今週は、先週見られたようなグローバルマーケットの混乱は収まっており、スイスフラン以外の通貨のボラティリティは低下気味です。
こうしたマーケット環境下では、通常だとキャリートレードが活発化し、豪ドル/円や米ドル/円が底堅い展開となります。
ところが、米ドル金利の低下により、キャリー取引は金利の高い豪ドルに集中しています。豪ドル/円は80円台を回復していますが、米ドル/円の上値は重い展開のままです。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:豪ドル/円 日足)
低ボラティリティの状況下でも、金利の恩恵を受けない対円での米ドル買い需要は活発化してこないようです。
■米ドル/円の最安値76.25円を割り込む確率は高まっている
友人に聞いたところによると、米ドル/円のマーケットは現在、日銀の再度の介入期待により、78~80円での米ドル売りの注文が増えつつあるとのことです。
米ドル/円は今週に入り、ユーロ/スイスフランやクロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)の反発につれ、一時77円台に戻す局面もあったのですが、本邦からの米ドル売りの圧力は強く、77円台は一時的なもので終わり、76円台での推移が続いています。
これまでのところは、76.20円近辺にあるバリアに阻まれ、下値は76円台前半でサポートされています。
しかし、2年債のゼロ金利が今後継続しそうな米ドルについては、リアルマネーからの買い需要は見込めないでしょう。
時間の経過とともに円高が進行し、最安値の76.25円を割り込む確率が高まっていると考えています。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 4時間足)
ヘッジファンドの友人は、ボラティリティの高いスイスフランを中心にトレードしていますが、介入が入って米ドル/円が上昇する局面があれば、米ドル/円のショートポジション(売り持ち)を構築する体勢であるとのことです。
8月26日(金)にジャクソンホール会合が予定されていますが、FRB(米連邦準備制度理事会)のバーナンキ議長がその講演の中で、昨年同様に「QE(量的緩和策)」の実施を示唆するとみる市場参加者は増えているもようです。
米ドルは対円のみならず、他の通貨に対しても弱含みの展開です。
ユーロ圏からの悪材料は多いものの、ユーロに対しても米ドルは下落しており、ユーロ/米ドルは8月17日(水)に一時1.45ドル台を回復しています。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 日足)
今週の注目は、SNBが積極的にマーケットに「介入」しているスイスフランなのでしょうが、戦後最安値の76.25円のブレイク目前である米ドル/円にも注目です。
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