その後はG7による協調介入があり、今度は一気に米ドル高・円安へ。4月には一時、85円台をつけるまで米ドル/円は上昇した。
このあたりは非常にダイナミックな動きをしていた米ドル/円だが、5月に入ったあたりからかなりの小動きに。79円台後半~82円台前半の狭いボックス相場が続いていた。それも79円台や82円台に滞在した時間帯は長くなく、いつ見ても80円台か81円台という感じ。
「米ドル/円は動かないな~」と感じていたFXトレーダーは少なくなかったはずだ。
それが7月12日(火)に80円台を割れ79円台へ入ると、7月13日(水)には一時急落して78円台に突入。完全にそれまでのボックス相場を下に抜けた形になっている。

そして、本日、7月14日(木)になると、近くて遠い存在だった78円台がもはや普通といった様相になっている。
しかし、今まで述べてきたとおり、この「米ドル/円の78円台が普通」という状況は歴史的に見てもかなり珍しい状況なのだ。
そして、今後は3月17日(木)の安値、76.25円が意識される一方、再び為替介入があるかどうかが注目されるだろう。
■日本時間早朝の急激な値動きには要注意
1つ注意したいのは、米ドル/円の急落が日本時間の早朝に起こりやすくなっている点だ。ニューヨーク市場が終わってから東京市場が開くまでは為替の取引量が少なく、少ない売買で大きく値が動く可能性が高い時間帯。
7月13日(水)も7月14日(木)も日本時間の早朝に急落は起こっている(ただ、本日7月14日(木)については東京市場が開いてから、早朝に急落したレベルをさらに割り込んでいるが…)。


(出所:米国FXCM)
さらに言えば、東日本大震災後の3月17日(木)も急落は日本時間の早朝に起こっていた。
こういったことから、日本時間早朝の値動きには要注意だろう。
大きな値動きのあるときに、大きく稼ぎたいというアクティブなトレーダーは、早起きしてチャンスを待つのも1つの手かもしれない。
(ザイFX!編集部・井口稔)
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