100万円→1000万円→60万円!
「FXを始めたのは大学生のとき。2005年ごろ、100万円で始めました。1日中チャートを見ていたり、かなり熱中していました。
やり方? スワップ狙いの裁量トレードです。豪ドル/円を100万通貨(当時のレートで約1億円分!)買ったりしていたので、1日のスワップが約1万円。スワップと為替差益とで、1~2年で1000万円くらいまで増えました」
そう打ち明けるのは、サラリーマン投資家のトラリピ犬氏。
そして、そのブログタイトルは「トラリピ1億になりました」。「天才トレーダー登場かっ!?」と驚くのは早計だ。
2007年に「サブプライムショック」が為替市場を襲うまで、FX界にはこうした「スワップ長者」がわんさかいた。彼らの多くに共通するのは、「リスク管理は一切無視、“永遠の円安”を信仰してスワップのみを凝視した長期ハイレバ投資」。
円高の到来で、彼らの方法論はいとも簡単に崩壊する。
「2007年夏のサブプライムショックでやられました。1000万円まで増えた口座が60万円です。数十倍のレバレッジをかけていたので当然ですね」
ちょうどそのころ、トラリピ犬氏は大学を卒業。就職して入った会社は残業当然、終電で帰れれば幸運なほうで、会社付近のホテルでの仮眠も珍しくないという超激務だった。
「裁量トレードではやられましたけど、方法論が間違えていただけで、FX自体には可能性を感じていました。もう一度、FXをやってみたいな、と。
ただ、大学生時代とは違って、ずっとチャートを見ていられないから、機械的に取引できて、かつ、苦い教訓がありましたから、ロスカットされないような方法を探したんです。

「心をなくしてできる手法」を探して…
「『FXで生き残るのは1割』と言いますよね。残り9割が負けるのは、決断できないせいだと思ったんです。
損切りや利益確定の決断ができないから、ロスカットされて資金が激減してしまう。だから『心のない状態』で取引できる仕組みが欲しかったんです」
機械的に取引するなら、第1候補として浮かぶのはシステムトレードだが――。
「シストレについても、海外のサイトを見たりして、研究しましたが、正直自分には難しいように思えた。そこで出会ったのがブログのタイトルにもある『トラリピ』です。まだ1億円どころか1000万円にも達していないんですけど(笑)」
とはいえ、当初150万円、その後140万円と合計290万円を投入した『トラリピ』トレードでは、1年9カ月で確定利益が430万円と絶好調だ。1億円もそう遠い話ではなさそう!?
気になるのは、その武器となるトラリピ(トラップリピートイフダン)だが、これはマネースクエアが特許を持つ注文方法。一度、注文を設定すれば、あとは自動的に売買を繰り返してくれる、いわば簡易的なシステムトレードだ。
「50銭下がったら買って、そのポジションが5000円の含み益になったら決済、また50銭下がったら買って、5000円の含み益で決済して、というのを永遠に繰り返してくれるのが、トラリピです。
これなら自分は何もせずに自動的に稼いでくれると思って、始めることにしました。最初はデモ口座です」
自動的に買い下がり・利益確定を繰り返すトラリピ
トラリピの仕組みや注文方法はかなり独特。トラリピを理解しようと思ったら、デモ口座で実際に試してみるのが最短ルートだ。
「トラップ間隔(何銭刻みで買い注文を入れるか)を調整して『20銭刻みにすると、資金不足ですぐロスカットされてしまうな』とか、利益確定幅をいじってみて『欲張って1円にすると、なかなか利確されずに利が伸びにくいな』とか、いろいろやってみました」

デモでトラリピの感覚に慣れることは重要。大きい声じゃ言えないけど、2つのデモ口座を作って、違う設定を同時に試してみたりすると、同じ相場でどう利益が変わるのかシミュレーションできるのでいいかも……。
デモでの研究が済んでいよいよ本番に臨んだトラリピ犬氏。トラリピ犬流トラリピは、ここから3段階の進化を遂げていく。
順を追って説明していこう。進化の初期段階はもっともオーソドックスな形でのトラリピだ。
「完全放置」を前提として、幅広くトラップを仕掛ける
「南アフリカランド/円での買いトラリピです。
トラリピはスワップを味方につけることが前提なので、基本は買い。南アランドを選んだのは高金利通貨だったのと、通貨の単位が小さいので小額でも始めやすかったこと。テスト段階のつもりだったので、小さく始めたかったんです」
1ランドは2011年10月下旬で10円弱。1万ランドで約10万円ほどだ。米ドル/円が1万ドルで約80万円だから、同じ1万通貨の取引でもランドだと証拠金も少なくてすむ。
もっとも、今はマネースクエアでも1000通貨単位の取引ができるようになったので、関係のない話ではあるのだが。
「11円から12円50銭の間に5銭刻みでトラリピを仕掛けました。1万通貨単位で利確幅は1000円です。トラリピが強みを発揮するのは一定の値幅のなかのレンジで動くとき。
ただ、ボクの場合は仕事の都合があったので『完全放置』が前提でした。だから、広いレンジを想定して、幅広く『トラップ』を仕掛けようと思いました」

トラップとは罠(わな)。どのレートから、どのレートまでの間にトラリピを設定するか、ココは注文を設定するときの大きなポイント。
基本はスワップを味方にできる「買いトラリピ」
「デイトレのような感覚でトラリピを使っている人は、過去数週間といった短い値幅にトラリピを仕掛けますが、それだと裁量の部分が大きくなりますし、完全放置もできません。
ボクの場合は完全放置前提なので、過去数年間の値幅を中心にトラップを仕掛けることにしました。
ただ、ボクが始めた2010年9月ごろはランドの値動きが小さくて、ほとんど注文がかからなかったんです。それで、豪ドル/円を追加しました」
ランドほどではないにせよ、豪ドルも高金利通貨だし、オーストラリアは先進国だからランドよりも値動きは安定している。
豪ドル/円はトラリピ投資家に人気の定番通貨ペアだ。
「豪ドル/円は70円から90円の間に仕掛けました。50銭間隔で合計40本の買いトラップです」

トラップ幅と、仕掛ける幅が決まると、最大のリスクが計算できる。
90円から一直線に69円まで下落すれば、買いトラップが次々にかかって、ポジションは増えていくが、利益確定はできないので70円を割ったところで、合計40本のポジションが塩漬けになる。
これが考え得るワーストシナリオだ。
「トラリピを設定するときに絶対に考えないといけないのが資金管理。
トラリピでは塩漬けのポジションを抱えたとき、2つの選択肢があります。『損切りするか・耐えるか』です。
トラリピでは利益確定と同様に、自分で損切りの幅を設定することもできますが、ボクは損切りは設定しません。
その代わり、『豪ドル/円が過去の最安値を割っても耐えられるように』を理想にして、それに近づくよう、トラップ幅を調整したりして、資金管理するようにしています」
「分散効果」を味方につけた第2形態
最安値の目安となるのはリーマンショック時の1豪ドル=55円(上のチャート参照)。トラリピ犬氏の場合は、「55円を割っても強制ロスカットされることがないように」と考えて注文を設定する。
この計算、トラリピ犬氏は電卓を叩いて行なったそうだが、今はマネースクエアのウェブサイトに便利なツールがある。
口座開設者向けなので、デモ口座では利用できないが、「マイページ」にある「トラリピ運用試算表」がそれだ。これを使えば、どのくらいでロスカットされるか、すぐに計算できるので便利!

南アフリカランド/円に、豪ドル/円を加えることで第2形態へと進化したトラリピ。複数の通貨ペアで同時にトラリピを仕掛けることにより、「分散効果」も得られる。
一方が値動きが小さく仕掛けにかからなくても、もう一方が補ってくれる関係が構築できるのだ。
さらにトラリピ犬流のトラリピトレード術は、「円高に弱い」トラリピの弱点に対して驚きの工夫を加えることで、さらなる進化を遂げ、最終形態に至るのだが…。それは次回にて!
(「進化したトラリピ犬氏のトレード術(2) 『円高に弱い説』を覆し、過去最高益!」へつづく)
(取材・文/ミドルマン・高城泰 撮影/今井裕治)
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※ユーロ/円は、2023年2月28日までのキャンペーンスプレッド | ||||
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米ドル/円 | ユーロ/円 | ユーロ/米ドル | ||
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スプレッド(取引コスト) | 通貨ペア数 | 最低取引単位 | ||
米ドル/円 | ユーロ/円 | ユーロ/米ドル | ||
0.2銭原則固定 | 0.4銭原則固定 | 0.3pips原則固定 | 30ペア | 1000通貨 |
※日本時間9時~翌27時までの時間帯に適用されるスプレッド。スプレッドはすべて例外あり。ユーロ/円・ユーロ/米ドルは、2023年2月4日までのキャンペーンスプレッド | ||||
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