相場が円安に向かっている背景についてお話しました。震災の影響とアメリカの金融政策という2つの要因があるというものです(「なぜ、円安傾向が止まらないのか?震災復興は円高・円安のどちらの要因か?」を参照)。
その後、アメリカのほうで少し変化がありました。
FRB(米連邦準備制度理事会)の関係者から、高まる金融緩和政策の転換期待に対して、少し市場を冷やそうとする慎重な言い回しが出てきています。
これは、市場が先走って、利上げ期待が高まっていくことを恐れての発言なのでしょう。
FRB関係者のこのような姿勢を受けて、アメリカの長期金利(10年もの国債の金利)は低下しており、先週までの利上げ期待は少しはげてきていると思います。
■急ピッチな円安が続き、スピード調整に入った
その影響が米ドル/円に出ています。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)
米ドル/円は一時85円台まで「米ドル高・円安」が進みましたが、ここに来て足踏みを始めており、4月14日(木)には83円台前半まで戻してきています。
また、ここ3~4週間ほどの円安のペースが速すぎたという反動も出ていると思います。豪ドル/円で見れば、74円台から90円まで、15円以上も上昇しました。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:豪ドル/円 日足)
この間、1カ月もかかっていません。いくらなんでも、スピードが速すぎたということでしょう。
オシレーター系のテクニカル分析を見ても、「買われ過ぎ」のサインがいたるところに出ており、その調整が現在起きているのだと思います。
■軽めに「レンジ・トレード」をする程度がよさそう
直近2年間で同じような傾向のときを見ると、円安が進んだあと、しばらくは円安水準でもみ合いの期間に入っていたことがほとんどでした。今回も、そのような時期に入っている可能性が高いと見ています。
どれぐらいの期間になるかはわかりませんが、通常だと1カ月程度はそのような傾向が続くことが多いです。今回も、それをベースに考えておきたいと思います。
この先、はっきりした傾向が出てくるためには、何らかのさらなる材料が必要なのかもしれません。
それは、アメリカの利上げがあるのか、ないのかがいよいよはっきりしてくるとか、東日本大震災の影響がどのように出てくるかについての方向性が見えてくるといったことだろうと想像しています。
もちろん、それ以外にも突発的なことがあるかもしれません。相場は、ある一定期間に明らかな傾向が出ていても、どこかで次の展開に変わってくることがよくあります。
今はそのような時期だと考えておいたほうがよいのかもしれません。
軽めに「レンジ・トレード」をする程度がよいのではないでしょうか?
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