(「進化したトラリピ犬氏のトレード術(1) 1年9カ月の完全放置で確定利益430万円!」からつづく)
■トラリピ否定派の常套句「円高に弱い」
「あんなの円高になったら即ロスカットだろwww」
トラリピ否定派が口にする常套句だ。マネースクウェア・ジャパンが提供するトラリピは「クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)での買い」が基本。
ということはつまり、円高局面では買い下がりの注文が次々に約定する一方で、利益確定の注文は約定しづらくなるため、塩漬けポジションがたまっていきがち。円高はたしかにトラリピの弱点のように思えるが――。
「円高ですか? 大丈夫です。円高が急速に進んだあと、日銀の介入があった8月の第1週は過去最高の利益になりました」と一笑に付すのはトラリピトレーダーのトラリピ犬氏。

「確かに一方的に円高が進む局面では、買いトラリピでは含み損がたまっていきます。
スワップがもらえて、多少は打撃を軽減できますが、それでも1円、2円と下がっていくと、スワップの金額なんて微々たるもの。黙って含み損に耐えるしかないんです」
いつか円安に転換するまでひたすら耐えるのみ、というのは精神的にもキツい。もし想定以上に円高が進んでしまったら、強制ロスカットされてしまうかもしれないし……。やっぱ円高に弱いじゃん、トラリピ。
■買いトラリピと売りトラリピを同時に実行!
「基本である買いトラリピの含み損をいかに乗り切るかということで、ボクがやっているのが『両建て』なんです。
買いのトラリピを入れると同時に、売りのトラリピも入れてしまう。そうすると、円高局面では売りのトラリピが稼いでくれますから」
なるほど! 「両建て」がトラリピ犬流のトラリピトレード最終形態というわけだ。
しかし、コトはそう単純じゃないはず。だってトラリピの魅力はスワップにもあるはずだから。買いトラリピで1日500円のスワップがもらえても、同じだけ売りのトラリピを入れていたら、受取と同額程度の支払いスワップも発生して結局スワップはチャラ。
っていうか、スワップにもスプレッドがあるから、スワップスプレッド分だけ、日々支払いが発生してしまう。バカらしいぞ、両建て。
「だから、あくまでも中心は買いトラリピ。買いトラリピ2に対して、売りトラリピ1くらいの比重で注文を入れるんです。
ボクは豪ドル/円で買いと売り、両方のトラリピを入れていますが、ポジション量がなるべく2:1になるよう、買いは50銭間隔、売りは1円間隔にしています」
なるほど、なるほど!
このアイデア、使えるかも。売りトラリピも駆使すれば、円高局面では売りが稼いでくれるというわけか。
「ボクの収益が向上したのも、売りトラリピを追加してからですね。今年になってからは1カ月あたり平均15万円ほどの利益です」

■注文を追加・変更したのは約2年で4回だけ!
トラリピ犬氏のこれまでの利益確定額は約430万円。含み損を約260万円抱えているが、それでも差し引き約170万円のプラス。それに対してかけた労力は驚くほど少ない。
「これまでに注文画面を開いたのは3回だけ。最初に南アフリカランド/円の買いトラリピを入れたとき、豪ドル/円の買いトラリピを追加したとき、それに豪ドル/円の売りトラリピを追加したとき、ですね。
あっ、こないだの8月にも注文を変更したので、合計4回です」
8月の変更はレバレッジ規制への対応。レバレッジの上限が50倍から25倍へと引き下げられたことは、トラリピ投資家にとって少なからぬ影響を与えたようだ。
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