みなさん、こんにちは。
■スイスフランの急騰で、SNBが自国通貨高抑制策を発表
多くの市場参加者が夏季休暇を取るため、8月は流動性に欠ける傾向があります。
薄いマーケットの中でリスクオフ相場になると、例年だと円高が大幅に進行する傾向がありますが、今年は円ではなく、スイスフランが急騰しています。
先週はグローバルな株価の下落もあって、避難通貨であるスイスフランが急騰しました。短期筋のみならず、リアルマネーも加わり、投機資金がスイスフランへと殺到したのです。
ユーロ/スイスフランは一時パリティ(1ユーロ=1スイスフラン)に向けて急落し、1.0068フランの最安値をつけています。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/スイスフラン 日足)
このような止まらない自国通貨高に対して、スイスの中央銀行であるSNB(スイス国立銀行)は8月17日(水)に、自国通貨高抑制策の第2弾を発表しました。
その内容は、当座預金残高目標の引き上げなど、かなり踏み込んだ内容でした。
しかし、マーケットが予測していたユーロとのペッグ制の導入は行なわれなかったため、発表後のユーロ/スイスフランは1.1550フランから1.1222フランまで、300ポイントほど急落しました。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/スイスフラン 1時間足)
その後は、スイス金利の低下もあり、ユーロ/スイスフランは1.1400フラン近辺で推移しています。
グローバルマーケットが不透明さを増す中、中期スパンで見た場合のスイスフラン高は変わらないのでしょうが、今回のSNBの自国通貨高抑制策により、スイスフランは避難通貨として一歩後退しました。
つまり、グローバルマネーが避難通貨へ向かうとき、今後、その行先は円となるでしょう。
■ボラティリティは低下気味なのに、米ドル/円の上値は重い
日本の当局による単独介入が8月4日(木)に行われましたが、昨年9月15日に行われた介入と同様に、1日で終了しました。
一時的ではありますが、単独介入によって米ドル/円が80円台を回復したため、一部の本邦輸出企業は80.00円近辺で一定の米ドルを売ることができたようです。
ただ、そのチャンスはわずか数時間に過ぎず、介入が行われた翌日には再び78円台に回帰してしまいました。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)
米ドル/円はその後も、歩みは遅いながらもジワジワと円高が進行しており、本稿執筆時には76.60円近辺で軟調に推移しています。
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