(「進化したトラリピ犬氏のトレード術(1) 1年9カ月の完全放置で確定利益430万円!」からつづく)
トラリピ否定派の常套句「円高に弱い」
「あんなの円高になったら即ロスカットだろwww」
トラリピ否定派が口にする常套句だ。マネースクエアが提供するトラリピは「クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)での買い」が基本。
ということはつまり、円高局面では買い下がりの注文が次々に約定する一方で、利益確定の注文は約定しづらくなるため、塩漬けポジションがたまっていきがち。円高はたしかにトラリピの弱点のように思えるが――。
「円高ですか? 大丈夫です。円高が急速に進んだあと、日銀の介入があった8月の第1週は過去最高の利益になりました」と一笑に付すのはトラリピトレーダーのトラリピ犬氏。

「確かに一方的に円高が進む局面では、買いトラリピでは含み損がたまっていきます。
スワップがもらえて、多少は打撃を軽減できますが、それでも1円、2円と下がっていくと、スワップの金額なんて微々たるもの。黙って含み損に耐えるしかないんです」
いつか円安に転換するまでひたすら耐えるのみ、というのは精神的にもキツい。もし想定以上に円高が進んでしまったら、強制ロスカットされてしまうかもしれないし……。やっぱ円高に弱いじゃん、トラリピ。
買いトラリピと売りトラリピを同時に実行!
「基本である買いトラリピの含み損をいかに乗り切るかということで、ボクがやっているのが『両建て』なんです。
買いのトラリピを入れると同時に、売りのトラリピも入れてしまう。そうすると、円高局面では売りのトラリピが稼いでくれますから」
なるほど! 「両建て」がトラリピ犬流のトラリピトレード最終形態というわけだ。
しかし、コトはそう単純じゃないはず。だってトラリピの魅力はスワップにもあるはずだから。買いトラリピで1日500円のスワップがもらえても、同じだけ売りのトラリピを入れていたら、受取と同額程度の支払いスワップも発生して結局スワップはチャラ。
っていうか、スワップにもスプレッドがあるから、スワップスプレッド分だけ、日々支払いが発生してしまう。バカらしいぞ、両建て。
「だから、あくまでも中心は買いトラリピ。買いトラリピ2に対して、売りトラリピ1くらいの比重で注文を入れるんです。
ボクは豪ドル/円で買いと売り、両方のトラリピを入れていますが、ポジション量がなるべく2:1になるよう、買いは50銭間隔、売りは1円間隔にしています」
なるほど、なるほど!
このアイデア、使えるかも。売りトラリピも駆使すれば、円高局面では売りが稼いでくれるというわけか。
「ボクの収益が向上したのも、売りトラリピを追加してからですね。今年になってからは1カ月あたり平均15万円ほどの利益です」

注文を追加・変更したのは約2年で4回だけ!
トラリピ犬氏のこれまでの利益確定額は約430万円。含み損を約260万円抱えているが、それでも差し引き約170万円のプラス。それに対してかけた労力は驚くほど少ない。
「これまでに注文画面を開いたのは3回だけ。最初に南アフリカランド/円の買いトラリピを入れたとき、豪ドル/円の買いトラリピを追加したとき、それに豪ドル/円の売りトラリピを追加したとき、ですね。
あっ、こないだの8月にも注文を変更したので、合計4回です」
8月の変更はレバレッジ規制への対応。レバレッジの上限が50倍から25倍へと引き下げられたことは、トラリピ投資家にとって少なからぬ影響を与えたようだ。
「維持率が半分になりましたからね。単純に考えれば、同じ資金で持てるポジションが半分になったということ。
何もしなければ、ロスカットされる水準が最初のイメージよりもずっと上がってしまうので、ポジション量を持ちすぎないように、トラップ幅を狭くしました」

買いトラリピを仕掛けるレンジ幅は当初「70~90円」に設定していたものを「75円~90円」へ、また、売りトラリピのレンジ幅は当初「90~75円」に設定していたものを「80円~90円」へ狭めたことが、トラリピ犬氏の主たるレバ規制対策だった。
「トラリピでのレバ規制対策は2種類あります。ボクがやったようにポジション量を半分に変更するか、あるいは資金を2倍にするか」
実際、マネースクエアでは8月以降も取引量に大きな変化はなく、資金を追加して対応した人が多かった様子。トラリピ犬氏も注文の変更とともに資金を追加してもいる。
「過去最安値を割っても耐えられるのが理想でして、最初は1豪ドル=60円台までしか耐えられない水準でしたが、この設定変更で1豪ドル=55円割れまで耐えられるようになりました。
ただ、まだ理想型じゃありません。資金に余裕ができたら、55円から110円まで、過去最安値から過去の最高値までまんべんなくトラップを仕掛けたいですね」

トラリピに含み損はつきものだが…
これが実現できれば、「豪ドル/円が55円を割らない限りは」という前提がつくものの、無敵のトラリピが完成となる。トラリピに死角なし、なのか――。
「ありますよ。1つは含み損。トラリピに含み損はつきものです。ボクも始めてすぐ、150万円の資金に対して、数十万円の含み損を抱えました。今現在も含み損を抱えています。
ただ、これは仕方ない。いずれ利益確定できると信じて耐えるしかありません」
特に天井付近で買ったポジション、大底付近で売ったポジションは長期間、含み損になりがち。
買いであれば、スワップを味方につけて時間の経過とともに含み損を縮小させることもできるが、売りの塩漬けは支払いスワップの負担により、時間とともに含み損が拡大していく。
「だから、マネースクエアのセミナーを聞いていると、売りトラリピはあまり推奨していないですよね。
ボクの売りトラリピの利益確定幅が5000円。豪ドル/円の支払いスワップを1日100円として50日塩漬けにすると支払いスワップが5000円で、利益確定できても支払いスワップで相殺されてしまいます。
50日以上塩漬けしてしまうと、利益確定できてもポジション単位での損益はマイナスになってしまうのです」
トラリピ犬氏の「最長塩漬け記録」は390日。約4万円のスワップを支払って、やっと利確できても5000円。差し引き3万5000円の損失となった。
これが売りトラリピのリスクだ。売りトラリピでは塩漬け期間が長くなるほど、損失は大きくなる。
完全放置できる数少ない方法、それがトラリピ
「だから、トラリピでは含み損に耐えられるような資金管理が必須ですし、そのためにはある程度の資金も必要。
以前は1万通貨単位でしか売買できなかったので100万円程度は必要でしたが、今は1000通貨単位でトラリピができるようになったので10万円くらいあれば始められます」
マネースクエアでは昨年6月から1000通貨取引に対応したが、1万通貨単位での取引に比べて手数料が割高になってしまうケースが多いので、この点はご注意あれ。
今の店頭FXでは手数料無料のFX会社が多いが、マネースクエアでは1万通貨単位以上の取引だと1000通貨単位あたり30円、1万通貨単位未満の取引だと1000通貨単位あたり50円の手数料がかかる(南アフリカランド/円、香港ドル/円は手数料が異なる)。
手数料無料に慣れた人には不満だろうが、これはトラリピの使用料と割り切るしかない。実際、トラリピ犬氏はそれだけの手数料を支払った上で、利益を出しているのだ。
「トラリピは完全放置できる数少ない方法だと思います。ボクもトレード画面にログインするのは週1回、週末だけ。
それもブログを書くためで、別に何か注文をいじるわけじゃありません。ログインパスワード、忘れそうです(笑)」
何かと話題になりやすいトラリピ。賛否両論わかれるトラリピが果たして強力な武器となるのかどうか、まずはデモ口座で試してみるのが手っ取り早いはずだ。
(取材・文/ミドルマン・高城泰 撮影/今井裕治)
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米ドル/円 | ユーロ/円 | ユーロ/米ドル | ||
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※日本時間9時~翌27時までの時間帯に適用されるスプレッド。スプレッドはすべて例外あり。ユーロ/円・ユーロ/米ドルは、2023年2月4日までのキャンペーンスプレッド | ||||
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