IMMのデータでも、個人投資家の総計としてのセンチメント指数でも、先週時点での米ドルはロングに傾いていた。
特に、個人投資家は従来の押し目買いスタンスから一転し、ユーロ/米ドルと英ポンド/米ドルの戻り売りに賭けるようになっていた。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 日足)
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:英ポンド/米ドル 日足)
これは、ギリシャ支援の合意に対して悲観的な見方がマーケットを支配しており、「突っ込まれやすい」構造が示唆されていたと言えるだろう。
そのような中で、テクニカルの指示方向に材料が後追いする形で合意がなされたわけで、これはある意味、あまりサプライズではない。なぜなら、相場の内部構造はそのように暗示していたからだ。
■米ドルの底固めには時間がかかり、現在はその最中
ところで、冒頭に示したチャートのとおり、米ドルは全面安になってもいずれ一服し、反騰するというシナリオはなお有効である。
(出所:米国FXCM)
先週のコラムにも書いたように、米ドルの底固めには時間がかかる。足元はその「底固め」の最中であり、ドルインデックスの反騰シナリオが消滅したわけではない(「米国が仕組んだ世界経済混乱で資金はドル資産へ。ただし、ドル/円はダメ押しも!?」を参照)。
前述のように、ユーロなど外貨の急伸は、ショートポジションの踏み上げによる側面が大きく、その裏返しとして、足元で起きている米ドルの全面安は米ドルロング筋の損切りによるものに過ぎない。
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